vROpsで取得しているデータをPowerCLI経由でcsv出力する(複数の出力結果を1つにまとめる方法)

vROpsで取得しているvSphere環境に関する情報は、通常、vROpsのレポートやダッシュボードなどで確認する。
csvでほしい場合は、レポートで出力させたりする。

しかし、vROpsのGUIでは、全ての仮想マシンについて、指定期間内のCPU/メモリの使用容量を取得する、といった操作を行うことができない。
できるのは、「1台の仮想マシンについて指定期間内のCPU/メモリの使用容量を取得する」という操作を全ての仮想マシンに対して個別に実行する、ということである。

そんなのは使いにくい。

PowerCLIを使うと、vROpsで取得済みのデータをGet-OMStatを使用することで取得することができる。
(なお、予測のデータについては、PowerCLI経由では取得できない)

しかし、Get-OMStatで取得できるデータは、1つのメトリックについてのみであるため、CPUとメモリの使用量について取得しようとした場合、それぞれGet-OMStatを実行する必要がある。

CPUの使用量/使用率とメモリの使用量について取得すると以下のようになる。

$cpuusage=Get-OMStat -Resource $vmguest.Name -Key 'cpu|usage_average' -From $startdate -To $enddate -RollupType avg -IntervalType Hours -IntervalCount $interval 
$cpuusagemhz=Get-OMStat -Resource $vmguest.Name -Key 'cpu|usagemhz_average' -From $startdate -To $enddate -RollupType avg -IntervalType Hours -IntervalCount $interval
$memusage=Get-OMStat -Resource $vmguest.Name -Key 'mem|host_usage' -From $startdate -To $enddate -RollupType avg -IntervalType Hours -IntervalCount $interval 

3つの変数にそれぞれデータが入っているため、このままでは1つのCSVファイルに出力ができない。

これを、1つにまとめようとすると以下のようになる。

$cpuusage=Get-OMStat -Resource $vmguest.Name -Key 'cpu|usage_average' -From $startdate -To $enddate -RollupType avg -IntervalType Hours -IntervalCount $interval 
$cpuusagemhz=Get-OMStat -Resource $vmguest.Name -Key 'cpu|usagemhz_average' -From $startdate -To $enddate -RollupType avg -IntervalType Hours -IntervalCount $interval
$memusage=Get-OMStat -Resource $vmguest.Name -Key 'mem|host_usage' -From $startdate -To $enddate -RollupType avg -IntervalType Hours -IntervalCount $interval 

$results=$cpuusage|ForEach-Object {
        $output = New-Object -TypeName PSObject
        $output | Add-Member -MemberType NoteProperty -Name "Time" -Value $_.Time
        $output | Add-Member -MemberType NoteProperty -Name "Name" -Value $_.Resource
        $output | Add-Member -MemberType NoteProperty -Name "CpuAverage" -Value $_.Value
        $output | Add-Member -MemberType NoteProperty -Name "CpuMHzAverage" -Value `
            ($cpuusagemhz | where { $_.Time -eq $output.Time } |Select-Object -Last 1 ).Value
        $output | Add-Member -MemberType NoteProperty -Name "MemAverage" -Value `
            ($memusage | where { $_.Time -eq $output.Time } |Select-Object -Last 1 ).Value
        $output
}

$results | Export-Csv output.csv -Encoding UTF8 -NoTypeInformation

これで、1つのcsvとして、3つのメトリックの結果を取得できるようになる。

ミュンヘン市のLinuxディストリビューションLiMuxは死んでる?

「無料のLibreOfficeをやめて有料のWindowsとOfficeに戻すべき」という市議会の議論について開発元が反論」(2017/02/15)という記事が公開されている。

これは、ドイツのミュンヘン市が、古いWindowsとMicrosoft Officeの変わりに、LinuxとOpenOfficeを採用した、という話のその後のことである。

英語のWikipedia「LiMux」と、ドイツ語のWikipedia「LiMux
そして、標準のOpenOffice/LibreOfficeには無く、ミュンヘン市で必要な機能を追加するための拡張モジュール「WollMux」というのが、現状確認できる文献であるようだ。

