公衆無線LAN ワイヤレスゲートとWi2の比較(2014/10/01改訂)

この記事について「公衆無線LANサービスで使えるアクセスポイントのメモ 2019/08/28版」にて情報更新しています。


公衆無線LANサービスで「ワイヤレスゲート(Wireless Gate)」と「Wi2 300」というのがある。

去年、どっちも加入していたので、比較記事を書いた。
WirelessGateで使える公衆無線LANのSSID(2013/04/23)

で・・・2014年10月現在の情報では、いろいろ変更点がある。

まず、「Wi2preminum」が2014/10/1から、Wi2 300通常契約ユーザで使えなくなりました。

2011/06/29から「プレミアムエリアお試しキャンペーン」としてWi2 300通常契約ユーザであれば使用でできていましたが、その「お試し」が終了しました。
今後は、Wi2premiumを使いたい場合は、「ワンタイムプラン」の申し込みが都度必要になります。
つまり、プレミアムエリアを使いたい場合は従量課金になります。

これにより、Wi2で契約するための利点が無くなりました。
Wi2プレミアムエリアはau Wi-Fiと一緒に展開していたようで、結構数が増えていたのですが、それが一気に消えた感じです。(私が使っている範囲だと、Wi2通常エリアがほぼ0%だったので、一気に使えなくなりました)

・WI2:新たなSSID:Wi2premiumのお知らせ(2011/06/29)
・WI2:Wi2 300「プレミアムエリアお試しキャンペーン」の終了について(2014/03/12)
・WI2:Wi2「プレミアムエリアお試しキャンペーン」の新規受け付け終了について(2014/03/12)

次に、ソフトバンクがやっている「BBモバイルポイント」に新SSID「mobilepoint2」が出来ました。
いままでのmobilepointではセキュリティ上不安があったのを、ようやくセキュリティ強化したアクセスポイントを増やしていく、といったところなんでしょう。
Wi2 300については、mobilepoint2対応がされていますが、ワイヤレスゲートについては不明です。

・WI2:モバイルポイントの新SSID「mobilepoint2」への対応について(2014/08/28)

また、調査したところ、ワイヤスレゲートは、東海道新幹線N700系車内無線LANに、BBモバイルポイントエリアとして対応していることが分かりました。
・WG:Q. 東海道新幹線N700系車両内の無線LANサービスには対応していますか?→BBモバイルポイントエリアとして対応
BBモバイルポイント対応プロバイダリスト

これらの新しい情報を元にリストを更新すると、以下のようになりました。

サービス名称 ESS-ID 暗号化 Wireless Gate Wi2 300
BBモバイルポイント mobilepoint WEP
BBモバイルポイント mobilepoint2 WPA2 PSK ?
Wi2 300 オプションエリア Wi2premium_club WPA/WPA2 PSK × △1
Wi2 300 オプションエリア Wi2premium なし × △1
Wi2 300 Wi2_club WPA/WPA2 PSK
Wi2 300 Wi2 なし
Wi2 Wi-Fiスクエア wifi_square なし ?
UQ WiFi UQ_Wi-Fi WEP △2 △3
eoモバイル Wi-Fiスポット eo WEP ×
eoモバイル Wi-Fiスポット eo_WPA2/AES WPA/WPA2 PSK ×
N700系新幹線車内 mobilepointを標準料金で利用 UQ Wi-Fiを追加料金で利用

△1:ワンタイムプランを追加料金で契約。通期契約無し
△2:一部のエリアで利用可能。「新型成田エクスプレスエリア」「スーパーひたち」「フレッシュひたち」のみ利用可(根拠)
△3:一部のエリアで利用可能。新幹線車内と待合室では利用不可(根拠)


おまけ

Wi2 300 マイページ」で「MACアドレス登録」を行うと、登録したMACアドレスの機械はWi2エリアでのログイン作業が不要になります。
5台まで登録できますので有効活用しましょう。
といっても、同時利用は1台ですけどね。

RoundCubeは次の1.1でIE8とFirefox 3.6のサポートを切る

Webmailソフトの「RoundCube」に、version 1.0.1が出ていたのに気がついて、アップデート。

ついでに、「System Requirements」を確認・・・

Internet Explorer 6 (Windows 2000/XP) – not supported since Roundcube 1.1
Internet Explorer 7 (Windows XP) – requires legacy_browser plugin since Roundcube 1.1
Internet Explorer 8 (Windows XP/7) – requires legacy_browser plugin since Roundcube 1.1
Firefox 3.6 (Windows XP, Linux) – requires legacy_browser plugin since Roundcube 1.1

