Orange Pi 5をAndroid 12で動かす


2022/12/20時点で使えるOrange Pi 5のOSは、Ubuntu, Debian, Android 12。

Orange Pi (Droid)はリンクはあるもののファイル自体は存在していないという残念な状態

microSDで起動させる場合のAndroid 12はSDDiskTool_v1.72.zipに含まれているSD_Firmware_Tool.exe から書き込む。

中国語インタフェース…

config.iniを開いて「Selected=1」を「Selected=2」に替えたら英語インタフェースになった

まず「SD Boot」を選択してから、「Firmware」ボタンをクリックして、OrangePi5_RK3588S_Android12_v1.0.0.imgを指定して「Create」ボタンをクリックする。

書き込み確認で、はい、を選んで書き込み開始

書き込み完了

書き込んだmicroSDはこんな感じのパーテーションになりました。

NVMe SSDを取り外して、microSDのみ入れて電源オン…

しばらく待つと下記の画面となります。

アプリ一覧にブラウザはいませんが、検索欄をクリックすればブラウザとして使えます。

F-Droidでもアクセスしてフリーソフト中心のソフトウエアレポジトリにアクセスしてみましょう…

が・・・たいしていいアプリがあるわけじゃないので微妙なんですけど・・・

ただ、いい感じのブラウザがなくて・・・

Ubuntu Touchでも使ったBromite ブラウザ をF-Droidレポジトリに追加してインストールすると、Chromiumもダウンロードできるんですが、Google開発者サービスがない、といわれるのでBromiteの方を使った方がいいでしょう

で・・・ブラウザをインストールしてyoutubeにアクセスしてみたところ、HDMI経由の音声出力も動いていました。

うちの場合標準設定では音量が小さくて、大きくする必要がありました

ただ、結局アプリが微妙なので、使い道があまりないかなぁ・・と

Orange Pi 5 が届いた


2022年11月12日に発注し2022年12月5日に発送連絡があった Orange PI 5が12月19日に届いた。

Orange Pi のいつもの箱に入って届いた

中身もいつものごとく

ラズパイ2BとOrange Pi 5を並べて見る

裏面にM.2 コネクタがありますが、止めるためのネジが付属してないのでどうにか調達する必要があります。

私の場合はたまたま別件で買ったM.2 SSDにネジが添付されていたのでそれを流用しました。

さて、ここからは実際に使う為の資料について・・・

資料について

公式のマニュアルはOrange Pi 5 Downloadページ にあるUser Manualリンク にあるOrangePi_5_RK3588S_User Manual_v0.2.pdf となる。(2022/12/08版)

電源について

Orange Pi 5の注意点として電源はType-Cコネクタ形状だけれども、USB PD非対応で、5V4Aのみを受け付けるだけの単機能コネクタである、ということ。

このため、ノートパソコンなど用のType-C PD電源ををつなげても動作しません。

私の場合、秋月でラズパイ4用として売ってる「スイッチングACアダプター(USB ACアダプター) Type-Cオス 5.1V3.8A 」を買って使っています。

まお、マニュアルの上記記述にあるように、USB Type-Cとして使えるコネクタの方は電源供給には使えません。

裏面にあるM.2 コネクタには2242サイズのNVMeストレージを取り付けることができますが、固定する為のネジが添付されていません。

Orange Pi 5の基盤自体を固定する為の四隅の穴は3.0mmですが、M.2用の2230/2242用の固定穴は3.5mmとのこと。

また、GPIO端子から電源を供給することは可能ですが、推奨されていません。

GPIO端子に逆接続防止措置はないので、誤って逆に接続してしまうと基板が死ぬので注意してください。

OS書き込みについて

Linuxの場合

microSDの起動ディスクをつくる場合、Linuxを書き込む場合はddやrufus,etcher,win32diskimagerで書き込みます。

NVMe SSD起動にしたい場合は、一度microSDで起動させた後、NVMe SSDへのインストール処理を行う形となります。

使用できるNVMe SSDは、2230サイズもしくは2242サイズのものです。

NVMe SSD用に確保されている帯域は PCIe2.0x1 となっており、理論上は500MB/sまでとなります。PCIe3.0やPCIe4.0のSSDを使用しても、PCIe2.0x1で止まります。

NVMe SSDへのインストールは、Orange Pi公式配布のDebian/Ubuntuの場合「sudo nand-sata-install」を実行することでSPI Flashへブートローダを書き込み、NVMe SSDから起動できるような設定を行った上で、Linux用ディスクイメージファイルをddコマンドで/dev/nvme0n1に書き込みを行います。

