既存のSamba 4.5以前を4.7へアップデートする場合の注意点


あまり考えずに既存のSamba 4.4.x環境を最新のSamba 4.7.xにアップデートをした。
ようは、configure;make;make install。

が・・・「Updating Samba」を見ると、Samba 4.5.0で「replPropertyMetaData」の取り扱いが変わったので修正しなければならない、という記載が・・・

修正が必要かどうかは「samba-tool dbcheck –cross-ncs」で確認出来る、とのこと

問題なければ、下記の出力・・・

# samba-tool dbcheck --cross-ncs
Checking 3602 objects
Checked 3602 objects (0 errors)
#

問題がある場合は下記の様な形でエラーが報告されます。
ちなみに、エラーのテキスト出力が6.5MBありました・・・

# samba-tool dbcheck --cross-ncs --fix --yes
Checking 3602 objects
CN=MHS-OR-Address,CN=Schema,CN=Configuration,DC=adosakana,DC=local: 0x0009030e
CN=MHS-OR-Address,CN=Schema,CN=Configuration,DC=adosakana,DC=local: 0x00090177
<略>
Checked 3602 objects (3467 errors)
#

「samba-tool dbcheck –cross-ncs –fix –yes」を実行することで修正されました。

また、4.0以前のバージョンからアップデートした場合にSYSVOLの修復を行うために「samba-tool ntacl sysvolreset」を実行するという記述があったので、試しにSYSVOLのチェック「samba-tool ntacl sysvolcheck」を実行してみると、下記のエラーが発生。

# samba-tool ntacl sysvolcheck

ERROR(<class 'samba.provision.ProvisioningError'>): uncaught exception - ProvisioningError: DB ACL on GPO directory /usr/local/samba/var/locks/sysvol/adosakana.local/Policies/{20AA5877-2399-4CBC-8BA4-7F23D8810774} O:DAG:DAD:PAI(A;OICI;0x001f01ff;;;DA)(A;OICI;0x001f01ff;;;EA)(A;OICIIO;0x001f01ff;;;CO)(A;OICI;0x001f01ff;;;DA)(A;OICI;0x001f01ff;;;SY)(A;OICI;0x001200a9;;;AU)(A;OICI;0x001200a9;;;ED) does not match expected value O:DAG:DAD:P(A;OICI;0x001f01ff;;;DA)(A;OICI;0x001f01ff;;;EA)(A;OICIIO;0x001f01ff;;;CO)(A;OICI;0x001f01ff;;;DA)(A;OICI;0x001f01ff;;;SY)(A;OICI;0x001200a9;;;AU)(A;OICI;0x001200a9;;;ED) from GPO object
  File "/usr/local/samba/lib64/python2.6/site-packages/samba/netcmd/__init__.py", line 176, in _run
    return self.run(*args, **kwargs)
  File "/usr/local/samba/lib64/python2.6/site-packages/samba/netcmd/ntacl.py", line 270, in run
    lp)
  File "/usr/local/samba/lib64/python2.6/site-packages/samba/provision/__init__.py", line 1723, in checksysvolacl
    direct_db_access)
  File "/usr/local/samba/lib64/python2.6/site-packages/samba/provision/__init__.py", line 1674, in check_gpos_acl
    domainsid, direct_db_access)
  File "/usr/local/samba/lib64/python2.6/site-packages/samba/provision/__init__.py", line 1621, in check_dir_acl
    raise ProvisioningError('%s ACL on GPO directory %s %s does not match expected value %s from GPO object' % (acl_type(direct_db_access), path, fsacl_sddl, acl))
#

「samba-tool ntacl sysvolreset」を実行して修正。

# samba-tool ntacl sysvolreset
# samba-tool ntacl sysvolcheck
#

samba 4.7.4で作ったActive Directory環境でWindowsServer2016フェールオーバークラスターを動作させた


以前試したときはうまくいかなかったが、どうやら、動くらしい、という話を聞いて試してみた。

Samba 4.7.4で、ドメインレベル/フォレストレベルをWindows Server 2008R2に設定した状態で実施。
(レベルの確認・変更については「samba 4.xでドメイン/フォレストの機能レベルを変更する」を参照のこと)