おや?
次のバージョン 1.1から、古いブラウザのサポートをやめるようです。

RoundCube 1.1から、内部で使用しているjQueryのバージョンを2.xに変更するようで、そのjQuery 2.xがこれらのブラウザをサポートしていない(jQuery 2.0 Releasedより)ということに起因する変更点である模様です。

とりあえずは、legacy_browser pluginを使うという、救済処置がIE6以外にはあるようです。

携帯電話700MHz/900MHz帯の現状について(メモ

携帯電話の700MHz/900MHzを使うために、同じ周波数を使っているユーザを追い出すための支援策が、どこまで進んでいるのか、現状がないかなーと総務省のページを見に行ったら、2014年3月末の状況が発表されていた。

700MHz帯における終了促進措置に関する実施状況の概要と確認の結果(平成25年度第4四半期)(平成26年6月17日)
900MHz帯における終了促進措置に関する実施状況の概要と確認の結果(平成25年度第4四半期)(平成26年6月17日)

まぁ、どこも遅延中、といったところ。
果たしてサービス開始はどうなることやら・・・

<700MHz>
どうやら3社(イーアクセス/ドコモ/au)で、費用を共同負担して実施しているようで、各社資料を比較しても、実施状況の現状が全く一緒だった。

・番組素材中継用無線局
平成26年度末(2015/03)の移行完了を予定していたが。
一部で機器開発が必要になるため、全ての移行完了には1年程度の遅延が見込まれる。

・ラジオマイク
平成26年度末(2015/03)の移行完了を計画しているが、
合意が取れたところが全体の1/4程度(7406/27905)しかないし、
実際に移行完了したところは10しかない。

<900MHz>
ソフトバンクの単独使用なので、報告書はソフトバンクのみ。

認定時の「平成25年度末(2014/03)までに移行完了する」は達成できませんでした。

・免許が必要なRFIDについて
免許が必要なRFIDの以降が完了しなかった理由は以下のものだそうです。

終了促進措置の実施(廃局を含む)については、全体の99%に合意していた
だきましたが、 例えば、(1)後継機種の開発・製造の遅延、(2)業務停止不可等
によるスケジュール調整の難航、(3)免許人都合による協議中断(組織体制変更、
人的リソース等の理由)、(4)後継機種がないことによる他後継機種選定の難航、
(5)免許人による継続利用希望、(6)RFIDに関連する他システム改修の遅延
等の事情により、本四半期までに終了促進措置の実施が完了しなかった無線局
があります。

・免許が不要なRFIDなどについて
免許不要だから、いまも使われてるかどうかわかんない機器多すぎ。
メーカ出荷台数を元に数をカウントしてたんだけど、いままで、使用者や使用場所が不明なやつを「協議中」に含めてたんだけど、注意されたので今回の集計からは「協議開始前」に分類します。
(なので、協議開始前の台数が平成25年12月末「2058台」から平成26年3月末「89559台」と大幅増)
rfid免許不要

・MCA無線(タクシー無線など)
端末(各タクシーなどに置く方)についてはだいたい終わった(98%)。
残り2%は、顧客都合とか、納入機器都合(バグや納期)などで遅延している。

基地局側は、上記の2%が終了次第停止できる予定。

V-Lowの現状がよくわからない(メモ

アナログTVがあった周波数は、以下の用途に使われることになっている。

・「UHF」(13ch~62ch)
13ch~52ch: 地デジ
53,54ch: ITS(自動車のコントロールシステム等)
55ch~62ch(730MHz~770MHz): 移動通信=携帯

・「VHF」(1ch~12ch)
1ch~3ch(V-Low): テレビ以外の放送
4ch~12ch(V-High): 移動通信またはテレビ以外の放送

で・・・V-Highについては、「移動体向けのマルチメディア放送」ということになり、「モバキャス/NOTTV」が始まった。

ただ、「V-Highのマルチメディア放送」=「モバキャス」=「NOTTV」というわけではない。

「V-Highのマルチメディア放送」=「V-Highの周波数を使用したISDB-Tmmを採用した放送」であり、この周波数帯を使用することができる業者枠は複数用意されている。
具体的には、大規模枠:1枠、中規模枠:1枠,小規模枠:複数枠、ワンセグのみ:7枠、がある。

ただ、現段階で参入し、放送を開始しているのは「株式会社mmbi」だけである。
mmbiが運営する送信所を含むインフラサービスと言えるものが「モバキャス」で、このインフラを使って番組を放送しているのが「NOTTV」となっている。

