DELL PowerProtect DD(DataDomain)には、オブジェクトストレージにデータを保存するような機能がある。
1つはAvamarと連動した場合に使用できる、Data Domain全体のバックアップをオブジェクトストレージに対して保存するというDataDomain CloudDR機能。
もう1つは、Data Domainにある、高速でコストが高いActive Tierにデータを保存して、一定日数経ってアクセスする可能性が少なくなったデータを遅くてコストが安いCold Tierに移動する、という階層化構造を利用するCloud Tier機能である。
Cloud Tier機能を使う場合、一度DataDomainに接続されているディスクに対してデータを保存し、一定日数(最小14日)経過後にオブジェクトストレージに転送される、という設定になる。
この2種類の方法だと、クラウド上だけにデータが保存されている、というわけではないので使いにくい。
いろいろ資料を調べると、AWS, Azure, GCP上に仮想的なDataDomain、DELL PowerProtect DD Virtual Edition(DDVE)が提供されていて、これらにおいては、オブジェクトストレージのみに対してデータを保存するという、Active Tier on Object Storage (ATOS) という機能があるようだ。
ローカル(オンプレ)のvSphere, Hyper-V上に対してDDVEも展開できるのだが、その場合はその機能はついていない。(これは評価版を入れて確認した)
「Dell PowerProtect DDVE on Amazon Web Services 7.12 Installation and Administration Guide 」の「初期設定手順 」を確認すると、「File System」の「Active Tier」設定で、Storage Typeとして「Object Store」で設定している。
なので、DDVEをクラウド上に展開するときだけ、使えるんだと思うんだけど、認識はあってるんだろうか?
Data Domain: DDVE and ATOS Supported Configurations, Event Message: Unsupported virtual hardware configuration
Data Domain: Data Domain Virtual Edition(DDVE) which are Cloud deployed (ATOS), may run out of Local-Metadata Storage
AWS上に作成する場合、「APEX Protection Storage for AWS (DDVE) 」(以前DDVEと呼ばれいたAPEX Protection Storageと注釈が入ってる)にはサンプル構成として以下のようなものが書かれている
ドキュメントをいろいろ眺めてみると
・インスタンスについて 保存領域のサイズによってインスタンス選択が変わり 2023年12月時点では M5.xlarge(16TB), M5.2xlarge(32TB), M5.4xlarge(96TB), M5.8xlarge(256TB) となっている。 なお、以前は M4シリーズだった模様
・インスタンスが動作するために必要なEBSについて GP3のストレージが要求されている(以前はGP2) root領域 250GB NVRAM disk領域 10GB data disk領域 1024GB(これ不要かも?) metadata disk領域が最小2TB~26TB以上
metadata disk領域は、重複排除/圧縮状況により変化し、重複排除率が上がると使用容量も増え、残り容量が20%を切ると増設が必要となるので注意。 16TB構成時 1TB*2個 32TB構成時 1TB*4個 96TB構成時 1TB*10個 256TB構成時 2TB*13個
metadata用領域が足らなくなった場合の対処→「Data Domain: Data Domain Virtual Edition(DDVE) which are Cloud deployed (ATOS), may run out of Local-Metadata Storage 」
・このほかにデータを保存するオブジェクトストレージ AWS S3
・ATOS構成の場合、Cloud Tierは使用できない いきなりクラウドに書いてるので、そこからさらにクラウドに移動させる、という機能は使えない(not support)