VMware ESX環境でWindows 8とWindows Server 2012を動かすには?


VMware ESX環境で、Windows 8とWindows Server 2012を動かすには、相応の設備がいる、という話。

元ネタ
ESXvirtualization の「Windows 8 and Windows Server 2012 Release Preview on ESXi 5 ? does it work?」より
VMware KB 2006859:Windows 8 operating system does not boot or install on ESXi or ESX

VMware環境編
・ESXi 5.0 + パッチ ESXi500-201112001以降が必須
・公式としてはTech Previewとしてではあるが、ESXi 5.0 Update 1以降
・ESXi 4.1など4.x台では動かない

仮想マシンのハードウェア設定編
・Virutal Machine Version 8を選択し「Windows 8」か「Windows Server 8」
・Virtual Machine Version 7の場合は「Windows 7」「Windows Server 2008R2」
・グラフィックの3D機能を有効にしてからOSインストールすること
・USB機能は動かない
・NICタイプのvmxnet3動かない。e1000eかe1000を選択すること

仮想マシン上のWindows設定編
・Windows OS上にVMwareのWDDM Videoドライバをインストールしない
 VMware Toolsインストール時に、WDDM Videoドライバをインストールしない
 OS標準のVESAドライバを使用すること

OSインストール後、再起動したら暗いまま、という場合
下記のKBにあるような設定変更を行う。

VMware KB 2021887:Windows 8 Release Preview and Windows Server 2012 Release Candidate fail when starting for the first time after the installation

フリーのUPS管理ソフト 2024/04/11版


無停電電源装置 UPS(Uninterruptible power supply)で停電時にパソコン・サーバを連動して停止させるには、別途のソフトウェアが必要。

で、ソースが公開されている連動させるためのソフトウェアについてまとめました。

2012/07/02 初版公開
2018/03/15 現状にあわせ修正
2019/09/10 修正
2020/10/12 修正
2023/07/10 nutの現状を追加
2024/04/11 nut更新

なお、製品系でESXiなどで使えるモノについて「ESXiで使用できるUPS連動シャットダウンソフトの情報」で解説しています。

Apcupsd

Apcupsd

APCのUPS用のソフト。
シリアル/USB/ネットワーク経由でのシャットダウンに対応。
APC純正ソフトウェア「PowerChute」が持っている機能を含んでいる。

ネットワーク経由の応用として、サーバ1台はシリアル/USBでUPSに接続し、そのサーバを起点に他のサーバにネットワーク経由でシャットダウンする、という設定も可能。

2016年7月リリースのapcupsd 3.14.14が最新版。

2013年頃から登場の下記UPSなどは従来の「apcsmart」ではなく「MODBUS」プロトコルに変わっている。

 SmartUPS SMX/SMT 750, 1000, 1500
 SmartUPS RT 3000XL, 5000XL
MODBUSモデルは「FA164737:How do I update the firmware of my SMT, SMX, SMC, or SRT series Smart-UPS?」に掲載されているものとのこと。

マニュアルを参照し、UPSCABLE,UPSTYPEを適切に設定すること。

Network UPS Tools

Network UPS Tools
ソフトウェアパッケージ的には「NUT」と略されていることが多い。

対応UPSが多い→Hardware compatibility list

apcupsdと同じにネットワーク連動機能をサポートしており、ESXi 5.0向けのNUTクライアント(フランス語のページ)なんてのがある。(ESXi 6.5でも使用できるらしい) NUT and VMware (ESXi) というページでESXiでのNUT利用方法について記載されていて https://github.com/rgc2000/NutClient-ESXi の手順でインストールするとESXi 8.0でも対応できるらしい

2016年3月リリースのNUT 2.7.4が最新版。
リリース版は出ていないがgithub https://github.com/networkupstools/nut にて開発が継続中…2020/10/09付けのcommitとかあるのになんでリリース版を出さないのかが謎。

2022年4月リリースのNUT 2.8.0が最新版
https://github.com/networkupstools/nut/releases/tag/v2.8.0-signed

2024年4月リリースのNUT 2.8.2が最新版
https://github.com/networkupstools/nut/releases/tag/v2.8.2

2022年8月に「RFC 9271:Uninterruptible Power Supply (UPS) Management Protocol — Commands and Responses」としてNUTのプロトコル仕様が公開されている。

ちなみにむかし格安UPSで有名だったサウンドハウスのUPSはロシアの「krauler」というメーカのOEMなので、使うドライバは「blazer_usb」。
参考記事:「SoundHouseのUPS(USB接続)をLinux/Debian/Proxmoxで使う