クラスタの検証は問題なく通過し、実際に組んで見るとネットワークへのリソース名登録周りでエラーが発生。

ログの名前:         System
ソース:           Microsoft-Windows-FailoverClustering
日付:            2018/02/28 18:41:44
イベント ID:       1194
タスクのカテゴリ:      ネットワーク名リソース
レベル:           エラー
キーワード:         
ユーザー:          SYSTEM
コンピューター:       server1.adosakana.local
説明:
クラスター ネットワーク名リソース 'クラスタリソース1' は、ドメイン 'adosakana.local' の関連付けられたコンピューター オブジェクトを作成できませんでした (期間: Resource online)。

関連するエラー コードのテキストは次のとおりです: アクセスが拒否されました。

ドメイン管理者と協力して、次のことを確認してください。
- クラスター ID 'クラスタ名$' が、コンピューター オブジェクトを作成するためのアクセス許可を持っていること。既定では、すべてのコンピューター オブジェクトがクラスター ID 'クラスタ名$' と同じコンテナー内に作成されます。
- コンピューター オブジェクトのクォータに達していないこと。
- 既存のコンピューター オブジェクトがある場合は、[Active Directory ユーザーとコンピューター] のツールを使用して、クラスター ID 'クラスタ名$' にそのコンピューター オブジェクトに対するフル コントロールのアクセス許可があることを確認してください。

解決方法はMicrosoftのKB「クラスター環境においてクライアント アクセス ポイントを作成または削除した際、イベント ID 1222 と 1197 が記録される。」にあるままでした。
下記の設定を行ったところ、クラスタが起動するようになりました。

1. Domain Administrator権限を持っているユーザで「Active Directory ユーザーとコンピューター」を開く
2. 「表示」-「拡張機能」を選択し、セキュリティなどの設定が表示される状態に変更
3. 「Computers」コンテナのプロパティを開く
4. 「セキュリティ」タブの「詳細設定」を開く
5. 「追加」を開く
6. まず、「プリンシパルの選択」のリンクをクリック
 「オブジェクトの種類」を開き、「コンピュータ」にチェックを入れる
 「選択するオブジェクト名を入力してください」の下の欄にエラーがでた「クラスタ名」を入力
 「名前を確認」してOK
7. 種類「許可」、適用先「このオブジェクトとすべての子オブジェクト」が選択されていることを確認
8. アクセス許可は「すべてのプロパティの読み取り」と「すべての子オブジェクトの作成」にチェック
 他の項目は標準設定のままで良い
9. この設定でセキュリティの追加を完了する

CephのOSD毎のPlacement Groupの数を確認する


Cephのテスト環境を構築してみた。

シナリオ通りに構築を進めていき、とりあえずは問題なくは終わった。
終わったんだけど、最後にステータスでも確認してみるかとceph healthを実行してみたところHEALTH_WARNが・・・

[root@ceph01 ~]# ceph health
HEALTH_WARN too many PGs per OSD (480 > max 300)
[root@ceph01 ~]#

OSDにたくさんのPGが割り当てられてる、といってるけど、具体的にはどれくらいあるんだろう?

と調べていくと、stackoverflowにある、下記のPGとOSDの関係性に関する質問を発見
Ceph too many pgs per osd: all you need to know

そこで紹介されている「Get the Number of Placement Groups Per Osd」に、OSD毎のPG数をコマンドで確認する手法が掲載されていた。

