Allwinner H3搭載のOrange Pi Zero Plus2登場

Orange Pi Zero Plus 2」が送料込み$22.05で登場

最初、Allwinner H5 SDKにOrange Pi Zero Plus2の名前が登場したので、H5搭載機かと思っていたのですが、Allwinner H3搭載ということで発売されたのがちょっと残念ではあります…

小型でHDMIコネクタ、eMMC 8GB付きと、組み込んで使うには最適な感じです

小型のOrange Piで比較するとこんな感じです。

Orange Pi Zero Orange Pi Zero Plus 2 Orange Pi One
SoC H3 H2+ H3
RAM 256 / 512 512 512
ストレージ microSDスロット eMMC 8GB+microSDスロット microSDスロット
有線LAN あり なし あり
WiFi あり XR819 あり AP6212 なし
Bluetooth なし あり AP6212 なし
HDMI端子 なし あり あり
GPIO 26pin+13pin 26pin+13pin 40pin
USBコネクタ USB*1+micsoUSB OTG*1 microUSB OTG*1 USB*1+microUSB OTG*1
電源供給 microUSB OTG microUSB OTG 極性統一#2

Allwinner A64搭載のOrange Pi Winが$28.41で販売開始

Allwinner A64搭載のOrange Pi Winが$28.41で販売開始されました。

Orange Pi Win Development Board A64 Quad core Support linux and android Beyond Raspberry Pi 2


既に販売開始されているAllwinner H5搭載のOrange Pi PC2と比較すると・・・

・SoCが異なる(同点)
 Allwinner H5 vs Allwinner A64
 ただし、演算能力的な差異は、ほぼ無い。
 Allwinner A64を、Allwinner H3とピン互換にしたものがAllwinner H5となる。

・GPUが異なる(PC2の勝ち)
 H5のGPUはMali450、A64のGPUはMali400MP2
 H5の方が性能は良い

・メモリは同じ
 OPi Win、OPi PC2共に1GBと同点

・LCD端子の有無(Winの勝ち)
 OPi Winは、LCD接続用のMIPI LCD端子あり
 OPi PC2は、無い
 LCDを直接駆動する必要がなければ、メリットでは無い
 (HDMI端子はどちらにもある)

・無線LAN/Bluetoothの有無(Winの勝ち?)
 OPi Winは、AP6212によるWiFi 802.11b/g/nと、Bluetooth 4.2に対応
 OPi PC2は、搭載されていない
 ただし、日本で合法的に使用するには、技適が無いものは不要要素なので
 利点と言えるかは微妙

・ボタンなどが多い
 OPi Winにはデバグとか組み込み用に便利なものがある
 OPi PC2は最小限

・オンボードeMMC
 OPi Winの標準構成はeMMCはないが、オプションで提供予定
 OPi PC2は、そのようなスペースは無い

・サイズの違い(PC2の方がコンパクト)
 OPi Win 93mm x 60mm 48g
 OPi PC2 85mm x 55mm 38g

・電源供給の違い
 OPi Winは、極性統一#2端子か、microUSBか、スイッチにより切り替え可能
  また、外部バッテリーの接続用端子ありのため、UPS的運転可能?
 OPi PCは、極性統一#2端子のみ

・USB端子数の違い
 OPi Winは4ポート
 OPi PC2は3ポート

というわけで、Armbian入れて、ボード単品もしくはHDMI出力で使う、という場合には、Orange Pi PC2の方がコストメリットもあり、優れています。
Orange Pi Winは、組み込んでLCD出力やバッテリー駆動とかを行わせようという場合に向くような感じです。

で・・・Orange Pi Winの「Win」って、何なのか?ってことなんですが、
同じAllwinner A64を使っているPINE A64BPI-M64って、Windows 10 IoTに対応してるんですよね。
(詳しくは→「Allwinner A64搭載ボードのBPI-M64とPINE64がWindows 10 IoTに対応開始」2016年8月)

なので、このOrange Pi Winも、Windows IoTに対応するっていう意味なんじゃないかなぁ・・・と思ってはいるのですが
今回の販売にあたっては、何も触れられていないのが残念なところです・・・

はたして、どうなるんでしょうね


OPi Winオンボードに搭載されている電源制御ユニット(PMU) AXP803について調べたら、同じくAllwinner A64を使っている「NanoPi A64」でも使われていることが判明。
NanoPi A64の基板サイズは64mm x 60mm と、OPi PC2より小型サイズ。

Orange Pi Plus 2Eでのお薦めOSはArmbian

秋葉原でOrange Pi Plus 2Eが、なぜか、いまのタイミングで販売され始めた模様。
なんちゃってと呼ぶにはハイスペックな「Orange Pi Plus 2E」が登場

「なぜか」としたのは、Orange Pi PC2の方が、いまのタイミングだったら、いいんじゃないかなぁ、と思うので・・・
Orange Pi Plus 2の方だったらSATAコネクタがついてるので、NAS用途にって言えるんですが、Orange Pi Plus 2Eだと、あまりお薦めできるポイントが・・・
とりあえず、簡単な比較

・Orange Pi Plus 2Eの利点
 RAMが2GBある(Orange Pi PCとOrange Pi PC2はRAM 1GB)
 オンボードにeMMC 16GBが載っているので、microSDがいらない
 (技適的に駄目なのが、WiFiがオンボード)
 公式通販:Orange Pi Plus 2Eのセット商品。テクノハウス東映で売ってるケースセットは送料込みで$44.39。

