MTK MT6588/MT6583が2013年初頭に登場予定!?

— 2012/09/27 追記 —
結局、MTK MT8588/MT6583は10月ぐらいから実際の製品が登場しそうな情勢です。(MTK MT6588は2012年10月に試験的な生産と出荷を実施)
それどころか、2013年初頭には8コアでLTE対応のMTK MT6599が出てくる、という話まで登場してきました。(8コア搭載のLTE対応 MTK MT6599が2013年初頭に登場?)

MT6588からの機能的な差分は少ないのかなぁ、と予想していますが、果たしてどうなりますことやら・・・・

— ここまで追記 —


MT6577チップ搭載の製品が出てきたところではありますが、中国のMTKチップ専門ニュースサイトMTK手机网でMT6588なるチップのニュースがありました。
第1報:传联发科四核MTK6585样片已送至大客户
第2報:联发科产品线路图泄密 四核代号MT6588

「MT6588」と廉価版の「MT6583」なるチップが登場するらしい。

・Cortex-A7 1.xGHz
・MT6588は4コア、MT6583は2コア
・28nmプロセスで製造
・GPUは引き続きPowerVR SGXシリーズのSGX544
・WCDMA HSPA+ Rel.8 42Mbps/11Mbps対応(MT6583は21Mbps/5.76Mbps)
・WCDMAだけでなく中華版TDSCDMAにも対応
・1300万画素カメラ対応(MT6588のみ)


さすがにLTE対応までは盛り込んでこなかったようですが、「バッテリ駆動時間を延ばすと評判」のCoretex-A7を採用することもありますし、半年後の端末世界はdual coreじゃなければ死ね、ぐらいのことを言われそうな感じですね・・・

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MediaTekのMT6620という無線関連チップの機能

7月にリリースされたMediaTekの「Wi-Fi CERTIFIED Passpoint」対応のチップMT6620について、どんな機能を持っているのかを書いた製品ページが出来ていた。

リリース内容:MediaTek Provides First and Only Smartphone Platform in the Wi-Fi CERTIFIED PasspointTM Program Test Bed

製品ページ1:Featured Products→MT6620
製品ページ2:Wireless&Broadband Connectivity→MT6620

このチップ自体は無線部分を司るものであり、メインのプロセッサはMTK MT6575もしくはMT6577と組み合わせて使うことが想定されている。
このため、秋以降に出てくる新製品では、以下の機能がついてくる可能性があるのではないかと思われる。

・無線LANは802.11 a/b/g/n対応
・Wi-Fi CERTIFIED Passpoint、Wi-Fi Direct対応
・Bluetooth 3.0+HS、および、Bluetooth 4.0 Low Energy対応
・GPS(アメリカ)/Galileo(EU)/QZSS(日本 準天頂衛星システム)/SBAS(各国で運用している静止衛星型衛星航法補強システム)対応
・FMラジオとFMデータ放送(EUのRDSとアメリカのRBDS)対応
・「FM over Bluetooth」と呼ばれるFMラジオの音声をBluetoothで飛ばせる機能対応
・音声パケットに関するパケットロス隠蔽システムがある?「PLC (Packet Loss Concealment) technology for superior audio quality」
・MediaTekの「AlwaysLocate」という仕組みにより低消費電力で位置情報確保ができるらしい

GPS関連がフルで有効にされたら結構強力そうなんですが、はたして、そういうAndroid製品は出てくるのかどうか・・・


あ、「Wi-Fi CERTIFIED Passpoint」というのはWi-Fiスポットにおけるユーザ認証のための仕組みです。
一度設定すれば、あとは、Wi-Fiスポットの範囲に入れば勝手にユーザ認証して、使える様にしてくれる、というものです。

MTK MT6577搭載Android機種一覧 2012/07/18版

MTK MT6577チップ搭載機種の発売がだんだんと近づいてきているようで、機種が増えてきました。
個人的にはメモリ1GBモデルじゃないと、この先はきついのではないかと思っているので、Jiayu G3あたりが気になるところ。
4.7インチで1280×720というのはなかなかだと思うので、発売が楽しみです。