初期はDebianベースで開発され、安定して配布するために、専用ディストリビューションLiMuxという形態を取るようになったようだ。

2010年12月のLiMux 3ではUbuntu 8.10をベースに、カスタマイズされたOpenOffice
2011年08月のLiMux 4ではUbuntu 10.04 LTSベースで、OpenOffice + WollMux拡張モジュール
2012年08月のLiMux 4.1ではUbuntu 10.04 LTSベース、OpenOffice + WollMux拡張モジュール
2014年11月のLiMux 5ではUbuntu 12.04 LTSベース、LibreOffice + WollMux拡張モジュール

LinuxディストリビューションとしてのLiMuxは、これ以降の情報はなく、公式サイトも現存していないようだ。
LiMux 5で使用しているUbuntu 12.04LTSのサポート期限は、2017年4月となっているため、これ以降の更新がなければ、死亡、という感じである。

ということで、少なくとも、ミュンヘン市の事例については、Linuxディストリビューションを作成してのLinuxデスクトップの運用計画、という面では、失敗しているのは間違い無いようだ。

一般的なUbuntuデスクトップベースでの運用に切り替わっているのか、それともWindowsベースの運用なのか、はたまた、サポート切れのLiMux(Ubuntu)デスクトップを無理矢理使っていくのかは、はっきりと見えていない。


2019/11/21追記

久しぶりに状況を確認してみると「WollMux」のサイト構成が変わっていた。

ソースコードは https://github.com/WollMux/WollMux で公開されていて、最新バージョンで18.0.11で、開発中バージョンとして18.1.6が出ている。

が・・・ダウンロード先として提示されているアドレス、例えば「http://webdav.muenchen.de/limux/sonstiges/wollmux/packages/WollMux-18.0.11」はホスト名解決が行えずアクセスできない。

githubの方は頻繁に更新されており、11/20付けで18.1.7 prereleaseが出ていたりするので、サイトの管理体制に難があるようだ。


2021/11/24追記

現在はサイトの方はWollMux 18.1.14と書いてあるが githubの方では2021/10/14付けでWollMux 18.2.7 をリリースしている状態だった。

2024/04/05追記

ドイツのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州で州政府のパソコンを移行する、という話があるようで「ドイツ政府が3万台のPCでLinuxに乗り換えてMicrosoft OfficeからオープンソースのLibreOfficeに移行する」(2024/04/05)の記事の中でミュンヘン市の件についても触れられている。

なお、バイエルン州のミュンヘン市議会は先行して2004年にオープンソースソリューションへの切り替えを行っており、2013年にWindowsからLinuxへ完全に移行することに成功しましたが、職員へのトレーニング不足からか、一部の職員から不満の声が上がり、2017年にWindowsへ戻ってしまったとのことです。この背景には、Microsoftによるマーケティング戦略があったことも指摘されています。

ただ、額面上以上のことは確認してないようで、なんで2017年にWindowsに戻ったのかとか触れていない(LiMux 5のサポートが2017年4月で終わったけど、ほかのUbuntu系にしようとはしなかったから)

WollMux拡張がどうなったのかを確認してみると2023年7月リリースのver19.0からLibraOfficeの直轄プロジェクトとなって LibreOffice Template System としてリリースされていた。

ライセンスは European Union Public Licence (EUPL) というものを使っているようだ。


Wikipediaの記事を見ていると、このミュンヘン市の事例に触発されたように、自治体が主体となって作成したLinuxディストリビューションがいくつかあるようだ。

Canaima

公式サイト:CANIMA GNU/LINUX
ベネズエラ政府系で作成しているディストリビューションで、2007年から2017年の現在も継続して提供されているもの
最新版はCANIMA 5.0でDebianベースで開発されている。

2019/11/21時点ではサイトにアクセスできない。wikipediaの記載によれば2018年3月にversion 6.0がリリースされていた模様。

GendBuntu

フランスの国家憲兵隊で作成しているディストリビューション。
Ubuntuベースで開発されていたが、2014年6月のUbuntu 12.04LTSベースのもののリリース後、死んでいるようだ

Zorin OS

公式サイト:Zorin OS
イタリア ヴィチェンツァ市で採用されているLinuxディストリビューション。市が作ってるわけではない)
Ubuntuベースで開発され、最新のZorin12はUbuntu 16.04LTSベースであるようだ。

2019/11/21現在では2019年3月リリースのZorin OS 15と、2019年11月リリースの軽量化版Zorin OS 15 Liteの2種類が出ている。

GPD Pocketのクラウドファンディングが開始されたので投資してみた

GPD社による、クラウドファンディングPCの第2弾。GPD Pocketが、先ほどより開始されました。

GPD Winの時は、国内最速クラスでネタにしていたけど、タイミングが悪くてクラウドファンディングに参加出来なかったけど、今回は大丈夫だったぜ!