APC Smart-UPS系統への対応はAPCのSNMPボード経由のsnmp-upsによる対応がメインで、apcsmartではMODBUSへの対応が行われていない。

ntUPSd

ntUPSd

NUT互換クライアントのWindows用サービス。
NUTサーバ機能は無いので、別途LinuxなどでNUTサーバをたてる必要がある。

2016年4月リリースの Network UPS Tools Service for Windows v0.0.3 が最新版

2020/10/12時点では開発は終了した、との表示になっている。

NUT本体でWindowsクライアントが出ている。

42ITy

42ITy

NUTから派生したプロダクト。EATONの「IPM Infrastructure」のOSS部分。

42ITy側ではバイナリは提供されておらず、ソースコードを https://github.com/42ity から入手して構成する必要があるようだ。

42ITy SW architecture

Simple Shutdown Software(オムロン)

Simple Shutdown Software(オープンソース版)

オムロンUPS純正のUPS管理ソフト。

他社のUPSをサポートしているわけではないが、メーカオフィシャルでソースを公開しているのがめずらしいので掲載。

動作確認機種にWindows Storage Sevrer 2016も含まれており適切にメンテナンスされている模様
2018年4月リリースのVer 2.51が最新版。

2021年11月にver 2.51でWindows11/Windows Server 2022にも対応する、というお知らせが追加された。

ブラジル地デジ向けGeniatech USBチューナーをWindowsで使う場合のソフトウェアについて



ブラジル地デジ向けとして販売されているGeniatechUSB ISDB-Tチューナーは、製品添付のソフトウェアが若干古いバージョンとなっています。
しかし、メーカ公式のサポートページに最新版がリストアップされていないのです。

どうやって見つけたのかは定かではありませんが、geniatechのweb上のURLが判明しています。

TotalMedia 3.5.7.369(ネタ元:TotalMedia 3.5.7.359)
 製品添付のCD-ROM内のソフトウェアはTotal Mediaです。
 更新を探しても最新版だ、と言われたりしますが、さらに新しいレビジョンが存在しています。
 これにしたら、チャンネルスキャンで検出されるチャンネル名が文字化けしない日本語になりました。

SATVD-T 2.9.1.5(ネタ元:SATVD-T 2.9.1.5)
 製品添付のCD-ROMには存在しないですが、ISDB-T対応のチューナーソフトウェアです。
 (SATVD-T=ブラジル地デジ)
 チャンネル名が文字化けする、というのと、録画ができない、という問題はありますが、ちゃんと動作します。
 また、SmartCardリーダにB-CASカードを挿してからソフトウェアを起動すると、日本の地デジも見ることができます。

ProgDVB
 日本のワンセグは見れました。
 チャンネル名は日本語認識。EPG(番組表)も日本語でちゃんと取得できました。
 無料で使えるStandardは録画できませんが、Professional版は録画できます。
 ただ、音声が出ない場合があります。
 その場合、[Setting]-[Options]の[Audio]-[Codecs」にて「AAC」を「ArcSoft Audio Decoder」
 「Audio Renderer」のTypeを「System」に変更するといいかもしれません。
 (ArcSoft Audio Decoderがない場合は、Total Mediaをインストールしてください)
 なお、このソフト、SATVD-T と比較すると認識するチャンネル数が激減します。謎です。

ブラジル地デジ向けUSBチューナー S870を買ってみた



日本の地デジ ISDB-Tのver2.0みたいな感じの、ブラジルなどの海外向け地デジ ISDB-T (もしくはSBTVDとも言われる)で、日本の地デジを受信してみたらどうなるんだろうなぁ、と疑問に思っていたので、実際に入手して確認してみた。

まず、仕様的な違いで、いくつか細かいところがあるけれど、大きく見える点としては、以下の部分。
・日本 地デジ フルセグ 動画 MPEG2 + B-CASによるアクセスコントロール
・日本 地デジ ワンセグ 動画 H.264 (B-CASは使わない)
・ブラジル 地デジ フルセグ 動画 H.264 (B-CASは使わない)
・ブラジル 地デジ ワンセグ 動画 H.264 (B-CASは使わない)

そんなわけで、日本の地デジは見れないけど、ワンセグは見れるんじゃないかなぁ、というのが事前の予測。

それはさておき、ebayでチューナーを入手。
ものがGiniatech もしくは MyGicaのS870というUSBチューナー
 メーカーの製品ページ:「S870