V-Highの方は、サービスがとりあえずは、立ち上がっている。

それに対して、V-Lowの方が不透明すぎる。

FM放送局とかがマルチメディアサービスを行う、というのがありましたが、先日解散。

じゃぁ、今後、どうするのかなぁ?と総務省のページを確認しにいくも、総務省のやる気がよく分からない・・・
放送政策の推進」のページからリンクされている「V-Lowマルチメディア放送実証実験の進捗状況」での最新情報は、2011/12/27付けの「V-Lowマルチメディア放送の実証実験計画の取りまとめ結果」。

しかし検索すると、2013/10/29付けの「V-Lowマルチメディア放送の放送設備に係る 安全・信頼性に関する技術的条件」とかも出てくるので、更新がないわけでもないようだ。

ちなみに、上記で公開されている「別紙2 情報通信審議会 情報通信技術分科会 放送システム委員会報告 概要」が、V-Lowマルチメディア放送が何を目指しているのか解説されていてわかりやすい。

ただ・・・ですね。その別紙2には
「平成26年2月3月頃 ハード事業者募集・審査」
「平成26年4月5月頃 ソフト事業者募集・審査」
とか書かれているんですが、どうなってるんですかね・・・

V-Low,V-Highを含めた資料としては「携帯端末向けマルチメディア放送に関する調査検討 報告書」というものを発見

いままでFM放送とVHFテレビで使用されていた周波数帯V-Lowの利用方針は以下。

76~90MHz
 FM放送(コミュニティ放送を含む)
 中波放送の難聴(地理的・地形的難聴、海外波混信)対策にかかるFM方式の中継局
90~95MHz
 民間放送事業者の中波放送の難聴(地理的・地形的難聴、海外波混信)対策、津波などの災害への対策にかかるFM方式の中継局
 コミュニティ放送局
95~99MHz
 ガードバンド
99~108MHz
 地方ブロック向けマルチメディア放送(ISDB-TSB方式)
 デジタルコミュニティ放送

先日、話題になったFM局のマルチメディア放送は、「地方ブロック向けマルチメディア放送(ISDB-TSB方式)」のことであろうと想定されるんだけど、「地方ブロック」という謎の単語が・・・

地方ブロック向けマルチメディア放送では、チェンネルを2つ用意し、全国を7ブロックに分割し、各隣接ブロックが同じチャンネルを使わないようにする、という方針であるとのこと。

つまりは、現状の放送範囲より広いけど、ある程度の地域放送をおこなうための枠、という感じのようだ。

ただ、全国でチャンネルが2つしか用意していないようなので、他の地域の放送を見る、というのは、難しそうな仕組みです。

が・・・そもそも参入してくれそうなところがないので、結局どうするんでしょうかねぇ・・・

技適はいくらかかるのか?

<警告>

下記に記述している内容は、「総務省電波利用ホームページ」「TELEC」「(株)日本電波法認証ラボラトリー」(2023/06/29に確認したらリンク先が詐欺サイトになっていた… http://www.jrlc-lab.com/)の記述を元に書きましたが誤っている可能性があります。

記載した内容は、あくまで、気になったから調べてみた、というものです。
きちんとしたことを確認したい場合は、総務省やTELECなどの問い合わせてください。


日本国内において、日本の携帯電話会社のSIMを使って、携帯電話を利用する場合、その携帯電話に「技術基準適合証明」もしくは「工事設計認証」を取得されている必要があります。

ちなみに、よく「技適」とか言っていますが、総務省では「技術基準適合証明等」や「技術基準適合証明又は工事設計認証」と言っており、「技適マーク」も「特定無線設備の技術基準適合証明等のマーク」というのが正式な表記となります。

アマチュア無線をやってる人にとっては、「技適」とか各種免許の存在は、ごくふつーのことなので、スルーしてしまいがちなのですが説明したいと思います。

まず、そもそもなのですが、携帯電話とは個人用の携帯型「無線局」です。

この無線局を取り扱うには、「無線局を使う人の免許(従事者免許)」、「無線局の免許(局免)」「使用する無線機が基準を満たしていることの証明検査(落成検査)」の3つが必要です。

機器の検査は「落成検査」というもので、無線機器の回路図等を提出し、それが適切に動作しているのかを、検査官が実際に来てチェックを行います。(車検みたいなものです)
そして、その無線局に対して、電波を出す許可として「無線局免許(局免)」が交付されます。

初期は、同じ設計の無線機を使っていたとしても、この「落成検査」を無線機毎にやっていました。
が、設計が同じものを使ってるなら簡略化できないか、ということで考え出された制度が「工事設計認証」と「技術基準適合証明」です。

