DECTの違いに注意のこと(DECTは国によって周波数が違うよ


イギリスのパナソニックからKX-PRX120というAndroidスマートフォンと同等形状をしたDECT対応の電話が出るようで話題になっています。

プレスリリース「New Touch Panel Cordless Phones – Exclusive in Design, Smart in Function

親機込みで169ユーロということなので、そこまで出す価値があるのかなぁ?と悩ましいところです。

で・・・こういう海外でDECT対応機器の新製品があると、アクセス頻度が上がるのが2年前に書いた「DECT仕様のコードレス電話」という記事。

2011年ぐらいから日本でもDECT対応製品は発売されはじめ、2012年後半ぐらいからは「2.4GHz帯は電子レンジや各種WiFiで混雑してる。1.9GHz帯を使うDECTなら混雑無し」的な感じで、日本で発売新製品はみんなDECT対応機器という状態になっています。

そうすると、まぁ、海外のDECT機器は日本で使えるのか?と期待をするわけですよね。

そういうときに良く勘違いされるのが「日本には技適の問題があるから使えない」という話です。
これ、ハズレでもないんですが、正解でもないです。

DECTというコードレス電話の規格は、地域によって使用できる周波数帯が違います。
具体的には以下の通り。
・ヨーロッパ 1880 MHz–1900 MHz
・アメリカ/カナダ 1920 MHz–1930 MHz
・南アメリカ 1910 MHz-1930 MHz
・中国 1900 MHz-1920 MHz
・日本 1893 MHz–1906 MHz

海外のDECT機器が使っている周波数帯は、日本においては別の用途で使われています。
別の用途で使われている帯域を無許可/無免許で使っていると、妨害および無免許ということで取り締まられる対象となります。

スマートフォンとかでよく言われている技適問題より、事態が大きいのです。
また、日本の親機に海外の子機がつながるか、というのも、周波数帯域の問題があるので、非常に怪しいところです。


DECT仕様はヨーロッパの規格ETSI「Digital Enhanced Cordless Telecommunications(DECT)」が元となります。

使用する周波数帯に関することは、「EN 300 175-2:Digital Enhanced Cordless Telecommunications (DECT); Common Interface (CI); Part 2: Physical Layer (PHL)
EN300 175-2の最新はV2.4.1 (2012-04)のようです。
ただ、規格上は「1880MHz to 1980 MHz」「2010 MHz to 2025 MHz」の範囲内で使用可能なチャンネルの定義をしているだけで、実際にどこを使っていいのか、という点に関しては、各国の事情による、としている。

だれとでも定額パスのアプリを調べてみた


だれとでも定額パス WX01TJ」を買おうと思っているのだが、現状手元にあるAndroid 4.0以上の端末は、covia FleaPhoneとCM10を載せたXperia X10 mini proのみ。
そう、メーカの公式動作一覧にある機種なんて持ってないのだ。

このリストにある機種以外にはインストールできない作りになってたら、WX01TJを買っても使えない、と予約もできなかったのですが、今日、発売に先駆けてアプリが公開されていました。
だれとでも定額パス アプリ

とりあえず機種制限は行われていないようで、手元の端末は2台ともインストールは可能でした。
アプリ内には、WX01TJのfirmware更新に関するメニューもありました。

で・・・
まぁ、インストールできた、ということはapkファイルがあるわけで・・・
アレすると「com.axstone.btrouter」なんてディレクトリがあったりするわけですよ

おそらく韓国のAXSTONEなんでしょうね。


以下、参考資料

だれとでも定額パス アプリ オンラインマニュアル

裏番号
・「*#*#<ひみつ>#*#*」test_menu_number
・「*#*#070*<ひみつ>#*#*」air_reg_number
・「*#*#070*<ひみつ>#*#*」rom_conf_number
(さすがに公開したらまずそうな気がするので・・・)

スマホ毎のカスタマイズ内容
・オーディオゲインで、マイクの集音補正
・近接センサーでの顔の接近具合検出
・対象機種:F-02E,201HW,HTL21,HTL22,201K,201M
  SC-06D,SC-03E,SC-04E
  SH-06E,SBM200SH,SBM205SH,SBM206SH
  SO-02E,SO-04E,SOL22

わざわざモトヤLマルベリ3等幅フォント(MTLmr3m.ttf)をapkに含めている

単3電池駆動のシンプルフォンSpare Oneに新モデルSpare One plus登場


先週台湾で開催されていたCOMPUTEX TAIPEI 2013にて、「Spare One Plus」という単3電池1本で動くGSM携帯が展示されていたようです。

