LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2022/11/09版

前回LTFSの現状についてまとめた記事から2年が経過した。
(「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2018/01/04版」)

LTO-8のテープメディアに関して発生していた特許騒動も解決し、ようやくLTO-8が普通に使える状況になりました。最近の状況について調査した。

2020/05/11 初回投稿
2020/11/11 部分修正
2021/02/04 LTFS 2.5.1対応
2021/03/10 IBM版の更新を反映
2022/04/11 ISOに関して追記。細々修正
2022/10/14 HPEとOracleの記述修正
2022/11/09 HPE StoreOpenがテープチェンジャ非対応ということが確定。オープンソース版追加


過去のLTFS関連記事
 「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFS(2012/11/28)
 「テープ装置メーカ純正のLTFS一覧(2013/12/20更新)
 「IBM版LTFSをRHEL5で使ってみた(2013/05/20)
 「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2014/06/09版
 「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2015/11/18版
 「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2018/01/04版


LTFSとは?

LTO-5/LTO-6からは、メディアを2つの領域に分割して利用することが可能になった。
その機能を活かし、1本のテープメディアの中に、メディア内データの管理情報と、実データを分割して保存することを可能とした。
これにより、これまで実現出来なかった、1本のテープメディアだけで可搬性のあるファイルシステム構築、というものが可能となり、その実装として、LTFS(Linear Tape File System)というのがある。

使用用途としては、バックアップ用ではなく、長期保存のためのアーカイブ用や、大容量データの持ち運び用として使用されている。

LTFSを実現するためのソフトウェアについては、基本的には、IBMが大本のベースを作り、それを各LTOドライブメーカが、自社ドライブ向けにカスタマイズして提供しているような形となっている。

LTFSのバージョン(フォーマット)

LTFSには、バージョンがいくつかあり、現状の最新バージョンはLTFS v2.5
・LTFS 1.0
・LTFS 2.0 : ファイルインデックス関連で機能をいろいろ追加
・LTFS 2.1 : 2012/05/18リリース。LTFS2.0+シンボリックリンク
・LTFS 2.2 : 2013/12/21リリース。管理情報の改良。2016年4月にISO/IEC 20919:2016として登録
・LTFS 2.3 : 2016/03/08リリース。各ファイルのハッシュ情報とファイル名のエンコーディングを追加
・LTFS 2.4 : 2017/12/01リリース。ボリュームのロックなどの追加
・LTFS 2.5 : 2019/05/19リリース。(Revision Historyが規格書に書かれていない…)Incremental Indexの追加
・LTFS 2.5.1: 2020/08/18リリース。細かい修正。2021年7月にISO/IEC 20919:2021 として登録

「LTFSのバージョン」と「LTFSソフトウェアのバージョン」は別物なので注意が必要。
たとえば、OracleのLTFSソフトウェアは「ver1.2.7」だが、「LTFS 2.2」に対応している。

LTFS2.2対応は重要だが、LTFS2.3対応はそれほど重要ではないので、とりあえず、現行リリースされているLTFSソフトウェアはほぼLTFS2.2以降対応なので、あまり心配しなくてもよさそう。2022/11/09時点でもLTFS v2.5対応はまだ無い模様。

LTFSv2.5の規格書はSNIAの「Linear Tape File System (LTFS)」の「Linear Tape File System (LTFS) Format Specification」にてpdfで公開されている。
LTFS v2.5で追加された「Incremental Backup」というのは、いままでは「フルバックアップ」と「前のバックアップとの増加分のバックアップ(Diff)」という2つの概念だったものが、「前のフルバックアップからの増加分のバックアップ(Incr)」が追加されたというもので、バックアップソフト側の概念としては昔からあるものになる。

その他、いろんな情報は、LTOの規格団体の「LTFS Overview」にある。

LTFSソフトウェアの種類

LTFSの公式認証を取得しているLTFSソフトウェアについては、「LTFS Compliance Verification」にて紹介されていたが、2021/03/10現在では該当ページが消滅している。