この2つは、無線機のメーカもしくは販売店側で申請しておき、ユーザ側では無線機に関する申請を行う必要がない、というものになります。

携帯電話の場合、従事者免許は免除されています。

無線局免許は、基地局側で一括申請、みたいな扱いになります。

使用する無線機自体の検査は、「工事設計認証」か「技術適合証明」で行うことになっています。


さて、工事設計認証および技術適合証明にかかる費用について調べていきます。

TELEC「【技術基準適合証明・工事設計認証とは】」の説明を一部引用します。

「工事設計認証」は、同じ設計でつくられた無線機であれば、動作状況は同じ、という観点での許可です。
それに対して「技術基準適合証明」は、メーカ出荷前に各無線機をまとめて検査しておく、というものです。

費用の違いですが、「技術基準適合証明」では1台あたりにかかります。
それに対して「工事設計認証」の方は1機種、という単位での費用となります。

それではTELEC掲示の手数料(2014年時点)を元に妄想してみましょう。(2023/06/29時点での資料はこちら)

無線機は、使用する無線周波数帯域毎に認証が必要です。(アメリカを含め、世界的にそういう制度です。技適だからどうの、という話はありません)

このため、Androidスマートフォン、という観点で考えますと「WiFi」「Bluetooth」「WCDMA」とかサポートしている周波数帯域が増えるごとに検査項目が増え、費用が増すことになります。

— 2014/06/18追記 —
上記では「WCDMA」は1つ、という書き方をしていますが、「2100MHz(Band1)」「800MHz(Band9)」という風に各バンド毎に費用がかかる可能性もあります。
また、上記では省略しましたが「WCDMA」と「LTE」では区分が違うため、おそらく別費用です。
(WCDMA=「DS-CDMA携帯無線通信陸上移動局」,LTE=「SC-FDMA携帯無線通信陸上移動局」)
— 追記終了 —

「工事設計認証」 の場合

・WiFi 手数料:15万+試験手数料:9万
・Bluetooth 手数料:15万+試験手数料:9万
・WCDMA 手数料:25万+試験手数料:12万

総計すると 手数料55万+試験手数料30万 = 85万
複数項目ある場合は割引処置があるようです。
また、製造工場がISO9000s認定を受けていない場合は、手数料が6万円加算とのこと。

「技術基準適合証明」 の場合

特定無線設備の特性試験および試験項目によれば、実際には全数チェックではなく、サンプリング抽出を行い、その台数全てが試験に合格する必要があります。(【技術基準適合証明及び認証に関するQ&A】より)
100台申請の場合、実際に検査するのは8台です。

手数料は、基本料+抜き取り検査を行った台数分の手数料(2台目以降割引)、となります。

100台の場合は8台検査なので、以下の様になるようです。
・基本料 20000
・WiFi 24000+16000*7 = 136000
・Bluetooth 24000+1600*7 = 136000
・WCDMA 42000+32000*7 = 266000

総計558,000円…1台あたり5580円。
で、こちらも複数項目ある場合は割引処置があるようです。
(ちなみに、1台だけで申請したとすると、20000+24000+24000+42000=11万)

で・・・ここで出た費用は、あくまで、取得するのに必要な最低費用です。

実際には、技術基準満たしており、試験項目を通過できるように、製品の品質を揃えておく必要があります。
申請したけど、これらの基準を満たせなかった場合は「再申請」となります。

海外から端末を持ってくる場合は、その端末が日本の基準を満たしているのか、といったことをあらかじめ確認し、足りていなければ設計を変更する、などを行う必要があります。

ここのプロセスにどれくらい手間と費用がかかるか、という点が、無視できない要素だと思われます。
で・・・ここらへんのコストをどれくらい見込むか、というところが、端末価格に響いてきます。

技適を100台分申請して、サンプル検査で引っかかり1回落ちた、2回目の申請で通過した、なんてことになったら、56万*2回な上に、サンプル検査で引っかかったところを改修するのにいくらかかることやら・・・とかね。


2014/06/19追記

電気安全環境研究所(JET)にて「法律に基づく検査 電波法:技術基準適合証明・認証」というページを発見。

取得の際に必要な手続きの流れが解説されていました。


2015/02/20追記

Cerevo TechBlogで「自前で技適を取得し、中華の安価なBLEモジュールを使って製品を作る方法」という記事が公開されました。

業務として製品を出したい場合に、どのような感じで手続きを行っているのかが書かれているので、参考になるかと思います。