当時の発言、twitter社により検索除外されちゃってるから、ここで再掲載しておくか・・・

Khadas VIMというAmlogic S905X搭載のボード

Khadasというところが「Khadas VIM」というAmlogicのSoCを使ったラズパイみたいなボードを出しているらしい。

Amlogic S905Xとしては普通・・・って感じなんですが、ちょっと変わってるなぁ、と思うのは、USB Type-Cで電源供給/USB OTGってところ。


SoC: Amlogic S905X Cortex-A53*4コア
RAM 2GB
ストレージ 8GB(ノーマル) or 16GB(PRO)
電源コネクタはUSB Type-C兼用
ワイヤレス Broadcom AP6212(ノーマル/WiFi/BT) or Broadcom AP6255(Pro/WiFi(acサポート)/BT)
RTC用バッテリーコネクタあり
IR受信素子あり

現状、公式でリリースされているOSは「Firmware Resources」にある
・Android Marshmallowベース
・LibreELEC
・Ubuntu 16.04

開発関連リソースは「https://github.com/khadas/」にある。

で・・・どこで買えるのかな?と思えば、GEARBEST
RAM 2GB/ストレージ8GBのノーマル版 $49.99
RAM 2GB/ストレージ16GBのPro版 $64.99

・・・SoCの上にヒートシンクなくても常用できるのか?というのが謎

ただのAmlogic S905X搭載のAndroid Boxだったら、もっと安い値段で、もっといい感じのケースで売ってますからねぇ・・・

FairPhone2というパーツ単位で買えるスマホとUbuntu Touch

FAIRPHONEという会社から、自分たちで作るスマホ
ということで、FairPhoneというものが企画されています。

過去に、FairPhone 1として、Android 4.2のスマホが販売されたようです。
FairPhone2という最新版では、各部品/基板のスペアパーツも含めて販売されています。

肝心のスペックは、といえば・・・

Android 5.1
Snapdrago 801 (MSM8974AB)
RAM 2GB
ストレージ 32GB
5.0インチ 1920×1080
WCDMA Band1(2100),2(1900),8(900)
LTE Band 3(1800), 7(2600), 20(800)

という感じ。
このスペックで、「Pre-Order」で「5月1日発売予定で529.38ユーロ」という表示って、どういうことなのか、よくわかりません・・・
フォーラムを見ると、既に使っている人もいるようで、品切れ再生産待ちなのか、開発者向けのみなのか???

で・・・このFairPhone2で動くUbuntu Touchが出たようです。
Ubuntu Touch for FairPhone2
関連するgithub「https://github.com/ubports/android_kernel_fairphone_fp2
Firmware書き換えツール「https://github.com/MariusQuabeck/magic-device-tool

が・・・Getting Startedを見てみると、WiFiのみで、モバイル通信は怪しい模様。

Firmware書き換えツールのMagic-Device-Toolは、下記機種の大して、Ubuntu Phone / Ubuntu Touch, Android, CyanogenMod, Maru OS, Sailfish OS and Phoenix OS、の入れ替えを行うためのものだそうな。
BQ Aquaris E4.5 (krillin)
BQ Aquaris E5 HD (vegetahd)
BQ Aquaris M10 HD (cooler)
BQ Aquaris M10 FHD (frieza)
Meizu MX 4 (arale)
LG Nexus 4 (mako)
LG Nexus 5 (hammerhead)
Asus Nexus 7 2013 WiFi (flo)
Asus Nexus 7 2013 LTE (deb)
Samsung Nexus 10 (manta)
OnePlus One (bacon)
Fairphone 2 (FP2)

対応機種を持っていると面白いかも?