2020/05/11時点では以下の8個が登録されていた・・・「Date tested」の最新が2016年というあたりメンテナンスされていないのがわかるページだったので消滅も仕方がない感じである。

CompanyProductVersionLTFS VersionLTO GenerationDate tested
QuantumQuantum Scalar LTFS Appliance2.0.22.0.1LTO5 & 69/11/13
HPHP StoreOpen Standalone2.1.02.1.0LTO5 & 69/11/13
IBMIBM Single Drive Version1.3.02.1.0LTO5 & 69/11/13
IBMIBM LTFS Library EditionV1R32.1.0LTO5 & 610/2/13
QuantumQuantum LTFS2.1.02.1.0LTO5 & 611/29/13
HPHP StoreOpen Automation1.2.02.0.1LTO5 & 611/29/13
Spectra LogicSpectra Logic Black Pearl1.12.2LTO5 & 69/11/15
MT-ConsultingNODEUM1.12.1.0LTO5 & 67/05/16

なお、LTFSソフトウェアのバージョンと、対応しているLTFSフォーマットのバージョンに直接の関連性は無いので注意が必要。

また、LTOの規格団体の「LTFS Overview」のページに「Get Started Using LTFS」として紹介されているものは「HPE LTFS」「IBM LTFS」「Quantum LTFS (リンクは死んでいる)」の3種類である。


現状開発が継続していると思われるLTFSソフトウェアについて

・オープンソース版

よく探したらgithubにオープンソース版の開発ツリーがあった

公式: https://github.com/LinearTapeFileSystem/ltfs

単体ドライブ用で、IBM,HP,Quantumドライブに対応している

v2.4.0.0リリースからgithubに移動したらしい。

・IBM

公式: IBM Spectrum Archive(IBM Linear Tape File System)

IBMのLTFSは「IBM Spectrum Archive」という商品名になっている。テープベンダのSpectra Logicとは関係がない。

サポートURLは以前は各プロダクト用ページがあったが、2022/11/09現在は見当たらず「IBM Support」から検索、という感じのようだ。それぞれ「IBM Spectrum Archive Single Drive Edition (SDE)」「IBM Spectrum Archive Library Edition (LE)」「IBM Spectrum Archive Enterprise Edition (EE)」となる。

ドキュメントは「IBM Spectrum Archive Single Drive Edition (SDE) documentation」「IBM Spectrum Archive Library Edition (LE) documentation」「IBM Spectrum Archive Enterprise Edition (EE) documentation」。

また、アップデート用ファイルの入手は、「Fix Central」にて「製品グループ:System Storage」-「Tape Systems」-「Tape drives and software」の下にある「IBM Spectrum Archive Single Drive Edition(SDE) (旧名:LTFS Single Drive Edition)」や「IBM Spectrum Archive Library Edition(LE)(旧名:LTFS Library Edition)」「IBM Spectrum Archive Enterprise Edition(EE)」を選択することで入手する。

なお、LEとEEの方はアップデータのみの配布で、元になるソフトウェアについては、IBMから別途入手する必要がある。
基本的には、Single Drive Edition(SDE)が、他の全てのLTFSソフトウェアの原型になっているもの・・・という感じである。

2022/11/09時点での最新は、
IBM Spectrum Archive Enterprise Edition: ver1.3.3.0(2022/06/30) LTO-9対応/LTFS2.4対応
IBM Spectrum Archive Library Edition : ver2.4.5.0(2022/06/30) LTO-9対応/LTFS2.4対応
IBM Spectrum Archive Single Drive Edition: ver2.4.5.0(2022/06/30) LTO-9対応/LTFS2.4対応

・HP

公式: HPE StoreOpen and Linear Tape File System (LTFS) Software
公式2: HPE StoreOpen and Linear Tape File System (LTFS) Software
日本語情報: HP LTFS (Linear Tape File System)
HPEサポートセンター: HPE LTFS Software