・Orange Pi PCの利点
 CPUはOrange Pi Plus 2Eと同じ
 小型
 安い
 技適の問題無し(WiFiを積んでないので)
 公式通販:Orange Pi PCのセット商品。ケースセットは送料込みで$22.56。

・Orange Pi PC2の利点
 CPUは64bitのCortex-A53コア使用のAllwinner H5採用でラズパイ3対抗
 サイズはOrange Pi PCと同じで小型
 Orange Pi Plus 2Eより安い
 技適の問題無し(WiFiを積んでないので)
 公式通販:Orange Pi PC2のセット商品。ケースセットは送料込みで$27.56。

7480円で買うより、公式通販で買って2週間ぐらいで届くのを待ってもいいんじゃないですかね?という気がします。

あと、電源はmicroUSBではなく、PSPと同一形状の極性統一#2/EIAJ#2と言われる形状のものです。
秋葉原で探す場合は、千石電商で、極性統一#2、内径φ1.7、外径:φ4.0のDC05-4017,DC-4017を当たりを探しましょう。

ジャンク屋を巡ると5V機器用のやつでこれを使っているやつがあったりします。ポータブルDVDドライブ用電源だったり、ビデオカメラの電源だったり・・・・探してみても面白いかもしれません。


さて、Orange Pi シリーズですが、公式では「Android 4.4,Ubuntu,Debian,Rasberry Pi Image」とかうたってますが、表現に嘘があります。

「Rasberry Pi Image」です。
これは、「Rasberry pi用のOSがそのまま動く」という意味では無く「Raspberry pi用のOSをOrange Piで動くように改造したものが存在する」という意味です。

また、Orange Pi公式で配布しているUbuntu,Debian,Raspberry Pi Imageですが、Linux kernel部分のアップデートが提供されていません。
サーバとして継続運用するのには向いていないので注意してください。

では、サーバとして継続運用するにはどうすればいいのか?

現状のお薦めは、「Armbian」を使用するということです。
ArmbianはARM系SoC各種向けにDebian/Ubuntuベースで作成されたディストリビューションです。
Kernel周りなどのハードウェア固有のバイナリはArmbianのレポジトリから、それ以外のソフトウェアのバイナリはDebian/Ubuntuのarm用レポジトリから取得する形になっています。
こちらはOrange Pi公式とは異なり、活発に開発されており、セキュリティfixなども、そこそこちゃんとリリースされています。

ダウンロードページから各機種用のページにアクセスし、「Server」もしくは「Desktop」からファイルを入手します。
Serverはコンソールのみ、DesktopはX-Windowが起動します。
初回ログイン時のユーザ名は「root」、パスワードは「1234」です。

また、WiFiが搭載されている場合に、WiFiに接続するにはnmtui-connectコマンドを使用します。
(NetworkManagerを使う設定です)

・・・・え?
Androidを使いたい場合はどうすればいいかって?
Orange Pi公式のAndroidはPlayストアがインストールされていません。
3rdパーティー品でいいのは特にありません。
動作確認程度にしか使えないと思っていいですよ

Armbianの初期設定項目

いつもなんとなくやっちゃってるArmbianの初期設定
忘れないようにメモ書きを作成

その1: rootの初期パスワード
「1234」
初回ログイン時に変更する

その2: とりあえずOSアップデート
Armbian自体の更新+Ubuntu/Debianの更新を実施
「apt-get update」「apt-get upgrade」

その3: NFSクライアントインストール
うちの環境ではOrange Pi Plus2によるNFSサーバがあり、データ共有をしているのでnfs-commonをインストール
「apt-get install nfs-common」

その4: Locale/Timezone設定
言語設定
「dpkg-reconfigure locales」
タイムゾーン設定
「dpkg-reconfigure tzdata」
キーボードの言語設定(キー配列)
「dpkg-reconfigure keyboard-configuration」

その5:動作CPU範囲設定
ファイル「/etc/default/cpufrequtils」にて記載。
機種によって異なり、Orange Pi Oneでは下記の様に、「480MHz~1200MHz」がCPUの動作範囲となる

ENABLE=true
MIN_SPEED=480000
MAX_SPEED=1200000
GOVERNOR=interactive

ファイルを編集した場合は、「service cpufrequtils restart」で適用

Allwinner H5搭載Orange Pi PC2向けにArmbianの開発中版が出た

Allwinner H5搭載のOrange Pi PC2で動くLinux OSは、Orange Pi公式が出しているDebianとUbuntuだけでした。

Orange Pi公式の問題点は1つ。
kernelのアップデート提供実績がほぼ無い。
ある場合はOSイメージまるごと配布。

こんなんじゃ、継続運用に使えないわけです。
Allwinner系を中心にARM SoC向けにDebian/Ubuntuベースのディストリビューションとして「Armbian」というものがあります。
Allwinner H3搭載のOrange Pi向けも各機種出てますが、この度、Orange Pi PC2向けも登場しました。

Armbain for Orange Pi PC2

現状は、まだNightly版ということで開発中のモノしかありません。
「Warning: nightly downloads are automated untested builds and no end user support is provided for them!」とあるように、とりあえず出している、というやつです。

しかしながら、X-Windowが表示されるDesktop版も、しばらく使ってみた感じでは問題無く動いているようですし、一般的な用途では使えそうです。
ただ、ヒートシンクもしくは冷却ファンが必須です。
標準状態ではかなり発熱します。

2017/02/07時点でダウンロード可能な「Armbian_5.24.170202_Orangepipc2_Ubuntu_xenial_dev_4.10.0_desktop.7z」は、Ubuntu 16.04.1で、Linux kernelは4.10.0と、現在開発中の最新Linux kernelをベースとしています。