ネタ元: 台湾ePrice「【Computex 2013】Spare One Plus 二代緊急手機 功能再升級

「Spare One」は、緊急時に使用する用の携帯で、長期保存可能な電池( Energizer Ultimate Lithium)を同梱して販売されている、という、どっかで聞いたことあるようなフレーズで販売されている商品です。
→ ウィルコム:防災だフォン(TWX01NX-DE)

Spare Oneは、極限まで割り切っていて、液晶画面っぽい黒い部分は、デザインです。
どのボタンを押したのか、というのは、キーを押した時になる音で判別するという作りです。

新機種のSpare One plusの外形は、旧モデルの「Spare One」と全く同じ
というか、たぶんハードウェアすら同じで、firmwareだけがアップデートされてるんじゃないかという感じ。

新機種 Spare One plus
tunacat_3_102_143dafbc92ea5892902ba73368b99fd5

旧機種 Spare One
usage

firmwareのアップデート内容としては、以下のような機能がある模様
・キー入力した際になる音が、トーン音から、英語に変えることができる機能
・GPSを使った現在位置送信
・非常警報音を鳴らす機能

まぁ、Spare OneもSpare One plusも、GSM専用携帯なので、日本では使えませんけどね。
map
メーカページにも、きちんと明記されてます。

ちなみに、Spare Oneが初登場したのは2012年1月で、そのときは$49.99を予定、とか言ってましたが、2013年6月現在の価格は$99.99だったりします。
Spare One plusも、同価格で販売、とのことなので、完全に置き換えですね。

あと、3G対応(WCDMA対応)モデルも出る、とか言われてましたけど、全然そんな気配はないようです。

中国版みまもりケータイ(GSMのみ


MTK関連の情報を探していると、サイトに表示される広告に中国版みまもりケータイのようなものを発見しました。

ボタンを押すと、あらかじめ登録されている4カ所の電話がかけられる。

SOSボタンを押すと、GPS(もしくは基地局ベース LBS)で現在位置を取得し、SMS(メッセージ)で親の携帯に通知する、というもの。

上の写真は「SSX100」という機種で、3千円程度で売っているようです。
ちなみに、日本では使用できないGSMのみの携帯です。


液晶パネルがついている「SSX108」というものもあるようです。

さて・・・子ども受けをするようには、どうすればいいのか、考えたんでしょうね。
SSX100には、いろんなバージョンがあるようです。

たとえば、こんなのとか!!!

・・・なんとなく、日本で似たようなキャラクターを見たことがあるような、と悩む感じの絵が・・・

というか、「Pika!」とかしゃべりそうな生き物とかw

ちなみに、今回みつけた販売店は、tmall.comというところに出店している「ここ」です。
いろんな写真とかを出しつつ売り込んでいるのが興味深い感じだと思います。

まぁ・・・ちょっとアレな感じのはおいておいて、他にもいろいろあります。

Dowee(大为)というメーカからは贝贝熊 D302 というのが出ています。

こっちのはある意味穏当なキャラ展開です。
機能は、SSX100とほぼ同じです。

ここら辺のキッズケータイは、GSMのみの製品しか見ないですね。
日本みたいに3Gのみしか存在しない国は別として、消費電力やコストの面を考えるとあえて3Gでこういった商品を作るメリットがないですからねぇ・・・

WCDMA CDMA2000 LTEの周波数帯 2013/10/24版


Band 29,30,31が追加されていたので、2013/10/24に記事更新。

具体的には、2013/09/11に3GPPから「Release 12 Prioritization」という形で、新しい3G/LTEに関する規格書が発行され、そこにBand 30,31が追加されています。(Band 29はその前に追加されていたようです)

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iPhone5が発表され、LTEの周波数という認知度があがってきたようなので、再度記事更新。
旧版その1:WCDMAとCDMA2000の周波数帯 メモ書き
旧版その2:WCDMA CDMA2000 LTEの周波数帯