以前は単体ドライブ向けの「日本語の導入マニュアル」が公開されていたがアクセスできなくなっている。

ソフトウェア関連は「HPE LTFS Software」からたどる事になる。

ソフトウェアの入手は、以前は単体ドライブ向けの「HP StoreOpen Standalone」とチェンジャー向け「HP StoreOpen Automation」が分かれていたが、現在は「HPE StoreOpen Software(LTFS)」に統合されているに統合されたことになっているのだが、試してみた感じでは単体ドライブ用の機能しかなかった。

この件について「HPE StoreOpen Software Linux and Mac 3.5 User Guide Frequently asked questions」にWindows向けStoreOpen については ver 3.4.0 以降ではライブラリ/チェンジャーに対応しているが、Linux向けについては単体ドライブしかサポートしない、との記載があることを確認した

Q: Can I use LTFS with tape libraries?
A: From v3.4, the Windows version of StoreOpen Software does offer support for HPE’s range of tape libraries; however the Linux & Mac versions do not provide such support. Tape drives located in tape libraries can be used, but there is no support for listing or changing cartridges. It may be possible to use other third party utilities for such purposes but that is beyond the scope of StoreOpen Software and HPE is unable to support customers experimenting with such configurations.

2022/11/09時点での最新は、
HP StoreOpen Software : ver3.5.0(2022/01/24) LTO-9対応/LTFS 2.4対応
また、ソースコードもダウンロードできる。

・Quantum

公式: Linear Tape File System

ソフトウェア入手は上記の公式ページの「Software」タブから行う。
ソースコードについては、LTFS Open Source Filesから。どちらも2019年から更新されていない。

2022/11/09時点での最新は下記
Linux/Mac : ver2.4.0.2(2019/03) LTO-8/LTFS2.4対応
Windows Model Bドライブ向け: ver3.0(2016/04) LTO-6以降という曖昧な記述のみ
Windows Model Cドライブ向け: ver2.4.0.2(2018/04) LTO-8/LTFS2.4対応。おそらくLinux/Mac向けと同じベース

Linux版のReleasenoteには、Quantum LTOドライブのほか、IBM LTOドライブにも対応という記述がある。

・Spectra Logic

公式:Linear Tape File System (LTFS)

LTFSを紹介するページはあるものの、LTFSを利用するソフトウェアに関するページが見当たらない。
「Spectra libraries are compatible with LTFS software and hardware solutions from a range of providers.」とあるので自社では直接提供していないようだ。

・MT-C NODEUM

公式:NODEUM

リストには「MT-Consulting」とあるが「MT-C」と改称した模様。
階層型ストレージとして、ディスクとテープなどを組み合わせて使用できるようにする、ソフトウェアのみを販売している?



リストに載っていないか死んだLTFS

・Quantum Scalar LTFS Appliance

公式:Scalar LTFSアプライアンス

ハードウェアがセットになったアプライアンス。
これの下にFC経由などでテープチェンジャーを繋いで使うもの。

バックアップアプライアンスに統合されたんだと思われる。

・TANDBERG DATA

2022/04/11時点のメーカWebには掲載が無くなっていたが、2022/11/09に再確認したら、「LTO Ultrium LTFS」でページは復帰していた。しかし、LTFS Softwareの入手先として「IBM SPECTRUM ARCHIVE SINGLE DRIVE EDITION」とIBM版を直接示すようになっているため、独自開発からは撤退した模様。

公式: LTFS for Archive

以前は「LTFS for Big Data」という扱いだったが、「Archive」にかえたようだ。

ソフトウェアの入手は「LTFS Downloads for LTO-5/6(legacy drive)」か「LTFS Downloads for OV-TAD LTO(LTO-7/8)」から行う。

