MIPS系のBIG/LITTLE CPU Ingenic M200

Ingenic Semiconductor(北京君正集成电路股份有限公司)のページが更新され、新製品が正式に掲載された。

新しいCPUとして「M200」というCPUと、それを使ったボード「Newton2 Platform」が登場している。

まず、M200について。

サイズは「BGA270 7.7×8.9×0.76mm,0.4mm pitch」と書かれているぐらいのサイズで、想定用途はウェアラブルデバイス・・・Android腕時計やメガネなど、とのこと。

その用途向けには、すでにJZ4775をベースとしたM150という統合型パッケージが存在していたようなのですが、M200はそれをさらに進めたものである模様。

基本はいままでの4775系統と同じくMIPS命令セット採用のXBurstコアが2コア載っている、というもの。
違う点は、2コアのスペックが異なる、いわゆるBIG/LITTLE構成であるということ。

・XBurst-HP Core 1.2GHz
・XBurst-LP Core 300MHz

これが共存して載っている、というもの。

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L1キャッシュは各コアごとであるものの、L2キャッシュ512KBは両コア共通、という構成。
IngenicはJz4780で2コアの実績はあるとはいえ、今回のようなクロックによる使い分けと、それを有効活用した省電力化がうまく働いているのかは、若干未知数。

面白い構成だな、と思ったのは画面出力に関する仕様。
「LCD controller with OSD: TFT, SLCD and MIPI-DSI (2-lanes)」と「EPD Controller/E-Ink controller」と書かれている点。
前者は通常の表示を行っているところに対してもう1系統の出力を表示するOnScreenDisplay(OSD)が可能である、ということ。
後者はE-Inkディスプレイに出力可能、ということ。

先日発表になったGEAK Watch2の仕様にある、丸形カラー液晶とE-Inkを組み合わせて表示している・・・という仕様は、まさにコレを採用しているんだろう、と思わせるもの。

で・・・このM200を搭載した評価用のボードが「Newton2 Platform」となる。
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中国の1元コインとの比較写真がありますが、ボード自体のサイズは15x30x2.4mmということですから、500円玉ぐらいの大きさと比較している感じだと思えばいいみたいです。

表

表面の左側の一番大きなチップがメモリ。
真ん中の中ぐらいのチップがIngenic M200です。

裏

裏面はコネクタが目立ちますね。

でも、これでも
・RAM 4GB
・ROM 4GB(eMMC)
・WiFi Broadcom 43438 2.4GHz IEEE 802.11b/g/n
・Bluetooth 4.1(BLE)、2.1+EDR
・センサー InvenSense MPU-9250採用(9方向ジャイロスコープ,傾き,地磁気センサー)
を搭載しています。

これを使って、なかなかおもしろいものが出てきそうで期待しています。

MIPS系CPU搭載のAndroid腕時計GEAK Watch2が出る!

2013年、MIPS系CPU Ingenic JZ4775搭載の「GEAK Watch」というAndroid腕時計が発売された。

そして、1年経過した2014/10/29・・・新製品「GEAK Watch2」が発表されたようです。

CPUメーカIngenic Semiconのリリース:「果壳发布GEAK Watch 2“智能圆表”,售价1999元
製品ページ:「果壳发布GEAK Watch 2

今回発表されたのは2製品。
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「GEAK Watch II Pro」(価格2499元)と「GEAK Watch II」(価格1999元)です。
Proの方は、外装が豪華になっている、というのと、バッテリーが20%ほど増えている、という違いがあるようです。

RAM 384MB
ROM 4GB
丸形液晶 1.26インチ 320*320(254PPI)
Bluetooth 4.0

OSとして「GEAK Watch OS」と書かれていますが、実体はAndroid 4.3ベースのものになります。(ingenicの方に書いてある)

ぱっと見、液晶ではないような感じのサンプル写真が出ています。
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まぁ、最近はやりの丸液晶のようです。
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(なお、時計盤面のサンプルはいろいろあるようです。)

この液晶は、E-Ink画面とカラー液晶画面を切り替えられる「TF Screen」である、とうたっています。
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このため、外ではE-Ink画面を使い、見やすく、そして電池が長持ちさせるようにする、ということができるようです。
これにより、通常利用で1週間、スタンバイ使用時18日、だ、とうたっています。

気になるのは、充電端子が背面(腕側)にあるというところ・・・
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MediaTekのスマートフォン向け3G/4G対応SoC一覧(2014/10/24)

MediaTekの「Smartphone products」の製品一覧が誤解を招く表記になってるw

・MT6572 Dual-core platform with HSPA+
・MT6573 Quad-band HSPA platform
・MT6575 Dual-SIM HSDPA platform
・MT6577 Dual-core dual-SIM HSPA platform
・MT6589 Quad-core dual-SIM HSPA platform
・MT6592 Octa-core HSPA+ platform
・MT6595 Octa-core LTE platform
・MT6732 64-bit Quad-core LTE platform
・MT6795 64bit LTE Octa-core platform

この並びでみると、「MT6572 Dual」より「MT6573 Quad」の方が性能良さそうに見えちゃうじゃんw

性能順で正しく並べると、以下の様な感じですかね?

