Tintri VMstore T445


この記事についてのアップデート内容をTintri VMstore T540に記載しています。
下を読んだあとに、上記記事を見てください。
— 2011/11/21 追記分はここまで —
VMware vSphere Blogの「VMworld 2011 – Interesting Storage Stuff.」でいくつかストレージが紹介されている。

その中で、Tintri社のTintri VMstore T445って、なんだろ?と調べてみた。

VM(Virtual Machine)に特化したストレージ、ってことは、どーせまたiSCSIストレージなんでしょ?と見てみたんですが、NFSストレージ、と書いてあってちょっとびっくり。

ハードウェアとしては・・・

4U筐体にヘッド部分とストレージが含まれており、1筐体で8.5TBを提供する、とのこと。
ストレージ自体は、「160GB SSDを9本」+「1TB HDDを15本」で、どちらも3.5インチ形状。

というか、データシートの製品写真を見る限り、3.5インチディスク24本構成で、4Uで、このカラーリングってことは、SUPERMICROの4U SuperChassis 846シリーズってことですよね・・・たぶん。

ソフトウェア的には特に書いていないですが、Linuxベース・・・なんでしょうかねぇ?

おもしろそうな点

・NFSストレージであること

・vSphere Client用のプラグインがある
 各VMごとのストレージパフォーマンス(IOPS/MBps)が見れるようだ
 それも、時系列変位のグラフも提供できるようだ
 (Eliminate VM Performance Bottlenecksより)

マイナス点

・SSD/HDD共にRAID6を組む、という記述。(Redundancy RAID6 + hot spare for all SSDs and HDDs)
 SSDにもRAID6組む、というのはSSDの寿命的にどうなの?
 SSDとHDDの使い分けは?
 SSDにもRAID6組むぐらいだから、キャッシュ扱いではなく、メインで使用?

・標準ではギガイーサ2本しかない
 ただのIntelマザーボードだから増設すればいいんだけど・・・

・アラート機能がメール通知とHTTPS管理画面での通知のみ(Alerts SMTP for email alerts, HTTPS for polling)
 NetApp風のAutosupportをサポートを用意している(Autosupport HTTPS (optionally through proxy))のはいいんだけど・・・

・拡張性が0
 これ系だと良くうたわれている「Scalability」が一切書いてない。
 まぁ、8.5TB割り切り型、と考えればいいのかもしれない。

一番の問題点

・ヘッドが壊れたら全滅っぽい
 筐体の冗長性については、一切触れられていませんでした。
 (Tintri VMstorage Datasheet, Virtualize more with VM-aware storage, Eliminate VM Performance Bottlenecksの確認した結果)

安くて、それなりに早いストレージが欲しい、という要件であればいいのかもしれないです。

つまりは、クラウド系で、一時作成系のVMを置く場所として、という要件ぐらいですかねぇ。

データを保持し続ける用途で使うには、バックアップ機能が無い、とか、ヘッドの冗長性が無い、とかいうことを考えると、かなり難しい気がします。

そうそう、ノックスが取り扱うようで、ascii.jpにノックス、VMware専用NAS「Tintri VMstore T445」を投入という記事が出ています。

最大の特徴は、VMwareとAPI連携するファイルシステムで、LUN(Logical Unit Number)を廃し、1ノード=1データストアという構成で利用する。運用中でもノンストップで拡張できるほか、仮想マシンごとに優先順位を付けたり、パフォーマンスの統計をとることが可能だという。

なんて記述がありますが、ここでいう記述はいろいろ誤解を招きそうな感じで、Tintriの資料を読んだ限りでは、「VMwareとAPI連携するファイルシステムで、LUN(Logical Unit Number)を廃し、1ノード=1データストアという構成で利用する」とは「VMwareとはAPI連携し、VMwareとのアクセスはNFSで行い、1ノード=1データストア=1 NFS共有で利用する」という意味で、
「運用中でもノンストップで拡張できる」というのは、「各VMに割り当てた専用データストアの容量が拡張できる」という意味だと思われます。

後者の「ノンストップ拡張」は、NFSデータストアで一般的な仕様で有り、特に注目するべき点ではないような印象を受ける。

もうちょっと資料が出てきてくれないかなぁ・・・

vSphere5でRealtek NICをサポート


元ネタ: ESX VirtualizationのRealtek onboard NIC support in vSphere 5

vSphere5でついにRealteckのチップを使ったNICをサポートしたらしい。

いまのところ、以下の3種類で使えるらしい

・Realtek 8168 – Asus P6T SE board
・Realtek 8169 – Asus Sabertooth X58 board
・Realtek 8111E – Shuttle SH55

いろんなマザーボードのオンボードNICとして採用されていることが多いので、デスクトップ向けのマザーボードでvSphere5を動かすのも簡単になりそうです。

で、ESXi5.0のダウンロードリンクvCenterServer 5.0のダウンロードリンクが判明したりしてるわけですが、まだダウンロードはできない状態・・・なのかな?
少なくても、私のアカウントではできませんでした。

vSphere Storage Appliance 1.0について調べた


2020/03/18追記

vSphere Storage ApplianceはvSphere 5.5の「vSphere Storage Appliance 5.5.6」が最終バージョンとなりました。