2021/03/10時点での最新は
LTO-5/6向け: ver 3.3.0
LTO-7/8向け: ver 2.4.1.2

ページは英語表記だが、ドキュメントアイコンが日の丸になってるとおり、ダウンロードできるドキュメントはLinux用/Windows用が日本語化されている。
一部TANBERGカスタマイズが入っているようだが、基本的にはIBM Archive Single Drive Edition相当品。

・Oracle

2022/04/11時点ではメーカWebから記載が消えた。ossサイトにあったものも消えた。
2022/10/14時点では、https://lb-oss.oracle.com/projects/ltfs/ から単体ドライブ用のltfs-1.2.7が入手可能となっていた。

公式: Oracle’s StorageTek Linear Tape File System, Open Edition
以前はOracle製品としてのページ: Oracle StorageTek Linear Tape File System (LTFS), Open Edition and Library Edition があったが2021/03/10現在では消滅しているので基本は自社提供はしていないようだ。

現状でも、Oracle版のLTFSソフトウェアのうち単体ドライブ向けの入手は「https://oss.oracle.com/projects/ltfs/files/」から行うことはできる。(ライブラリ向けLTFS-LEは入手不可)

2021/03/10時点での最新は2015年時点と変わらず
ltfs-1.2.7(2015/10/07)

IBM LTFS 2.2.0.2とHP LTFS 2.2.1を組み合わせ、Oracle/StorageTek用の設定を入れたもの。
Oracle LTOドライブ,IBM LTOドライブ,HP LTOドライブに対応している。

LTFS For Dummies」という51ページのPDFを公開しているのが興味深い。
??? For Dummiesは、アメリカで販売されているいろんな分野の初心者向け書籍シリーズ。「ダミー人形向けの」→「バカでも分かる」というものなんだけど・・・このLFS for Dummies、解説具合が微妙過ぎるなぁ・・・

StorageTek Linear Tape File System, Library Edition Japanese Online Documentation」にて日本語ドキュメント群がhtml/pdfで公開されている。以下の4種類がすべてちゃんとした日本語なのは貴重。

StorageTek Linear Tape File System, Library Edition 計画およびインストールガイド
StorageTek Linear Tape File System, Library Edition 管理ガイド
StorageTek Linear Tape File System, Library Edition Web サービスアプリケーションプログラミングインタフェースプログラマーズガイド
StorageTek Linear Tape File System, Library Edition セキュリティーガイド


LTFS関連のツール紹介

・LTOpers

公式: https://github.com/amiaopensource/ltopers

LTFSを使いやすくするためのBASHスクリプトのフロントエンドプログラム
Quantum LTFS 2.4向けで、Homebrewでインストールし、ということなので、MacOSX向けとして作られているようだが、スクリプトを読むと.linuxbrewディレクトリがあった場合の条件分岐があるので、Linuxでも使えそう。


ドキュメント紹介

・富士通のドキュメント

富士通のWebにいくつか日本語解説ページがある。

カートリッジテープに記録されているデータをファイル形式で扱える LTFSオプション

書庫探(しょこたん) > ストレージ技術用語解説 > LTFSとは

マニュアル一覧にて「テープライブラリ (ETERNUS LT)」で検索して出てくる「ETERNUS LT series 用 LTFSオプション ユーザーズガイド

とくに「LTFSオプション ユーザーズガイド」はLTFS全般に関して日本語で解説されているよい文章と言える

コマンド操作についてはチェンジャー/オートローダー利用時の使い方がメインであるが、単体ドライブの場合についてもだいたい同じである。

・Oracleのドキュメント

いまは更新が停止しているがOracle版ltfsについては日本語マニュアルが完備している。

StorageTek Linear Tape File System, Library Edition Japanese Online Documentation Library
Release 1.0

 ・Planning and Installation Guide
 ・Administration Guide
 ・Application Programming Interface Guide
 ・Security Guide