・MT6573 Quad-band HSPA platform
  ARMv11 650MHz
  PowerVR Seriase5 SGX
  MediaTekのスマホ向けチップとして初めてのWCDMA対応製品

・MT6575 Dual-SIM HSDPA platform
  Cortex-A9 1GHz
  PowerVR Seriase5 SGX
  そこそこ使えるようになってきたのがここら辺から

・MT6577 Dual-core dual-SIM HSPA platform
  Cortex-A9 1GHz 2コア
  PowerVR Seriese5 SGX
  日本にも搭載製品が入ってきたのは、ここから。
  安いけど悪くはない、という感じではあったのだが、
  2013年夏ぐらいまでが戦えてた時期かな、と

・MT6572 Dual-core platform with HSPA+
  Cortex-A7 1.2GHz 2コア
  GPU Mali400-MP1
  下にあるMT6589より後に登場した製品
  いままで外付けで必要としていたチップを統合した製品であるため
  バッテリーの持ちとかもいい感じになっている。
  MT6572でRAM 1GBあったら、2014年10月の時点でもそこそこ使えるんじゃないかな?
  MT6572Mは廉価版で若干スペックが低い

・MT6589 Quad-core dual-SIM HSPA platform
  Cortex-A7 1GHz 4コア
  PowerVR Seriese5XT
  日本には入ってきていない(はず)
  MT6589搭載機とMT6582搭載機があったら、基本的にMT6582の方が良いものになる。

・MT6582
  Cortex-A7 1.2GHz 4コア
  GPU Mali400-MP2
  なぜか公式ページにないが、存在している製品
  MT6589では外付けしていたチップを、統合した製品で
  MT6572(2コア)とMT6582(4コア)は兄弟と言える。
  このチップを使用して「LTE対応」と書いてある場合、それは
  外付けのLTEチップを使い対応している、という意味となる。
  MT6582Mは廉価版で若干スペックが低い

・MT6592 Octa-core HSPA+ platform
  Cortex-A7 1.7GHz/2.0GHz 8コア
  ARM Mali450-MP4
  MediaTek初の8コアなんだけど、8コアが有効に働いてないという噂(最近のfirmwareなら大丈夫みたい)
  このチップを使用して「LTE対応」と書いてある場合、それは
  外付けのLTEチップを使い対応している、という意味となる。

・MT6595 Octa-core LTE platform
  Cortex-A17 4コア+Cortex-A7 4コア
  PowerVR Seriese6
  LTE対応
  まだ、製品が出始めたばかりで、謎が多い。
  いまんとこ2種類のコアがうまいこと使えてない感あり

・MT6732 64-bit Quad-core LTE platform
  64bit Cortex-A53 1.5GHz 4コア
  ARM Mali-T760
  LTE対応
  まだ、これから製品が出てくるもので、謎が多いが
  ARMからいろいろ提供を受けて実装している模様

・MT6795 64bit LTE Octa-core platform
  64bit ARMコア 2.2GHz 8コア(Cortex系ではなく独自?)
  GPU 不詳
  LTE対応
  まだ、これから製品が出てくるもので、謎が多いが
  MediaTek独自でいろいろ設計している模様

NVDIMM と ULLtraDIMM

じつは、これ、夏頃にNVDIMMとULLtraDIMMの違いについて調べたことがあったんだけど、ニッチすぎるし、この見解が正しいのか自信が無かったのでお蔵入りにしていたコンテンツです。

SK Hynix、世界初の16GB DDR4不揮発性DIMM」と、いま、NVDIMMが注目されているようなので、公開してみます。


マザーボード上のDIMMスロットを、最も応答が速いディスクとして利用するための仕組みとして、「NVDIMM」というものと「ULLtraDIMM」というものがあります。
前者は「Non-Volatile RAM(不揮発メモリ)」を用いたDIMM、後者は、Flashメモリのみを用いたDIMMのSanDiskの商標、となります。

両者は似ているようで、若干異なります。

「Non-Volatile RAM(NVRAM/不揮発メモリ)」といった場合、Flashメモリも含まれますが、「NVRAM」と称した場合の主流は、バッテリー保護機能(BBU)付きのDRAMとなります。
これは、本来であれば電源供給が無くなった時点でデータは消失してしまうDRAMに対して、バッテリーによる保護機能を持たせることで、消失しないようにする、というものです。
保護の方法もいろんな種類がありますが、バッテリーにより保護されている間に、Flashメモリにデータを移し、消失を防ぐ、という手法が一般的です。