「ceph pg dump」の出力結果を整形して見やすいようにしている、というものだった。

ceph pg dump | awk '
BEGIN { IGNORECASE = 1 }
 /^PG_STAT/ { col=1; while($col!="UP") {col++}; col++ }
 /^[0-9a-f]+\.[0-9a-f]+/ { match($0,/^[0-9a-f]+/); pool=substr($0, RSTART, RLENGTH); poollist[pool]=0;
 up=$col; i=0; RSTART=0; RLENGTH=0; delete osds; while(match(up,/[0-9]+/)>0) { osds[++i]=substr(up,RSTART,RLENGTH); up = substr(up, RSTART+RLENGTH) }
 for(i in osds) {array[osds[i],pool]++; osdlist[osds[i]];}
}
END {
 printf("\n");
 printf("pool :\t"); for (i in poollist) printf("%s\t",i); printf("| SUM \n");
 for (i in poollist) printf("--------"); printf("----------------\n");
 for (i in osdlist) { printf("osd.%i\t", i); sum=0;
   for (j in poollist) { printf("%i\t", array[i,j]); sum+=array[i,j]; sumpool[j]+=array[i,j] }; printf("| %i\n",sum) }
 for (i in poollist) printf("--------"); printf("----------------\n");
 printf("SUM :\t"); for (i in poollist) printf("%s\t",sumpool[i]); printf("|\n");
}'

これをテスト環境で実行してみると下記の様な出力を得られた

[root@ceph01 ~]# ceph pg dump | awk '
BEGIN { IGNORECASE = 1 }
 /^PG_STAT/ { col=1; while($col!="UP") {col++}; col++ }
 /^[0-9a-f]+\.[0-9a-f]+/ { match($0,/^[0-9a-f]+/); pool=substr($0, RSTART, RLENGTH); poollist[pool]=0;
 up=$col; i=0; RSTART=0; RLENGTH=0; delete osds; while(match(up,/[0-9]+/)>0) { osds[++i]=substr(up,RSTART,RLENGTH); up = substr(up, RSTART+RLENGTH) }
 for(i in osds) {array[osds[i],pool]++; osdlist[osds[i]];}
}
END {
 printf("\n");
 printf("pool :\t"); for (i in poollist) printf("%s\t",i); printf("| SUM \n");
 for (i in poollist) printf("--------"); printf("----------------\n");
 for (i in osdlist) { printf("osd.%i\t", i); sum=0;
   for (j in poollist) { printf("%i\t", array[i,j]); sum+=array[i,j]; sumpool[j]+=array[i,j] }; printf("| %i\n",sum) }
 for (i in poollist) printf("--------"); printf("----------------\n");
 printf("SUM :\t"); for (i in poollist) printf("%s\t",sumpool[i]); printf("|\n");
}'
dumped all in format plain

pool :  4       5       6       7       8       9       10      11      12      13      14      1       2       15      3       | SUM
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
osd.4   39      29      25      36      27      24      35      34      30      28      34      33      35      29      32      | 470
osd.5   36      35      28      31      21      29      27      37      37      30      32      36      37      27      37      | 480
osd.6   38      37      30      35      30      24      37      33      32      31      27      32      33      31      27      | 477
osd.7   33      34      30      31      25      34      35      42      32      33      21      30      31      28      33      | 472
osd.8   29      32      39      35      28      39      31      34      36      35      38      34      35      24      21      | 490
osd.9   32      34      33      33      37      38      39      27      30      31      28      29      27      26      26      | 470
osd.10  39      31      34      24      35      36      35      40      34      37      37      45      32      31      37      | 527
osd.11  25      26      30      33      36      42      27      30      42      31      28      32      28      35      31      | 476
osd.0   27      39      38      29      35      24      34      26      28      31      38      23      33      31      32      | 468
osd.1   29      30      29      28      43      24      34      30      22      34      30      37      34      44      29      | 477
osd.2   27      32      35      33      31      38      21      24      30      26      37      26      26      36      33      | 455
osd.3   30      25      33      36      36      32      29      27      31      37      34      27      33      42      46      | 498
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
SUM :   384     384     384     384     384     384     384     384     384     384     384     384     384     384     384     |
[root@ceph01 ~]#

また、NAKAMURA Minoru’s Home Pageにある「RADOS の概略 (RADOS と CRUSH と Placement Group の関係)」は、Cephの理解に役に立った

LTFS Bulk Transferとは何か?