オリジナル系
・Huawei U8832D
 HuaWei U8832D Shine Dual Sim 4.3″QHD 3G WCDMA Android CPU MT6577 Dual-core 1.0GHz
・Lenovo A789
 Lenovo A789 3G WCDMA Dual Sim Android V4.0 ICS CPU MT6577 Dual-Core 1.0GHz WVGA
・Jiayu G3
 Jiayu G3 MTK 6577 Dual Dore Dual Simcard Dual Standby 1G RAM 4.5″ IPS Screen 8MP Camera

もどき系4.xインチ
・HDC Galaxy i9300 S3+
 HDC Galaxy i9300+ S3+ Andorid 4.0 MTK6577 Dual Core 1.2GHz 3G Dual Sim Standby 8MP Camera

もどき系5.xインチ
・Ulefone N9770
 Ulefone N9770 3G WCDMA Android4.0 CPU MT6577 Dual Core Dual Sim 5.0″

・Haipai X710D(HDC Galaxy Note i9220のガワ違いモデル?)
 HaiPai X710d 3G WCDMA Android4.0 CPU MT6577 Dual Core Dual Sim 5.1″
 Haipai X710D Evo 4G LTE MTK6577 1.2Ghz Dual core Android 4.0.9 3G Dual sim standby 5.3 inch 8MP Camera

・Start GT-i9220
 Star GT-i9220 Note 5 Inch MT6577 Dual Core cpu 8MP Camera 3G dual sim standby Android Phone

・HDC Galaxy Note i9220(Haipai X710Dのガワ違いモデル?)
 HDC Galaxy Note i9220 MTK6577 Dual core Android 4.0.9 Dual sim standby 5.3 inch 8.0M camera




注意:以下の情報は、上記にあるリンク先より収集したものです。
私が実際に実機で確認したものではないため、誤っている可能性があります。

メーカ 機種名 CPU OS RAM / ROM サイズ 重さ 液晶サイズ 解像度 カメラ 背面 / 全面 バッテリー
Huawei U8832D MT6577 1.0GHz Android 4.0 1GB / 4GB 不明 不明 4.3インチ QHD 540×960 5.0MP / 0.3MP 1930mAh
Lenovo A789 MT6577 1.0GHz Android 4.0 ?GB / 4GB 不明 不明 ?インチ WVGA 480×800 5.0MP / 0.3MP ?mAh
Ulefone N9770 MT6577 1.0GHz Android 4.0 1GB / 4GB 133 x 68.2 x 9.7 mm 123g 5.0インチ ? LG AH-IPS液晶? 5.0MP / 0.3MP 3200mAh
Haipai X710D MT6577 1.0GHz Android 4.0 512MB / 4GB 145 x 85 x 12 mm (147.2 x 79.5 x 9.7 mm?) 190g (180g?) 5.3インチ (5.1インチ?) WVGA 480×800 5.0MP / 2.0MP 2800mAh (3200mAh?)
Star GT-i9220 MT6577 1.0GHz Android 4.0 512MB / 4GB 144 x 84 x 13 mm 205g 5.0インチ WVGA 480×800
LG AH-IPS液晶?
8.0MP / 0.3MP ?mAh
HDC Galaxy Note I9220 MT6577 1.2GHz Android 4.0 512MB / 4GB 145 x 85 x 12 mm 190g 5.3インチ WVGA 480×800 8.0MP / 2.0MP 2800mAh
HDC Galaxy I9300 S3+ MT6577 1.2GHz Android 4.0 1GB / 4GB 145 x 67 x 10 mm 125g 4.7インチ WVGA 480×800 8.0MP / 0.3MP 1600mAh
Jiayu G3 MT6577 1.0GHz Android 4.0 1GB / 4GB 135 x 65 x 10.8 mm 121g 4.5インチ 1280×720 8.0MP / 2.0MP 2750mAh

MTK MT6577搭載のAndroidスマートフォンがもうすぐ登場!

