手持ちのSBCに関する開発リンクメモ 2023/08/17

公式のOSビルド環境 https://github.com/orangepi-xunlong/orangepi-build/commits/next

ChromiumOSベースのopenFyde https://github.com/openFyde/overlay-orangepi5-openfyde

UEFI https://github.com/edk2-porting/edk2-rk3588

Windows on ARM/RK3588のドライバ対応まとめ https://github.com/worproject/Rockchip-Windows-Drivers

armbian for orangepi5

armbian build script

Vision Five 2関連

公式SDK https://github.com/starfive-tech/VisionFive2

VisionFive2のDebian VisionFive2 Debian

VisionFive2のフォーラム RVspace

armbian for vision five2

Banana Pi関連

github https://github.com/BPI-SINOVOIP?tab=repositories

banana pi wiki

Pine64関連

PINE64 WIKI

Orange Pi 5でChromium OS(openFyde) R108を動かす(仮

Orange Pi 5上で動くChromium OSカスタマイズのopenFydeにR108ベース版が登場した。

商用版のfydeOSの方でもFydeOS for YouとしてOrange Pi 5向けがダウンロードできるようになった。

openFydeではR108版ではAndroidアプリが動作するようになった模様(fydeOS v16.1リリースノート にはAndroidに関する記載はない)

Add Android 11 support implemented by project ARCHERO(Alpha test status).
Upgrade Android 11 subsystem ArcHero.

どういう仕組みで動かしているのかな?と調べてみるとFydeOSの「Chromium OS Archero Developer Guide」というページを発見。

Google Chrome OSでのAndroidアプリはGoogle ARC++(Android Runtime for Chrome)を使って動かしているものを、anboxベースで置き換えた、というものであるようだ。

Orange Pi 5へのインストール

openFyde R102でのインストール手法から変更となっている。

1) orangepi5-openfyde-r108-r1.run をダウンロード
2) orangepi5-openfyde-r108-r1.run をインストール先M.2 SSDに合わせたオプション付きで実行してimgファイルを出力
3) imgファイルをmicroSDに書き込む
4) 書き込んだmicroSDとインストール先のM.2 SSD(NVMe or SATA)をOrange Pi 5に取り付け
5) Orange Pi 5の電源をつないでopenFyde起動してM.2 SSDにインストール
6) インストール完了後、自動的に電源は切れる
7) microSDはさしたままOrange Pi 5の電源を入れるとM.2SSDからopenFydeが起動

最初、Linux環境から直接imgファイルをM.2 SSDに書き込んでみたり、microSDで起動してM.2 SSDにインストールした後はmicroSDを抜くものだと思っていたので、起動してこなくて悩みました。

現状のOrange Pi 5だとオンボードSPIにブートローダ書き込んだ場合の動作調整が面倒なので、どのような設定でも最優先されるmicroSDにブートローダを書き込んでしまうのが確実、ということで、常時microSDをさしたままの状態とする、ということのようです。

現状のAndroid互換レイヤーではストアとして中国CoolAPKのみが登録されているので、中国圏のアプリは簡単にインストールできる状態でした。

原神のアイコンがあったのでインストールしてみたところ、インストールに成功し、ログイン時のあの音楽も流れてきましたが、中国アカウントを求められてそれ以上は進めませんでした。

Windows 11 on ARMをRK3588SのOrange Pi 5で動かす

しばらく前から、Rockchip RK3588を積んだRock 5B上でWindows 11 on ARMを動かす、というものが公開されていた。

元々は2022年11月にRock 5の販売元であるradxaのフォーラムの「Windows / UEFI on Rock 5 (Mega thread)」(https://github.com/edk2-porting/edk2-rk35xx)で公開されていたものが、2023年3月にtwitterでMario BălănicăさんがROCK 5B向けで動かしているツイートをしてから開発が加速(https://github.com/mariobalanica/edk2-rk35xx)

そこにOrange Pi公式が乗っかったことでOrange Pi 5向け対応も行われるようになった形です。

しばらくは具体的な導入手法はなく、UEFIのみ提供されている状態でしたが、3月下旬にWoRプロジェクトのWebに「Preliminary installation guide for RK3588 boards」と手順が公開され試しやすくなりました。