書き込み後は、Linuxをshutdownし、microSDを抜いて、NVMe SSDのみとして起動します。

起動後、Orange Pi公式配布のDebian/Ubuntuの場合「sudo fix_mmc_ssd.sh」を実行し、ディスクのパーテーション調整を行います。(後述しますが、この手順は不要でした)

なお、初期ユーザは「root」パスワード「orangepi」と、ユーザ「orangepi」パスワード「orangepi」の2つがあります。

また、自動ログインの有効/無効が別途用意されているコマンドで設定できます。

詳細はUser Manualにて。

Androidの場合

Rockchip用のAndroidを起動するためのmicroSDは専用の書き込みソフトSDDiskTool(Windows)を使用する必要があります。

また、NVMe SSDからAndroidを起動したい場合は、Windows+専用ドライバ/書き込みソフト(RKDevTool)を使うことで、microSDを経由せずにType-Cケーブル経由で直接書き込むことが可能です。

ネットワーク設定について

Orange Pi公式が配布しているUbuntu/Debianイメージではネットワーク接続を /etc/network/interfaces ファイルの編集ではなくNetwork Manager経由で行う、ということになっています。

nmcliやnmtuiコマンドで設定します。


実際にセットアップしてみた

M.2 2242サイズのNVMe SSDを取り付けて…

Orangepi5_1.0.6_ubuntu_jammy_desktop_xfce_linux5.10.110.img をmicroSDに書き込んで初回起動すると、X-Windowでログインした状態となる

この際のユーザは「orangepi」

コマンドで「ip a s」などを実行してIPアドレスを確認して、sshでログイン

その際は「orangepi」でパスワードも「orangepi」

  ___  ____  _   ____
 / _ \|  _ \(_) | ___|
| | | | |_) | | |___ \
| |_| |  __/| |  ___) |
 \___/|_|   |_| |____/

Welcome to Orange Pi 1.0.6 Jammy with Linux 5.10.110-rockchip-rk3588

System load:   2%               Up time:       7 min    Local users:   3
Memory usage:  8% of 7.51G      IP:            192.168.1.141
CPU temp:      39°C            Usage of /:    16% of 29G

[ 2 security updates available, 2 updates total: apt upgrade ]
Last check: 2022-12-16 16:17

[ General system configuration (beta): orangepi-config ]

Last login: Fri Dec 16 16:17:44 2022
orangepi@orangepi5:~$

カスタマイズするためのスクリプト群が /usr/local/bin に用意されている

orangepi@orangepi5:~$ ls -l /usr/local/bin
total 1360
-rwxrwxr-x 1 root root    992 Dec  7 09:26 auto_login_cli.sh
-rwxrwxr-x 1 root root   9632 Dec  7 09:26 blink_all_gpio
-rwxrwxr-x 1 root root     47 Dec  7 09:26 cat_serial.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    560 Dec  7 09:26 compile_python.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    316 Dec  7 09:26 desktop_login.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    140 Dec  7 09:26 disable_desktop_autologin.sh
-rwxrwxr-x 1 root root   2036 Dec  7 09:26 drm-hotplug.sh
-rwxrwxr-x 1 root root     86 Dec  7 09:26 enable_docker.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    265 Dec  7 09:26 fix_mmc_ssd.sh
-rwxr-xr-x 1 root root    195 Dec 15 18:27 gpu_load.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    111 Dec  7 09:26 install_bt_panel.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    684 Dec  7 09:26 install_docker.sh
-rwxr-xr-x 1 root root    565 Dec 16 11:41 install_qt.sh
-rwxrwxr-x 1 root root   2364 Dec 16 15:36 install_ros.sh
-rwxrwxr-x 1 root root  76188 Dec  7 09:26 io
-rwxrwxr-x 1 root root  22896 Dec  7 09:26 memtester
-rwxrwxr-x 1 root root 772832 Dec  7 09:26 modetest
-rwxrwxr-x 1 root root  38856 Dec  7 09:26 multivideoplayer
-rwxrwxr-x 1 root root     78 Dec  7 09:26 reset_ssh.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    115 Dec 12 09:41 set_device.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    242 Dec 12 09:41 set_vnc.sh
-rwxrwxr-x 1 root root  19672 Dec  7 09:26 spidev_test
-rwxrwxr-x 1 root root 254056 Dec  7 09:26 stressapptest
-rwxrw-r-- 1 root root   1197 Dec 14 15:56 test_camera.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    175 Dec 12 09:41 test_dec_mpv.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    168 Dec  7 09:26 test_rknn_demo.sh
-rwxr-xr-x 1 root root    501 Dec 16 15:36 test_ros.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    446 Dec  7 09:26 test_rtsp.sh
-rwxrwxr-x 1 root root  14736 Dec  7 09:26 tinycap
-rwxrwxr-x 1 root root  19448 Dec  7 09:26 tinymix
-rwxrwxr-x 1 root root  14440 Dec  7 09:26 tinypcminfo
-rwxrwxr-x 1 root root  19048 Dec  7 09:26 tinyplay
-rwxrwxr-x 1 root root     65 Dec  7 09:26 typec_usb2.sh
-rwxrwxr-x 1 root root    123 Dec 15 18:41 vpu_debug.sh
-rwxrwxr-x 1 root root  13816 Dec 16 16:23 watchdog_test
orangepi@orangepi5:~$ ls -l /usr/local/sbin
total 0
orangepi@orangepi5:~$