とりあえず、先に日本の携帯電話会社での周波数利用を書いておきます。

・NTTドコモ
 WCDMA:
  「Band I(2100MHz)」
  「Band IX(1700MHz)」
  「Band VI/Band XIX(800MHz) FOMAプラスエリア」
  「Band XXI(1500MHz) 旧シティフォン帯域」
  「Band XXVIII(700MHz)」(今後利用予定)
 LTE:
  「Band I(2100MHz)」
  「Band IX(1700MHz)」(今後利用予定)
  「Band VI/Band XIX(800MHz) FOMAプラスエリア」
  「Band XXI(1500MHz) 旧シティフォン帯域」
  「Band XXVIII(700MHz)」(今後利用予定)
・KDDI(au)
 CDMA
  「Band Class 0 Band Sub Class 2とBand Sub Class 3(800MHz)」
  「Band Class 6(2100MHz)」
 LTE:
  「Band I(2100MHz)」
  「Band XI(1500MHz)」
  「Band XVIII(800MHz)」
  「Band XXVIII(700MHz)」(今後利用予定)
・ソフトバンクモバイル
 WCDMA:
  「Band I(2100MHz)」
  「Band XI(1500MHz) ULTRA SPEED」
  「Band VIII(900MHz) プラチナバンド」
 LTE:
  「Band XLI(2500MHz)」(TD-LTEでWCPのものを利用)
  「Band I(2100MHz)」
  「Band VIII(900MHz) プラチナバンド」(今後利用予定)
・イーモバイル
 WCDMA:
  「Band IX(1700MHz)」
 LTE:
  「Band III(1800MHz)」(実際に使用できる帯域としてはWCDMA Band IXと同一だがBand III扱い)
  「Band XXVIII(700MHz)」(今後利用予定)

WCDMA / LTE に関する周波数リスト

参考サイト

WCDMAに関して
 ・UMTS frequncy bands(英語記事)
 ・W-CDMA(日本語記事)
LTEに関して
 ・E-UTRA(英語記事)
 ・Long Term Evolution(日本語記事)
規格書関連
 ・3GPP Specification detailの「3GPP TS 36.101」の「E-UTRA channel numbers」
 ・3GPP LTE / LTE-A Standardization: Status and Overview of Technologies」というプレゼン資料の12ページ,13ページ
携帯電話会社と各バンド名の対応
 ・List of UMTS networks(英語記事)
 ・List of LTE networks(英語記事)

WCDMAおよびLTE FDDタイプ

バンド名はWCDMA/LTE FDDともに共通の名称となっている。

バンド名 周波数名称 略称 周波数
Band I(1) 2100 IMT 1920-1980 / 2110-2170 日本含めいろいろ
Band II(2) 1900 PCS 1850-1910 / 1930-1990 北米
Band III(3) 1800 DCS 1710-1785 / 1805-1880 ヨーロッパ,アジア,オセアニア
Band IV(4) 1700 AWS 1710-1755 / 2110-2155 北米
Band V(5) 850 CLR 824-849 / 869-894 北米,ブラジル
Band VI(6) 800 830-840 / 875-885 日本(FOMAプラスエリア)
Band VII(7) 2600 IMT-E 2500-2570 / 2620-2690 ヨーロッパで今後利用予定
Band VIII(8) 900 GSM 880-915 / 925-960 ヨーロッパ,アジアなどGSM利用地域
ソフトバンク(プラチナバンド)
Band IX(9) 1700 1749.9-1784.9 / 1844.9-1879.9 日本(イーモバイル,FOMA)
Band X(10) 1700 1710-1770 / 2110-2170 南米
Band XI(11) 1500 1427.9-1447.9 / 1475.9-1495.9 日本(Softbank)
Band XII(12) 700 SMH 699-716 / 729-746 US
Band XIII(13) 700 SMH 777-787 / 746-756 US
Band XIV(14) 700 SMH 788-798 / 758-768 US
Band XV(15) ? 1900-1920 / 2600-2620 EU
Band XVI(16) ? 2010-2025 / 2585-2600 EU
Band XVII(17) ? 704-716 / 734-746 US
Band XVII(18) ? 815-830 / 875-890
Band XIX(19) 800 830-845 / 875-890 日本(新FOMAプラスエリア)
Band XX(20) 800 832-862 / 791-821 EU
Band XXI(21) 1500 1447.9-1462.9 / 1495.9-1510.9
Band XXII(22) ? 3410-3490 / 3510-3590
Band XXIII(23) ? 2000-2020 / 2180-2200
Band XXIV(24) ? 1626.5-1660.5 / 1525-1559
Band XXV(25) 1900 1850-1915 / 1930-1995
Band XXVI(26) 800 814-849 / 859-894
Band XXVII(27) 800 807-824 / 852-869
Band XXVIII(28) 700 703-748 / 758-803 日本(docomo,au,eモバ)
Band 29 717 717 ?
Band 30 2350 2305/2350 ?
Band 31 462.5 452.5/462.5 ?