2023/04/12現在でのOrange Pi 5での制限事項

全体的なもの

・M.2コネクタ利用不可
・HDMI出力のみ対応(Type-C出力は使用できない)
・オンボードNICが使えない

USBコネクタに関する制限事項

・USB 3.0(青コネクタ)の上側のポートはUSBストレージ用に使う
・USB 3.0(青コネクタ)の下側のポートはキーボードなどで使えると書いてあるのだがうまく動かず
・USB 2.0(縦配置のやつ)にUSBハブをつなげてキーボード/マウス/USB NICをつなげると良い
・Type-CコネクタもUSB 2.0扱いで使えるらしいのだがうまく動かず

Windowsのインストール先について

・microSDから起動することもできるっぽいのだが成功せず
・USB 3.0(青コネクタ)の上側ポートにつけたUSBストレージからの起動には成功
・速いストレージを使わないと起動がすごく遅い

セットアップ手法について

WoRの「Preliminary installation guide for RK3588 boards」のWindows手順ではメディア作成関連がいまいち分かりづらかったので、Ubuntu 20.04環境で設定を行った

用意するもの
・USB接続で速いディスク
・UbuntuマシンとOrange Pi 5を繋ぐUSB-A/Cケーブル(SPI書き込みの際に使用)
・USB NIC(Windows11標準で認識するもの)
・USB ハブ(キーボード/マウス/NICをつなぐにはポートが足らないので)

手順概要

1) Ubuntuに前提条件パッケージをインストール

以下のworkliが要求しているパッケージをインストール

# apt install gawk xmlstarlet jq wget wimtools ntfs-3g curl cabextract chntpw genisoimage zenity 

rkdeveloptoolが要求するパッケージをインストール

# apt install libudev-dev libusb-1.0-0-dev dh-autoreconf

2) rkdeveloptool をコンパイルしてインストール

基本としてはrockchip wikiのRkdeveloptool に記載のやりかたで https://github.com/rockchip-linux/rkdeveloptool のレポジトリをcloneしてコンパイルするんだけど、実はwikiは記載が足らないので、githubの方に記載のコマンドでコンパイルして、 /usr/local 以下のインストールする。

$ git clone https://github.com/rockchip-linux/rkdeveloptool.git
$ cd rkdeveloptool
$ aclocal
$ autoreconf -i
$ autoheader
$ automake --add-missing
$ ./configure
$ make
$ make install

3) workli.sh を入手

githubの https://github.com/buddyjojo/worklireleases から workli.sh をダウンロード

ver 1.0時点では、GUIダイアログで選択させる系のつくりになっているためX-Window環境が必要

4) workli.shを実行してSPI/SD選択まで進める

まず、日本語でメッセージが出力されていると、デバイスが識別できなかったので英語で動作させる

$ export LANG=C
$ sudo bash workli.sh

また、sudoを実行する必要があるので、環境によっては下記の様な実行が必要となる

$ export LANG=C
$ xhost +
$ sudo  XAUTHORITY=~/.Xauthority  bash workli.sh

ブートローダ/UEFIをSPIかSDのどちらかにするところまできたら、SPIを選択

5) Orange Pi 5をUbuntuマシンにつなげる

Orange Pi 5に電源ケーブルを繋がない状態で、HDMIコネクタの右側のType-CをUbuntuマシンにつなげ

Orange Pi 5の基盤上にあるMaskromボタンを押しながら、HDMI左側の電源用Type-Cコネクタに電源をつなげる

そうすることで、Ubuntuマシン上にOrange Pi 5がデバイスとして認識される

6) workli.shのプロセスを進める

windowsイメージのダウンロードも自働で行ってくれる

7) USBストレージをUbuntuマシンにつなげる

UbuntuマシンにつなげていたOrange Pi 5を外して、代わりにWindowsをインストールするUSBストレージをつなげる

8) workli.sh でUSBストレージにWindowsをインストールする

9) 書き込んだUSBストレージをOrange Pi 5につなげてOrange Pi 5を起動

まずは下記のようなOrange PiのロゴのUEFIが表示される

しばらくすると下記のようなコマンドプロンプトが表示されて再起動

Orange Piのロゴが表示されたあと、下記の様なブルースクリーンが表示され、再起動する・・・というのを2回くらうと、先に進むのでしばらく放置する

しばらく待つと下記の様な「準備しています」表示になる。

そのうち下記の様なWindows 11の初期セットアップ画面が表示される

Windows 11の場合、Proであってもインターネット接続が必須とされているのを回避するため、Shiftキー+F10キーでコマンドプロンプトを開いて「oobe\bypassnro」を実行する。

実行すると再起動がかかるので、しばらく待ってWindows 11の初期セットアップを進める

Windows 11が起動する

2023/04/12時点ではデバイスマネージャの認識は以下の様な形となっていた

Windows のarm64ビットとして動作していることが確認できる。

また、ラズパイ4の時と同様に古い32ビットWindowsアプリも動作することが確認出来る。

WiFi/Bluetooth搭載のOrange Pi 5Bが登場する?