EC-CUBE 4.0をSELinux有効状態のOracle Linux 7上に構築する手順(仮

EC-CUBE 4.0のテスト環境が必要になったので、Oracle Cloud上のOracle Linux 7インスタンスを立てて、その上に作成した。

が・・・公式ドキュメントはSELinux関連の設定とか触れてないし、かなり面倒だった。
厳密にやろうとするとかなりキツイので、SELinux有効の中でも簡単な対処としている。

環境初期準備

タイムゾーンを日本に設定

# timedatectl set-timezone Japan

fail2ban設定

sshアタックがあった場合にとっととIPバンするためにfail2banをインストール。
・・・いや、ターゲットにされるとホント、すごい勢いでsshアクセスの試行がありますよ。

# yum install -y fail2ban fail2ban-hostsdeny fail2ban-systemd
# systemctl enable fail2ban.service
# cat <<EOF > /etc/fail2ban/jail.local
[DEFAULT]
# 24時間以内に3回不審なアクセスがあったら24時間BAN
#bantime  = 86400
#findtime  = 86400
bantime  = 259200
findtime  = 259200
maxretry = 5

#CentOS7なのでsystemd
#backend = systemd # jail.d/00-systemd.conf で設定されてた

# 除外IP
ignoreip = 127.0.0.1 127.0.0.0/8 10.0.0.0/8 172.16.0.0/12 192.168.0.0/16 <除外したいIPを追加>
[sshd]
enabled = true
banaction = firewallcmd-ipset
EOF
# systemctl start fail2ban.service
#

webサーバとphp設定

phpはOracleが用意しているphp 7.2を使用するため、「oracle-php-release-el7」をインストール。現状の標準設定だとphp 7.2が標準選択されている。なお、php 7.1かphp 7.0を使うこともできるが、いまさら利点は無いので使用しない方がよい。

# yum install oracle-php-release-el7
# 

phpパッケージとhttpdをインストールして、firewall開け設定実施

# yum install -y httpd mod_ssl php php-json php-mbstring php-pdo php-xml php-zip php-mysqlnd php-intl 
# systemctl enable httpd
# systemctl start httpd
# firewall-cmd --permanent --zone=public --add-service=http
# firewall-cmd --permanent --zone=public --add-service=https
# firewall-cmd --reload

APCU(php-pecl-apcu)のインストールを推奨されたが、パッケージのコンフリクトが発生していたのでインストールしなかった。

SQLサーバ設定

今回はmariadbをSQLサーバとして使用した。

# yum install -y mariadb-server
# systemctl enable mariadb
# systemctl start mariadb
#

SQL起動後、ECCUBE用のデータベースを作成した。

# mysql -u root
Welcome to the MariaDB monitor.  Commands end with ; or \g.
Your MariaDB connection id is 2
Server version: 5.5.64-MariaDB MariaDB Server

Copyright (c) 2000, 2018, Oracle, MariaDB Corporation Ab and others.

Type 'help;' or '\h' for help. Type '\c' to clear the current input statement.

MariaDB [(none)]> create database eccube character set utf8;
Query OK, 1 row affected (0.00 sec)

MariaDB [(none)]> grant all on eccube.* to cubesql@localhost identified by 'dbsqlp@ss';
Query OK, 0 rows affected (0.08 sec)

MariaDB [(none)]> exit
Bye
#

ECCUBEファイル展開

/var/www/html/eccube にEC-CUBE 4.0.3を展開した。

展開した中に.htaccessファイルが含まれていますが、標準設定では読み込まないのでApacheに設定追加を行います。 (もっとセキュリティを強化してもいいとは思いますが、面倒だったので・・・)

# cat <<EOF> /etc/httpd/conf.d/eccube.conf
<Directory "/var/www/html/eccube">
    Options Indexes FollowSymLinks
    AllowOverride All
    Require all granted
</Directory>
EOF
# systemctl restart httpd
#

で・・・SELinuxがらみがどうなるかですが、おもいっきり引っかかりまくりました。

とりあえず該当するコンテンツに対して「httpd_sys_rw_content_t」を割り当てることで対処しました。

最初は個別に対処していこうとしたのですが、インストールプロセスを進めていくと、/var/www/html/eccube全体に対して権限を要求されたため、最終的には下記となりました。

# chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube
#

とりあえず、これでEC-CUBE 4.0の初期セットアップ完了までできるようになりました。

なお、サイトによっては「getsebool -a|grep httpd_can_network_connect」で「httpd_can_network_connect」の値を確認し、offであればonに変更する、と記載されているものもありますが、必要ありませんでした。

エラーコレクション

SELinux設定をしていく中で出てきたエラー群です。

まず、 http://IPアドレス/eccube/ にアクセスすると以下が現れました。

(2/2) ContextErrorException
Warning: file_put_contents(/var/www/html/eccube/var/cache/install/EccubeInstallDebugProjectContainerDeprecations.log): failed to open stream: No such file or directory

(1/2) RuntimeException
Unable to create the cache directory (/var/www/html/eccube/var/cache/install)

このときに表示された /var/www/html/eccube/var に対して「chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube/var」を実行しました。

次にでたエラーは下記です。

Filesystem->copy('/var/www/html/eccube/html/template/default/assets/img/common/favicon.ico', '/var/www/html/eccube/html/user_data/assets/img/common/favicon.ico')

/var/www/html/eccube/html/user_data以下に書き込む権限がないというもの。
eccubeディレクトリ内を探すと他にも「user_data」というディレクトリがあったため、「chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube/html/user_data」と「chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube/app/template/user_data」を実行した。

最後に「権限チェック」で引っかかった。

以下のファイルまたはディレクトリに書き込み権限を付与してください。
>>☓:/var/www/html/eccube
>>☓:/var/www/html/eccube/app/Plugin
>>☓:/var/www/html/eccube/app/PluginData
>>☓:/var/www/html/eccube/app/proxy
>>☓:/var/www/html/eccube/app/template
>>☓:/var/www/html/eccube/html
>>☓:/var/www/html/eccube/vendor
<略>
>>☓:/var/www/html/eccube/vendor/ocramius/proxy-manager/README.md
>>☓:/var/www/html/eccube/vendor/ocramius/proxy-manager/composer.json
>>☓:/var/www/html/eccube/composer.json
>>☓:/var/www/html/eccube/composer.lock

ようはここまでで「httpd_sys_rw_content_t」を設定しなかった全ファイル。

「chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube」を実行して再チェック・・・

>>○:アクセス権限は正常です

これでセットアップを進めることができました。

Oracle Cloudでは使用状況レポートを有効にしないとVM内にアクセスエラーログがたまりまくるので注意

東京リージョンでOracle Cloud Always Freeインスタンスを作れないので、US West(Phoenix)リージョンでアカウントを作り直してOracle Linux 7インスタンスを作ってみたところ /var/log/oracle-cloud-agent/agent.log にスクリプトの実行エラーが毎秒出ている。

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作り直し前の方ではagent.logは正常なのに何故?と思ったら、Oracle Cloudコンソールの「アカウント管理」の「使用状況レポート」が未設定なためだった。

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上記にある様に「アイデンティティ」の「ポリシー」にて「ポリシーの作成」をクリックし、上記ページに書かれている「ステートメント1」「ステートメント2」を下記画面の「ポリシーステートメント」に貼り付ければOK。(名前と説明は適当につける)

なお、ステートメント2にある「<group>」は「Administrators」に置き換える必要がある。(「アイデンティティ」の「グループ」に登録済みのグループ名に置き換える)

この設定を行ったあと、agent.logへエラーを吐き出していたインスタンス上で「 systemctrl restart oracle-cloud-agent.service 」を実行することでエラーは収まりました。

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Oracle CloudのAlways Freeインスタンスを作る際に誤って有料インスタンスを作ってしまいがちな件

他のよくある質問とその答え
・Always Freeインスタンスが作れない件→「Tokyoで作れないのは仕様
・ホームリージョンの変更できるの→「アカウント作成後の変更は不可能
・作ったOracle Linuxインスタンスにsshログインできない件→「インスタンス名に日本語入れてるから」)

Oracle CloudでAlways Freeインスタンスを作成する際、誤って有料のインスタンスを作ってしまうことがある。

例えば、下記の画面だとAlways Freeインスタンスではない。

どこを見ればそれがわかるのか?