LTFSの記事を更新する為にSNIAの「LTFS規格書ページ」を見たら「LTFS Bulk Transfer v1.0」なるものを発見。
見てみると2016年10月11日発行の規格書だった。

しかし、SNIA以外のページで見かけない・・・
一体どういうものなのか、規格書を流し読みしてみた。

大量のファイルをひとまとめにして、システム間で転送できるようにする仕組み
Windows/Linux/MacOSX間で可搬性があるLTFSを流用し、
ファイルのアーカイブ処理はLTFSに任せ、システム間転送に司る部分を「LTFS Bulk Transfer」として定義している
というものであるようだ。

対象となるテープは1本だけとは限らないので、LTFS Bulk Transferの定義ファイル内では、xml記述でファイルと格納されているテープのIDを列挙し、それぞれにsha256によるチェックサムを記載し、コード化けを検出できるようにしている。

規格書内の使用例には、クラウドへの移行やクラウド間移行という模式図があり、汎用的な移行に使えるツールとしてLTFSを使用していくような感じも見受けられる。

特に明記はされていないが、物理LTOテープだけではなく、仮想LTOテープ的なものへの適用も考えられていそうな感じではある。

LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2018/01/04版


LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2020/05/11版」にて内容を更新しました。


前回LTFSの現状についてまとめた記事から2年が経過した。
(「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2015/11/18版」)

2年経過し、LTO-8も登場。
LTFSの規格にも変化が出ているのかな?と調査してみた。


過去のLTFS関連記事
 「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFS(2012/11/28)
 「テープ装置メーカ純正のLTFS一覧(2013/12/20更新)
 「IBM版LTFSをRHEL5で使ってみた(2013/05/20)
 「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2014/06/09版
 「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2015/11/18版


LTFSとは?

LTO-5/LTO-6からは、メディアを2つの領域に分割して利用することが可能になった。
その機能を活かし、1本のテープメディアの中に、メディア内データの管理情報と、実データを分割して保存することを可能とした。
これにより、これまで実現出来なかった、1本のテープメディアだけで可搬性のあるファイルシステム構築、というものが可能となり、その実装として、LTFS(Linear Tape File System)というのがある。

使用用途としては、バックアップ用ではなく、長期保存のためのアーカイブ用や、大容量データの持ち運び用として使用されている。

LTFSを実現するためのソフトウェアについては、基本的には、IBMが大本のベースを作り、それを各LTOドライブメーカが、自社ドライブ向けにカスタマイズして提供しているような形となっている。

LTFSのバージョン(フォーマット)

LTFSには、バージョンがいくつかあり、現状気にしなければならないのは、以下の5つ
・LTFS 1.0
・LTFS 2.0 : ファイルインデックス関連で機能をいろいろ追加
・LTFS 2.1 : 2012/05/18リリース。LTFS2.0+シンボリックリンク
・LTFS 2.2 : 2013/12/21リリース。管理情報の改良
・LTFS 2.3 : 2016/03/08リリース。各ファイルのハッシュ情報とファイル名のエンコーディングを追加
(LTFS 2.3.1が2017/05/24にリリースされてますが、LTFS 2.3のバグ修正的なものなので、省略)

「LTFSのバージョン」と「LTFSソフトウェアのバージョン」は別物なので注意が必要。
たとえば、OracleのLTFSソフトウェアは「ver1.2.7」だが、「LTFS 2.2」に対応している。

LTFS2.2対応は重要だが、LTFS2.3対応はそれほど重要ではないので、とりあえず、現行リリースされているLTFSソフトウェアはほぼLTFS2.2以降対応なので、あまり心配しなくてもよさそう。

LTFS2.3の規格書はSNIAの「Linear Tape File System (LTFS)」の「Linear Tape File System (LTFS) Format Specification」にてpdfで公開されている。