発注から約1週間で到着。


メーカページの写真とUSBチューナーの見た目がちょっと違う。

とりあえず、Windows7機にて導入。
再生ソフトは、ArcSoftのTotalMedia Theatre 3.5。インタフェース表示は日本語も対応。

ただし、周波数スキャンをしてチャンネル検出した時に出てくるチャンネル名は文字化ける。

文字化けしたものを手動で修正することは可能。

で・・・肝心の動作ですが・・・

「ワンセグ可」

「地デジ(フルセグ)不可」

まぁ、予想通りの結果でした。

とりあえず、いろいろ試してみてるところです。

Windows Server 2012とInfinibandによる高速転送について



Interrop 2012でマイクロソフトがWindows Server 2012 Betaを使ったデモンストレーションを展示しているらしい。
Microsoftのtechnet blogのJose’s Briefings, Diagrams and Annotationsより「Windows Server 2012 Beta with SMB 3.0 – Demo at Interop shows SMB Direct at 5.8 Gbytes/sec over Mellanox ConnectX-3 network adapters

内容は、SMB3.0を使用したネットワーク越しでの高速転送技術について。

SMBサーバ側はFusionIO ioDrive2(単独で1.5Gbytes/sec)を4枚並べてストライプ。
そこに、高速ネットワークを使って別のサーバからアクセスして、どれくらいの速度がでるか、というもの。

上記の様な状態で、IO benchmarkを測定すると、以下の様な感じとなる。

テスト内容 サーバ ローカル 10Gbps Ethernet 32Gbps Infiniband 54Gbps Infiniband
512KB IO/8スレッド/8 outstanding
バンド幅 5808MB/sec 1129MB/sec 3754MB/sec 5792MB/sec
IOPS(512KB/sec IOs/sec 11616 IOPS 2259 IOPS 3754 IOPS 11565 IOPS
CPU負荷 ~6.6% ~9.8% ~3.5% ~4.8%
8KB IO/16スレッド/16 outstanding
バンド幅 5103MB/sec 571MB/sec 2620MB/sec 2683MB/sec
IOPS(512KB/sec IOs/sec 525225 IOPS 73160 IOPS 335446 IOPS 343388 IOPS
CPU負荷 ~90.4% ~21.0%
(転送できてないので暇)
~85.9% ~84.7%

( 検証環境の構築手順: Deploying Windows Server 2012 Beta with SMB Direct (SMB over RDMA) and the Mellanox ConnectX-2/ConnectX-3 using InfiniBand – Step by Step )

ま、単純に10Gbps < 32Gbps < 54Gbpsの差、と見ることもできるけど、 512KB IO時のCPU負荷が10Gbpsより低い、というのは、注目ポイントかもしれない。 なぜ、その様なことが発生するのか? それは、Infinibandを使用するSMB 3.0では、RDMAという技術を利用しているから、である。 RDMAは「Remote Direct Memory Access Protocol」の略で、Infiniband環境下では当たり前のように使用されている技術である。 参考文献1:SMB Advanced Networking for Fault Tolerance and Performance
これの5ページ~10ページに詳細が書かれているが、ようはプロトコルオーバーヘッドが少ないから、ということになるのだが、ちょっとここの説明だと理解しづらい。

参考文献2:SMB 2.2. over RDMA

参考文献2を見ると、SMB over RDMA自体はSMB 2.2からサポートしているらしい。
RDMAがなぜ早いのか?という仕組みの説明としてはこちらの19ページと20ページの図がわかりやすい。
実際のデータ転送部分に関しては、直接サーバ上のメモリを参照してもらう、ということで、高速化を図っている、という感じである。

SMB3.0での改善点は他にもあり、上記の参考文献1の11ページ~18ページでは、「SMB Multichannel」という技術の話がされている。
これは、高速転送時、いままでのSMB実装では、1つの転送に対して使用できるCPU coreは1つしかなかったので、CPU coreが頭打ちになると、それ以上は帯域や他のCPU coreが空いていてもそれ以上は早くならない、という問題がある。(参考文献1 13ページ)
それを複数のCPU coreで処理を担当できるようにする、というのがSMB Multichannel。
SMB Multichannelにより複数NICを使った場合の分散処理もかなり改善される。

(訂正: 参考文献3 SMB 2.2: Bigger, Faster, Scalier (Part 1)を見るとSMB 2.2からあるようだ)

参考文献4 The basics of SMB Multichannel, a feature of Windows Server 2012 and SMB 3.0
という記事があがり、Multichannelとかの機能について解説されている。