上記の「シェイプとタイプ」のところに「常に無料の対象(Always Free対象)」という記載があるかどうかです。

「Always Free対象」である場合は、下記の様に「VM.Standard.E2.1.Micro(仮想マシン)」であることと、その横に「Alwasy Free対象」があります。

Always Free対象の表示が無いので変更するかと「シェイプ、ネットワークおよびストレージオプションの表示」を選択してみましょう。

次の罠が登場です。

「インスタンスタイプ」のところの「仮想マシン」は「Always Free対象」と書かれていますが、「インスタンスのシェイプ」には「Always Free対象」の表記がありません。

正しく「Always Free対象」が選択されている場合は、下記の様にインスタンスのシェイプでもAlways Free対象と表記されています。

Always Free対象となっていない場合は、「シェイプの変更」から変更しましょう。

・・・ないですか?

それは、いまいるリージョンがホームリージョンではないからですね。

右上にあるリージョン切り替えから「ホームリージョン」とかかれたものを選択しましょう。すると下記の様に「Always Free対象」が現れるはずです。

・・・え?

「Japan East(Tokyo)」リージョンだと「Out of host capacity」で作成できないから他のリージョンに変更したい?

残念ながらホームリージョンでしかAlways Free対象とならず、またホームリージョンの変更は不可能とのことです。 (ネタ元 Freedom to Build – Announcing Oracle Cloud Free Tier with New Always Free Services and Always Free Oracle Autonomous Database)

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諦めてアカウントを作り直すか、運良く東京に空きができたタイミングで作成できることを期待してインスタンス作成を繰り返してみてください。

Oracle Cloud Always Free Tierはホームリージョンでのみ作成できるが、現在North AmericaとEMEAリージョンでしか作成できない

2021/08/24追記

ドキュメント上は相変わらずAlways Freeはホームリージョンで作成できる、とありますが、ARMプロセッサのインスタンスに関しての記述が緩いな?と思って試してみると、ホームリージョン:Tokyoなんですが、US WestでARMインスタンスが作成作成できてしまいました。

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2019/10/04 追記
昨日から東京でもAlways Freeインスタンスの作成に成功するようになりました。
→その後、10/6には作れなくなる。10/8頃から作成可能。10/10には作れなくなる、と頻繁に状況が変わっています


Oracle Cloud Free Tier(“Always Free”,”Free Tier”といろいろ表記があって謎)を使って見ようと、ホームリージョンを日本で設定してみたところ、「Out of host capaticy」という表示で作成できない。

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データリージョン一覧ページに「Free Oracle Cloud Promotion is only available in North America and EMEA data regions.」と書かれていたので、North AmericaかEMEAリージョンで作成すればいいのかな?と考えていた。(なお、「Free Oracle Cloud Promotion」と「Always Free」が同じモノを指しているかは不明です)

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しかし、ホームリージョン以外では、Always Free(常に無料の対象)となる「VM.Standard.E2.1.Micro」が表示されない。

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どういうことかと調べ回ったところ「Freedom to Build – Announcing Oracle Cloud Free Tier with New Always Free Services and Always Free Oracle Autonomous Database」に記載を発見。

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「Alwasys Freeはホームリージョンでのみ提供」「アカウント作成時に指定したホームリージョンは変更できない」

twitterを検索すると、東京リージョンでも時々作成に成功することはあるようなので、空きが無くて作れないだけではあるようだ。

はたして東京リージョンで気軽にAlways Freeを使える日は来るのだろうか???