Orange Pi 公式のビルドスクリプト の最近の更新に「Update for Orange Pi 5 v1.1.2 and support Orange Pi 5B」というのがあった

内容を確認すると

options+=("orangepi5"                 "Rockchip  RK3588S octa core 4-16GB RAM GBE USB3 USB-C NvME")
#options+=("orangepi5b"                 "Rockchip  RK3588S octa core 4-16GB RAM GBE USB3 USB-C WiFi/BT")

とある。

M.2スロットが削除され、WiFi/Bluetoothが搭載されている、ということになっている。

最初の発表の時に出てたスペックがOrange Pi 5Bとして登場してくるようだ

価格がどれくらいの違いがでるのかちょっと気になりますね

Orange Pi 5でChromium OS(openFyde) R102を動かす

2023/05/09追記: このページの記述はR102時代のものです。現状はR108のページを参照のこと


Orange Pi 5のCPUパワーがあればChrome OSが動くんじゃないかと検索してみると、Chromium OSベースのFydeOSのオープンソース版openFydeOrange Pi 5向け移植があるのを発見した。

なんと5日前に最初のコードが公開されて、3日前にイメージファイルが公開されたばかりというもの。

ChromiumOSはディスクI/Oが多いのでmicroSD起動ではなく、M.2 NVMe SSDかM.2 SATA SSDで使うことを推奨されている。

とりあえず、M.2 SATA SSDに書き込んで見ます。

orangepi@orangepi5:~$ ls
Desktop    Downloads  Orangepi5_1.1.0_ubuntu_jammy_desktop_xfce_linux5.10.110.img  Pictures  Templates
Documents  Music      orangepi5-openfyde-r102.img                                  Public    Videos
orangepi@orangepi5:~$ sudo dd if=orangepi5-openfyde-r102.img of=/dev/sda bs=4M conv=fdatasync status=progress
6933184512 bytes (6.9 GB, 6.5 GiB) copied, 16 s, 433 MB/s
1766+1 records in
1766+1 records out
7407221248 bytes (7.4 GB, 6.9 GiB) copied, 19.8569 s, 373 MB/s
orangepi@orangepi5:~$ sudo fdisk -l /dev/sda
GPT PMBR size mismatch (14467228 != 1000215215) will be corrected by write.
The backup GPT table is not on the end of the device.
Disk /dev/sda: 476.94 GiB, 512110190592 bytes, 1000215216 sectors
Disk model: Kingchuxing 512G
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disklabel type: gpt
Disk identifier: 0A2133E6-2262-584F-8E41-66BED45870B0

Device       Start      End Sectors  Size Type
/dev/sda1  6078464 14467180 8388717    4G Linux filesystem
/dev/sda2    69632   135167   65536   32M ChromeOS kernel
/dev/sda3   499712  6078463 5578752  2.7G ChromeOS root fs
/dev/sda4   135168   200703   65536   32M ChromeOS kernel
/dev/sda5   495616   499711    4096    2M ChromeOS root fs
/dev/sda6    65600    65600       1  512B ChromeOS kernel
/dev/sda7    65601    65601       1  512B ChromeOS root fs
/dev/sda8   200704   233471   32768   16M Linux filesystem
/dev/sda9    65602    65602       1  512B ChromeOS reserved
/dev/sda10   65603    65603       1  512B ChromeOS reserved
/dev/sda11      64    65599   65536   32M unknown
/dev/sda12  364544   495615  131072   64M EFI System

Partition table entries are not in disk order.
orangepi@orangepi5:~$

ちなみにAndroidを書き込んだ場合は下記の様なパーテーション構成だったので、似た構成ではある、ってところですね。

orangepi@orangepi5:~$ sudo fdisk -l /dev/sda
Disk /dev/sda: 476.94 GiB, 512110190592 bytes, 1000215216 sectors
Disk model: Kingchuxing 512G
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disklabel type: gpt
Disk identifier: 1B040000-0000-4531-8000-2CDC00004E46