MTK MT6577搭載のAndroidスマートフォンがもうすぐ登場するようで、etotalk.comにて、3プロダクトのプレオーダーが開始されています。

HuaWei U8832D Shine Dual Sim 4.3″QHD 3G WCDMA Android CPU MT6577 Dual-core 1.0GHz
Lenovo A789 3G WCDMA Dual Sim Android V4.0 ICS CPU MT6577 Dual-Core 1.0GHz WVGA
Ulefone N9770 3G WCDMA Android4.0 CPU MT6577 Dual Core Dual Sim 5.0″

このうち、Huawei U8832Dについては、すでに「$299」との価格が出ており、1か月以内に発売される、とのコメントもついています。 2012/07/11追記「9月より前に発売」とコメントが後退していました。
Lenovo A789については、だいたい$300ぐらいで、7月か8月に発売予定、とのこと。

スペックを見ると、3機種とも液晶サイズが違い、ジャンルがかぶってない、というのは興味深い状態です。
5インチで大容量バッテリー搭載のUlefone N9770の解像度が高いとおもしろいんだけどなぁ、という感じですね。
iPhone 4Sもどき業界への導入は・・・まだしばらくかかるのかな・・・


メーカ 機種名 CPU OS RAM / ROM サイズ 重さ 液晶サイズ 解像度 カメラ 背面 / 全面 バッテリー
Huawei U8832D MT6577 1.0GHz Android 4.0 1GB / 4GB 不明 不明 4.3インチ QHD 540×960 5.0MP / 0.3MP 1930mAh
Lenovo A789 MT6577 1.0GHz Android 4.0 ?GB / 4GB 不明 不明 ?インチ WVGA 480×800 5.0MP / 0.3MP ?mAh
Ulefone N9770 MT6577 1.0GHz Android 4.0 1GB / 4GB 133 x 68.2 x 9.7 mm 123g 5.0インチ ? LG AH-IPS液晶? 5.0MP / 0.3MP 3200mAh

ちなみに、Huawei U8832Dは、4月に「2000mAhの電池を搭載したHUAWEI U8832Dを中国向けに投入へ」でMTK MT6575搭載、と紹介されたやつですが、おそらく実際には「MT6575T搭載」→改名→「MT6577搭載」という感じになったものではないかと想定しています。
7月に入ってからはWi-Fi認証も通過(「HUAWEI Shine U8832DがWi-Fi認証通過」)しているようですし、本当にもうすぐ発売されそうな感じですね。

Media Tekスマートフォンとのつきあい方

台湾のMediaTek (MTK)(台湾表記:聯發科技/中国表記:联发科技)社製のチップセットを使用した低価格スマートフォンが中国圏を中心に増えています。
しかし、検索での来訪をみると、「MT6575」より「MT6573」の方が多かったりするので、スペックの違いがよく分かっていないのかな?と感じるところがあります。
そこで、MediaTekチップまわりのことを、ざらざらっと書いてみます。


MediaTekチップは、Huawei(華為技術)、Lenovo(联想集团)、Foxconn(富士康)といったあたりの低価格帯、特に、「Dual SIM」と呼ばれる携帯電話の契約を管理するSIMチップを同時に2枚使える機能を持つスマートフォンで使用されています。

また、山寨機と呼ばれる怪しげなメーカが製造しているスマートフォンや携帯電話は、大抵、このMTKチップを使用しています。
MediaTekはスマートフォンや携帯電話を少ない部品数で製造できるようにしている、というのに加えて、実際に動かすのに必要なソフトウェア/OSも併せて提供しているため、怪しげなメーカであっても比較的容易に製造できています。
(参考資料:中華Androidスマートフォンの組み立て風景)


Media Tekチップ搭載のスマートフォンとのつきあい方
製造側としてみると、いいところがあるMedia Tekチップですが、端末を使う側としては、いくつか問題があります。

・製造メーカをどれだけ信用するか?
 MediaTekはサポートしない、製造メーカでの対応となるが
 致命的な不具合がでたとしても、逃げるところもあるので注意

・OSのアップデートは期待できない
 基本的にOSのアップデートは期待しない方が良い。
 Lenovo/Huaweiは、そこそこ提供しているようですが、山寨機モノは特に・・・
 ある程度ユーザ数が多いモノは、どういう経路か分かりませんがアップデートがあることも
 
 
・いろんなメーカから同じモノが出る
 いろんなメーカから同じ外見でも違う名称のモノが出る
 山寨機モノは、どこがオリジナルでどこがぱくりなのかを突き止めるのが困難。
 製造を委託した工場が出荷チェックではねられたものを売る場合もあったりする。