その他、いろんな情報は、LTOの規格団体の「LTFS Overview」にある。

LTFSソフトウェアの種類

LTFSの公式認証を取得しているLTFSソフトウェアについては、「LTFS Compliance Verification」にて紹介されている。

2018/01/04時点では以下の8個が登録されている。

Company Product Version LTFS Version LTO Generation Date tested
Quantum Quantum Scalar LTFS Appliance 2.0.2 2.0.1 LTO5 & 6 9/11/13
HP HP StoreOpen Standalone 2.1.0 2.1.0 LTO5 & 6 9/11/13
IBM IBM Single Drive Version 1.3.0 2.1.0 LTO5 & 6 9/11/13
IBM IBM LTFS Library Edition V1R3 2.1.0 LTO5 & 6 10/2/13
Quantum Quantum LTFS 2.1.0 2.1.0 LTO5 & 6 11/29/13
HP HP StoreOpen Automation 1.2.0 2.0.1 LTO5 & 6 11/29/13
Spectra Logic Spectra Logic Black Pearl 1.1 2.2 LTO5 & 6 9/11/15
MT-Consulting NODEUM 1.1 2.1.0 LTO5 & 6 7/05/16

2015年にSpectra Logicが追加、2016年にMT-Consultingが追加されている以外、バージョンに動きがない。しかし、実際には各LTFSソフトウェアともにバージョンアップを行っている。
なお、LTFSソフトウェアのバージョンと、対応しているLTFSフォーマットのバージョンに直接の関連性は無いので注意が必要。


各ドライブメーカが出しているLTFSソフトウェアについて

まずは、上記のリストに載っているメーカのものから。

・IBM
公式: IBM Spectrum Archive(IBM Linear Tape File System)

IBMのLTFSは「IBM Spectrum Archive」という商品名になっている。
テープベンダのSpectra Logicとは関係がないようだ。

ソフトウェアの入手は、「Fix Central」にて「製品グループ:System Storage」-「Tape Systems」-「Tape drives and software」の下にある「IBM Spectrum Archive Single Drive Edition(SDE) (旧名:LTFS Single Drive Edition)」や「IBM Spectrum Archive Library Edition(LE)(旧名:LTFS Library Edition)」「IBM Spectrum Archive Enterprise Edition(EE)」を選択して行う。
なお、LEとEEの方はアップデータのみの配布で、元になるソフトウェアについては、IBMから別途入手する必要がある。
基本的には、Single Drive Edition(SDE)が、他の全てのLTFSソフトウェアの原型になっているもの・・・という感じである。

2018/01/04時点での最新は、
IBM Spectrum Archive Enterprise Edition: ver1.2.5.0(2017/11/02) LTO-8対応/LTFS2.2まで対応
IBM Spectrum Archive Library Edition : ver2.4.0.0(2017/10/10) LTO-8対応/LTFS2.4対応
IBM Spectrum Archive Single Drive Edition: ver2.4.0.0(2017/10/10) LTO-8対応/LTFS2.4対応

IBM的にはLTFS 2.3はエンコードのバグがあるので、それを修正したものをLTFS 2.4と称している模様。

・HP
公式: HPE StoreOpen and Linear Tape File System (LTFS) Software
日本語情報: HP LTFS (Linear Tape File System)

単体ドライブ向けのみだが「日本語の導入マニュアル」が用意されている。

分社化の影響で、LTFS関連はHP Enterpriseに移籍したが、関連リンクが更新されていないので、いろんなところでリンク切れが発生している。
以前は「http://www.hp.com/go/ltfs/」といういい感じのショートカットがあったが、StoreOpenというショートカットに変わってしまった。

ソフトウェア関連は「HP StoreOpen and Linear Tape File System (LTFS) Software」からたどる事になる。

ソフトウェアの入手は、単体ドライブ向けの「HP StoreOpen Standalone」も、チェンジャー向け「HP StoreOpen Automation」も上記のページの「Get drivers, software & firmware.」から行う。