Device       Start        End   Sectors  Size Type
/dev/sda1     8192      16383      8192    4M unknown
/dev/sda2    16384      28671     12288    6M unknown
/dev/sda3    28672      36863      8192    4M unknown
/dev/sda4    36864      45055      8192    4M unknown
/dev/sda5    45056      53247      8192    4M unknown
/dev/sda6    53248      55295      2048    1M unknown
/dev/sda7    55296     137215     81920   40M unknown
/dev/sda8   137216     333823    196608   96M unknown
/dev/sda9   333824    1120255    786432  384M unknown
/dev/sda10 1120256    1906687    786432  384M unknown
/dev/sda11 1906688    1939455     32768   16M unknown
/dev/sda12 1939456    1941503      2048    1M unknown
/dev/sda13 1941504    8314879   6373376    3G unknown
/dev/sda14 8314880 1000215151 991900272  473G unknown
orangepi@orangepi5:~$

つづいて、今回はM.2 SATA SSDなので、ssd-sataドライバを読み込ませる設定をします。

ただ、/dev/sda1をマウントして stateful_partition/unencrypted に Env.txt を作る、とあるのにディレクトリがない?

orangepi@orangepi5:~$ sudo mount /dev/sda1 /mnt
orangepi@orangepi5:~$ ls /mnt
dev_image  lost+found  unencrypted  var_overlay  vmlinuz_hd.vblock
orangepi@orangepi5:~$ ls /mnt/unencrypted/
import_extensions
orangepi@orangepi5:~$ ls /mnt/stateful_partition/unencrypted
ls: cannot access '/mnt/stateful_partition/unencrypted': No such file or directory
orangepi@orangepi5:~$

とりあえず書いてあるコマンドを実行してみる

orangepi@orangepi5:~$ echo overlays=ssd-sata | sudo tee /mnt/stateful_partition/unencrypted/Env.txt
tee: /mnt/stateful_partition/unencrypted/Env.txt: No such file or directory
overlays=ssd-sata
orangepi@orangepi5:~$ cat /mnt/stateful_partition/unencrypted/Env.txt
cat: /mnt/stateful_partition/unencrypted/Env.txt: No such file or directory
orangepi@orangepi5:~$

まあ、エラーになりますね

stateful_partitionは不要なのかな?と削った /mnt/unencrypted/Env.txt でファイルを作ってみた。

orangepi@orangepi5:~$ echo overlays=ssd-sata | sudo tee /mnt/unencrypted/Env.txt
overlays=ssd-sata
orangepi@orangepi5:~$ cat /mnt/unencrypted/Env.txt
overlays=ssd-sata
orangepi@orangepi5:~$

また、再起動前にmtdblock0にSATA用イメージを書き込みます。

orangepi@orangepi5:~$ sudo dd if=/usr/share/orangepi5/rkspi_loader_sata.img of=/dev/mtdblock0 status=progress
13894144 bytes (14 MB, 13 MiB) copied, 1 s, 13.9 MB/s
32768+0 records in
32768+0 records out
16777216 bytes (17 MB, 16 MiB) copied, 246.949 s, 67.9 kB/s
orangepi@orangepi5:~$

で、Linuxをshutdown してから、microSDを抜き、電源を入れると、openFydeが起動しました。

Fyde OSのオリジナルアカウントかGoogleアカウントでログインすることができます。

Googleアカウントでログインする場合は、普通のChrome OSと同じようにセットアップしていきます。

セットアップが終わるとまあ、普通のChromeOSです

Linux環境も使えます。

ブラウザでWebアクアリウムを動かしてみると10000匹でfps:38となかなかいい感じで動いている。この値はUbuntuでGPU有効で動かした場合より良いものになっている。

また、youtube再生した場合の動作も、openFydeで動かした方がよい感じになっている。

音声再生もきちんと動いている。

ブラウザで日本語入力を試みたところ、日本語入力モードへの切り替えはできたのですが、変換機能がうまく動いていないようで…

いや、ブラウザのURL入力欄では日本語入力ができないだけでした。

FydeOS App Storeを開くと「Android apps」という項目があるのですが、どういうチョイスかよくわからないものがインストールできるようです。