・謳ってるスペックと実際が違う(CPU クロック編)
 CPUクロックが違うことが多い。
 中華系CPUクロック表記では良く、そのチップが内蔵しているGPUのクロック分を
 加算してCPUのクロックだと表記することがある。
 「CPU 1.0GHz+GPU 500MHz」→「CPU 1.5GHz」とか
 「CPU 800MHz coreが2つ」→「CPU 1.6GHz」とか
 これは、そういうものなので要注意。
 実機で測定してみる、とか、CPUメーカのスペックシートを確認する、とかして
 自衛する以外に防ぐ手立てがない。

・謳ってるスペックと実際が違う(中身違い編)
 外見は同じでも、なかで使用している基板が異なる、なんてことがある。
 見分ける方法は正直ない。
 iPhone 4Sもどきは特に油断ができない。

・SIM 2枚差しは日本国内では意味が無い
 スペックで「WCDMA/GSM dual SIM」とあるが、日本では意味が無い。
 「WCDMA 回線+GSM 回線」か「GSM 回線+GSM 回線」の組み合わせで使用できる。
 「WCDMA 回線+WCDMA 回線」という3Gの2回線同時待受ができる機種はMTKチップ系では2012/07現在存在しない。
 (なお、Qualcommチップでなら1例だけCoolpad W770がある。)

・ドコモMNVO系のうちデータ通信のみのSIMでは通信できない場合がほとんど
 MediaTekから提供されるAndroidが、SMS機能が有効になっているSIMでないと、3Gデータ通信が
 行えない、という仕様となっています。
 このため標準状態では、IIJmioなどのデータ通信のみのSIMでは3G通信が行えません。
 Androidのframework.jarを書き換えて誤認させる対策を行うことでなんとかなります。
 ブローヴちゃん「Android + b-mobile データ専用 SIM で電界強度を表示する」の対策のうち、MotorolaとXperiaの対策含めて実施するとなんとかなります。




MediaTekチップの種類
MediaTekは、いろいろなチップを作っています。
ここで紹介するのはCPU/GPUが一体型となっている携帯電話/スマートフォン向けに製造されているチップです。

MT6516
 ARM9 460MHz, GSM, Android 2.2
 2012年7月現在、これを積んで売ってるやつはほとんどないが、
 DVB-Tデコーダを積んでいるのでデジタル放送を受信できる携帯で見ることがある。
 GSMのみ対応のため日本国内では携帯電話としては使えない

・MT6513
 ARMv11 650MHz, GSM, Android 2.2/2.3
 MT6516より上位, これのWCDMA対応版が下のMT6573になる。
 2012年7月現在、これを積んで売ってるやつはほとんどない。
 GSMのみ対応のため日本国内では携帯電話としては使えない

MT6573
 ARM11 650MHz, WCDMA/GSM dual SIM, Android 2.2/2.3
 2012年7月現在、これを使ってる新製品が発売されているので注意が必要。
 また、Android 2.3までの対応、という話だったはずなんだけど、
 Android 4.0/ICSを搭載している、と称する製品が散見される。
 Qualcommチップの600MHzと比べると遅い、と言われる。
 日本語環境で使うには荷が若干重い。

MT6575
 ARM Coretex-A9 1GHz, WCDMA/GSM dual SIM, Android 2.3/4.0
 GPU PowerVR SGX Series 5
 2011年登場で、2012年7月現在の主力チップ。
 これを採用している機種はWVGA以上の画面を持つモノが多い。
 製品紹介→MTK MT6575チップのAndroid携帯のQHD / WVGA機種

MT6577
 ARM Coretex-A9 1GHz dual core, WCDMA/GSM dual SIM, Android 2.3/4.0
 GPU PowerVR SGX Series 5
 元々はMT6575Tという名称だったことから分かるように、基本的にはMT6575のデュアルコアモデル。
 QualcommのSnapdragon S4の廉価モデル S4 Play/MSM8225対抗チップ。
  MSM8225製品の例→Snapdragon S4/MSM8225搭載の中華スマートフォン Chili
 2012年Q3にMT6577チップ搭載の製品が出てくる予定。

ちなみに、MTKの旧来型携帯電話向けチップのMT6236は、GSM専用のみながら、SIM 4枚差し、なんて機能までサポートしていたりします。


この記事は以前作成した「MediaTek チップについてのメモ書き」の更新版みたいなものです。