代替はvSANとなります。

vSANへの移行手法について「Migration from vSphere Storage Appliance (VSA) to VMware vSAN (2068923)」にて説明されています。

注意点:VSAは2台構成可能。vSANは最低3台構成からとなるので移行できない場合がある。


vSphere5で登場したストレージアプライアンス vSphere Storage Appliance 1.0について調べた。

・物理的な共有ディスク無しで共有を作るアプライアンス
・各ESXからは、NFS共有として見える
・実体はESXの上で動く仮想マシン(以下, VSA)
・動かすには最低2台のESXで、VSAを動かす必要がある
・VSA3台構成(ESX 3台の上で1つずつ動かす)まで可能
・各VSA間でデータミラーを行う
 (2VSAなら相互ミラー、3VSAはA:B,B:C,C:Aという感じで)
・Datastoreとしては、各VSAが別個のものとして見える
 (2VSAならDatastoreは2つ、3VSAならDatastoreは3つ)
 (3台分の容量を合わせて大きなボリュームは作れない)
・VSAの管理は、vSphere標準画面に統合される
・VSAで作ったDatastoreには、25VM~35VMぐらいを載せられる
・Storage vMotionやDRSと一緒に使うこともできる

各VSA間でRAIDが組める、的な記述を見かけたので、RAID5みたいなこともできるのか?と感じたのですが、そのようなことはできずに、単純なミラーの実現だけのようです。
特に各VSAの領域をまとめて1つとすることができない、というのが、ちょっと残念です。

ESX上にたてる仮想マシンのディスクインタフェースを何とするべきか?



VMware vSphere , ESX/ESXi 4.0から、仮想マシンのディスクインタフェースタイプとして「BusLogic」「LSI Logic」「PVSCSI」の3種類から選ぶ感じになっている。

BusLogicは、Windows NTやらWindows2000などの古いOSの場合に選択するような感じ。
最近のOSで「LSI Logic」か「PVSCSI」か、どちらがいいのかを調べてみた。

その結果、出てきた文献は、以下の3つ
Performance Study: PVSCSI Storage Performance(pdf)
・VMware KB 1010398:Configuring disks to use VMware Paravirtual SCSI (PVSCSI) adapters
・VMware KB 1017652:Do I choose the PVSCSI or LSI Logic virtual adapter on ESX 4.0 for non-IO intensive workloads?

ESX/ESXi 4.1環境であれば、基本的には「PVSCSI」を選択することが推奨の模様。
ESX/ESXi 4.0環境の場合は、I/Oアクセス頻度が低い(2000IOPS以下)環境では「PVSCSI」は若干パフォーマンスが悪い感じの模様。

ゲストOSがRHEL5の場合はブートディスクとして指定できないですが、それ以外の最近のOSであれば大丈夫そうです。

ゲストOSの対応
Windows2003,2008以降: Data-disk OK, Boot-disk OK
RHEL5: Data-disk OK, Boot-disk NG
RHEL6以降: Data-disk OK, Boot-disk OK
SUSE SLES 11SP1以降: Data-disk OK, Boot-disk OK
Ubuntu 10.04以降: Data-disk OK, Boot-disk OK

なお、Linux kernelの 2.6.33からpvscsi用のドライバ(vmw_pvscsi)が入っているようです。

VMware Data Recovery 2.0



VMwareのバックアップ仮想アプライアンス、VMware Data Recovery。
これも、てっきりvSphere Data Recovery的な名前に変わるのかと思いきや、登場してきたのは「VMware Data Recovery 2.0」

おやおや?と思って、スペックを調べてみると、ESXi5.0だけではなく、ESX(i)4.0/4.1でも動作するとのこと。

現行のVMware Data Recoveryはバックアップ格納領域として、1TB領域が2つしか設定できないという強烈な制限があるけど、それが撤廃もしくは緩和されるかなぁ、と期待していたのですが、どうもそれはないようです。

トピック
・メールレポートを送れるようになった
・ジョブの一時停止をサポートした
・重複排除の向上
・Maintenance Scheduleという設定が加わった・・・が既存のBackup Window設定と何が違うのかが理解できない

おまけ:VMware Data Recoveryの基本的な注意点
・バックアップスケジュール、という概念がない
 → 指定時間帯のどこかでバックアップが実行されている。細かい時間は指定できない。
・フルバックアップ・差分バックアップという概念もない
 → 合成バックアップ的な動きをしていくので、過去のバックアップを何個残すか、という設定になっている。
・リストア時は基本仮想マシン全体、と思っておいた方がよい
 → Windows/Linuxでvmware-toolsがインストールされていればファイル単位でリストアできるが、面倒。
・バックアップ保存領域が小さい
 → 「1TB仮想ディスク」か「500GB CIFS共有」が合計2個までしか設定できない
   それ以上をバックアップしたい場合には、使えない

— 2012/07/24 追記 —
VMware Data Recovery 2.0.1でも、ここらへんの事項は変わっていません。