Band XIII(13), Band XIV(14), Band XX(20), Band XXIV(24)は、他のバンドと異なり、下り(Down)の周波数帯域が下にあり、上り(Up)の周波数帯が上にある。
Band XV(15), Band XVI(16)は、3GPPによる定義ではなく、ヨーロッパのETSIによる定義である。これらはTDD用に割り当てられているBand XXXIII(33), Band XXXIV(34)と Band XXXVIII(38)をFDD用に流用するために定義されている。
Band 29は、下り(Down)しか定義されておらず、おそらく他の周波数帯とセットで使う前提。

LTE TDDタイプ

LTEのTDDタイプはBand XXXIII(33)以降に割り当てられている。
TDDの場合は、上り/下りで周波数を分けずに使っているため、周波数帯域に表示は1つとなっている。
2014/08/05追記: 日本における4G用周波数帯としてBand42(3400MHz~3600MHz)を使用されることになり、競合利用者の兼ね合いで平成35年ぐらいまでは3480MHz~3600MHzを利用することとなった。(第4世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設指針の制定について)

バンド名 周波数名称 略称 周波数
Band XXXIII(33) ? 1900-1920
Band XXXIV(34) ? 2010-2025 中国TD-SCDMA
Band XXXV(35) ? 1850-1910
Band XXXVI(36) ? 1930-1990
Band XXXVII(37) ? 1910-1930
Band XXXVIII(38) ? 2570-2620 EU
Band XXXIX(39) ? 1880-1920 中国TD-SCDMA
Band XL(40) IMT-2000 2300-2400 中国,インド,オーストラリア
Band XLI(41) BRS/EBS 2496-2690 US,日本(WCP/AXGP)
Band XLII(42) ? 3400-3600 日本(次世代4G用)
Band XLIII(43) ? 3600-3800
Band XLIV(44) ? 703-803

公式な情報が発見できていないが、Wireless City Planning(WCP)が開始したAXGP(Advanced eXtended Global Platform、高度化XGP)は、2545.0MHz~2575.0MHzを利用しているらしい。(測定器メーカ アンリツのエリアテスタ ML8780Aのカタログ内にあるAXGPの記述より)

CDMA2000に関する周波数リスト

TSG-C C.S0057-E v1.0 Band Class Specification for cdma2000 Spread Spectrum Systems Revision E

名称 周波数 具体値
BC0 800MHz Band 824.70-848.31 / 869.70-893.31 いろいろ,日本(au 新800MHz)
BC1 1900MHz Band 1851.25-1908.75 / 1931.25-1988.75
BC2 TACS Band 872.0-915.0 / 917.0-960.0
BC3 JTACS Band 887.0-925.0 / 832.0-870.0 日本(au 旧800MHz)
BC4 Korean PCS Band 1750.0-1780.0 / 1840.0-1870.0
BC5 450MHz Band 411.0-483.0 / 421.0-494.0
BC6 2GHz Band 1920.0-1980.0 / 2110.0-2170.0 IMT-2000として各国共通
BC7 Upper 700MHz Band
BC8 1800MHz Band
BC9 900MHz Band
BC10 Secondary 800MHz Band
BC11 400MHz European PAMR Band
BC12 800MHz PAMR Band
BC13 2.5GHz IMT-2000 Extension Band
BC14 US PCS 1.9GHz Band
BC15 AWS Band
BC16 US 2.5GHz Band
BC17 US 2.5GHz Forward Link Only Band
BC18 700MHz Public Safety Band
BC19 Lower 700MHz Band
BC20 L-Band
BC21 S-Band
BC31 Wildcard Band Class リアルではなく論理的なもの

BC=Band Class

BCの下にはBand Sub Classというくくりもあったりする。
Band Class 0 Band Sub Class 0: 北米とか(824-849/869-894MHz)
Band Class 0 Band Sub Class 2: 日本 新800MHz(824-830/869-875MHz)
Band Class 0 Band Sub Class 3: 日本 新800MHz 2012年以降の拡張領域(815-830/860-875MHz)

なので、北米機種でBC0対応であっても、日本で使えるかどうかは、Band Sub Class2と3に対応しているかどうかにかかっているということになる。