「NVDIMM」の場合の保護手法も、おおむね、バッテリー保護中に、Flashメモリに移す、というものになっています。
NVDIMMの場合、通常のDRAMメモリのチップと、Flashメモリのチップを両方基板上に配置しなければならないため、それほど容量が確保できない、という欠点があります。

ULLtraDIMMは、Diablo Technologiesが開発したコントローラを使用して、SanDiskが開発したDIMMスロットに差すSSD(Flashメモリ)となります。
NVDIMMと違い、「ULLtraDIMM」はSanDiskの商標となります。
IBMにOEMしたモノは「IBM eXFlash DIMM」という名称になります。

ULLtraDIMMは比較的大容量が確保できますが、NVDIMMの方と比べると、速度が遅くなります。(DRAM書き込みの方が速い)

DDR3スロット向け
Viking Technology ArxCis-NV(2GB/4GB/8GB)
AGIGARAM DDR3 NVDIMM(2GB/4GB/8GB)
netlistの「NVvault DDR3 NVDIMM」(1GB/2GB/4GB)
SMART Modular Technologiesの「DDR3 NVDIMM」(1GB/2GB/4GB/8GB) いろんなサイズでも出している

DDR4スロット向け
・Viking Technologyからリリース予定
AGIGARAM DDR4 NVDIMM サンプル出荷開始
Micron NVDIMM AGIGRAMと提携
SK Hynixから16GB DDR4 NVDIMM サンプル出荷開始

Vikink Technologyがフラッシュメモリのイベントで使用したスライド「Creating Storage Class Persistent Memory With NVDIMM」が公開されています。

ULLtraDIMMの製品は、以下の2つです
SanDisk ULLtraDIMM SSD(200GB/400GB)
IBM eXFlash memory-channel storage(200GB)

また、NVDIMMやULLtraDIMM以外にもメモリスロットを使用するデバイスとして、「Storage in the DIMM Socket Storage PRESENTATION TITLE GOES HERE in the DIMM Socket」によると、以下の種類があるようです。

・DRAM Modules
  普通のメモリ
・NVDIMM
  不揮発メモリ
・MCS (ULLtraDIMM)
  Memory Channel Storageで、diablo technologyの技術を使って、フラッシュメモリ(NANDメモリ)に記録するモノ
・SATADIMM
  メモリソケットを使うけど、I/Oは普通のSATAを使う
・HDIMM (Hybrid DIMM)
  メモリソケット側のI/Oと、SATA経由のI/Oのどちらも搭載しているもの
・MRAM, ReRAM
  比較的大容量の新規格の不揮発メモリ

Kobo Arc 7HDを買った

特価1万円で売ってたので、いまさらKobo Arc 7HDを買ってみました。

・・・期間限定楽天ポイントとかいろいろを使ったので支払額は5千円でしたけど。

1日使ってみた感想。

利点
・高解像度(1920×1200 323ppi)
・Google Playストア導入済
・素のAndroidに近い(一部制約あり)
・プレインストールソフトのほとんどが削除可能
 楽天系アプリはKoboアプリ以外全部消せる

欠点
・初回使用時、楽天アカウントの登録が必要
 この楽天アカウントはKoboの同期に使われる
・Koboアプリだけは消せない
 (それ以外の楽天系アプリは全部消せる)
・高解像度のせいで遅い
・充電につかうmicroUSB端子が左横なのが

たいしたこと無いだろうと、キャプチャとか一切取らずにセットアップしてしまったのが若干悔やまれます。

とりあえず、いろいろ感じたことについて列挙。

<その0>
電源を入れたら、バッテリー残量が15%を切った状態でした。

<その1>
初回使用時、まず、楽天アカウントの登録が必要になります。
これはskipできません。

<その2>
ホーム画面にずらりと楽天系アプリが並んでいて、若干引きます。
が・・・これらは全てアンインストール可能です。
プレインストールのアプリでアンインストールできないのは、Koboアプリぐらいです。
日本独自で楽天系アプリを追加インストールしてから出荷しているような印象を受けます。

<その3>
ブラウザは、「標準ブラウザ」「Google Chrome」「Firefox」の3種類が入っています。
わざわざFirefoxが入っている理由はよく分かりません。

<その4>
Googleアカウントは登録しなくても使えますが、アプリの追加には、Google Playストアを使う必要があるので、結局は登録することになります。

<その5>
他社の電子書籍ソフトは普通に使えます。
Amazon Kindle、BookWalker、BookLive!、紀伊國屋書店Kinoppy!など、まぁ、普通です。

<その6>
ゲームをやると、高解像度による画面処理量の多さに起因する速度低下の影響か、遅くなる場面が多々あります。
例えば、Angry Birdsで時々BGMが乱れたりします。