2018/01/04時点での最新は、
HP StoreOpen Standalone : ver3.2.0(2017/02/06) LTO-7まで対応
HP StoreOpen Automation : ver3.1.0(2016/07/22)
規格としてのLTFSの対応バージョンについての明記が見当たらず。

2018/02/26追記
HP StoreOpen Standalone : ver3.3.0(2018/02/05) LTO-8まで対応
「Support for SNIA 2.4」という記載もあるのでLTFS2.4にも対応している模様

・Quantum
公式: Linear Tape File System

ソフトウェア入手は上記の公式ページの「Software」タブから行う。
ソースコードについては、LTFS Open Source Filesから。

2014/06/09時点での最新は、
Linux/Mac : ver2.2.0(2015/12) LTO-7/LTFS2.2対応
Windows Model Bドライブ向け: ver3.0(2016/04) LTO-6以降という曖昧な記述のみ
Windows Model Cドライブ向け: ver2.2.1(2014/10) LTO-7/LTFS2.2対応。おそらくLinux/Mac向けと同じベース

Linux版のReleasenoteには、Quantum LTOドライブのほか、IBM LTOドライブにも対応という記述がある。

・Quantum Scalar LTFS Appliance
公式:Scalar LTFSアプライアンス

ハードウェアがセットになったアプライアンス。
これの下にFC経由などでテープチェンジャーを繋いで使うもの。

・Spectra Logic
公式:Linear Tape File System (LTFS)

LTFSを紹介するページはあるものの、LTFSを利用するソフトウェアに関するページが見当たらない。
また、バージョンもわからず。
BlackPearlというアプライアンスで、階層型ストレージとしてディスクとテープなどのストレージを組み合わせて使用する。

・MT-C NODEUM
公式:NODEUM

リストには「MT-Consulting」とあるが「MT-C」と改称した模様。
階層型ストレージとして、ディスクとテープなどを組み合わせて使用できるようにする、ソフトウェアのみを販売している?


リストに載っていない、LTFS

・TANDBERG DATA
公式: LTFS for Archive

以前は「LTFS for Big Data」という扱いだったが、「Archive」にかえたようだ。

ソフトウェアの入手は「LTFS Downloads for LTO-5/6」か「LTFS Downloads for LTO7」から行う。

2018/01/04時点での最新は
LTO-5/6向け: ver 3.0.0
LTO-7向け: ver 2.2.2

ページは英語表記だが、ドキュメントアイコンが日の丸になってるとおり、ダウンロードできるドキュメントは日本語化されている。
一部TANBERGカスタマイズが入っているようだが、基本的にはHP StoreOpen相当品。

・Oracle
公式: Oracle’s StorageTek Linear Tape File System, Open Edition
製品としてのページ: Oracle StorageTek Linear Tape File System (LTFS), Open Edition and Library Edition

ソフトウェアの入手は「https://oss.oracle.com/projects/ltfs/files/」から行う。

2018/01/04時点での最新は2015年時点と変わらず
ltfs-1.2.7(2015/10/07)

IBM LTFS 2.2.0.2とHP LTFS 2.2.1を組み合わせ、Oracle/StorageTek用の設定を入れたもの。
Oracle LTOドライブ,IBM LTOドライブ,HP LTOドライブに対応している。

Resouceページで「LTFS For Dummies」という51ページのPDFを公開しているのが興味深い。
??? For Dummiesは、アメリカで販売されているいろんな分野の初心者向け書籍シリーズ。「ダミー人形向けの」→「バカでも分かる」というものなんだけど・・・このLFS for Dummies、解説具合が微妙過ぎるなぁ・・・


LTFS関連のツール紹介

・LTOpers
公式: https://github.com/amiaopensource/ltopers
LTFSを使いやすくするためのBASHスクリプトのフロントエンドプログラム
Quantum LTFS 2.2向けで、Homebrewでインストールし、ということなので、MacOSX向けとして作られているようだが、スクリプトを読むと.linuxbrewディレクトリがあった場合の条件分岐があるので、Linuxでも使えそう。