NVMe SSDにインストールするには/dev/nvme0n1に対してインストールイメージを書き込む

まずデバイス名確認。テストに使用したものなのでパーテーションが2つ作られている

orangepi@orangepi5:~$ ls -l /dev/nvme0*
crw------- 1 root root 239, 0 Dec 16 16:17 /dev/nvme0
brw-rw---- 1 root disk 259, 0 Dec 16 16:17 /dev/nvme0n1
brw-rw---- 1 root disk 259, 1 Dec 16 16:17 /dev/nvme0n1p1
brw-rw---- 1 root disk 259, 2 Dec 19 19:30 /dev/nvme0n1p2
orangepi@orangepi5:~$

確認のためM.2 SATA SSDが認識できないかを確認してみる

orangepi@orangepi5:~$ sudo fdisk -l
[sudo] password for orangepi:
Disk /dev/ram0: 4 MiB, 4194304 bytes, 8192 sectors
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 4096 bytes
I/O size (minimum/optimal): 4096 bytes / 4096 bytes


Disk /dev/zram0: 3.75 GiB, 4031569920 bytes, 984270 sectors
Units: sectors of 1 * 4096 = 4096 bytes
Sector size (logical/physical): 4096 bytes / 4096 bytes
I/O size (minimum/optimal): 4096 bytes / 4096 bytes


Disk /dev/mtdblock0: 16 MiB, 16777216 bytes, 32768 sectors
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes


Disk /dev/mmcblk1: 29.9 GiB, 32105299968 bytes, 62705664 sectors
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disklabel type: gpt
Disk identifier: 53AE4D8D-573C-E044-AB71-027F31F37494

Device          Start      End  Sectors  Size Type
/dev/mmcblk1p1  61440   585727   524288  256M Linux extended boot
/dev/mmcblk1p2 585728 62062591 61476864 29.3G Linux filesystem


Disk /dev/zram1: 200 MiB, 209715200 bytes, 51200 sectors
Units: sectors of 1 * 4096 = 4096 bytes
Sector size (logical/physical): 4096 bytes / 4096 bytes
I/O size (minimum/optimal): 4096 bytes / 4096 bytes
orangepi@orangepi5:~$ ls /dev/nv*
ls: cannot access '/dev/nv*': No such file or directory
orangepi@orangepi5:~$

M.2 SATA SSDでは認識しないことを確認

(2022/12/21追記: データディスクとしてならM.2 SATAも動くことを確認しました → 詳細)

まあ、そういう仕様ですしね

さて、NVMe SSDに戻して、マニュアル記載のSPI Flash書き換えコマンドを実行

「sudo nand-sata-install」を実行して以下の画面とします。

「7 Install/Update the bootloader on SPI Flash」を選択してOKします

書き換え警告を[Yes]とします

YES選択後、数分間以下の状態で止まっていますが、正常です。

5分ぐらいすると下記の様になって終了します。

続いて、Orangepi5_1.0.6_ubuntu_jammy_desktop_xfce_linux5.10.110.img を /dev/nvme0n1 に対して書き込むため「sudo dd if=Orangepi5_1.0.6_ubuntu_jammy_desktop_xfce_linux5.10.110.img of=/dev/nvme0n1 status=progress」と実行します。

orangepi@orangepi5:~$ sudo dd if=Orangepi5_1.0.6_ubuntu_jammy_desktop_xfce_linux5.10.110.img of=/dev/nvme0n1 status=progress
6924734976 bytes (6.9 GB, 6.4 GiB) copied, 278 s, 24.9 MB/s
13533184+0 records in
13533184+0 records out
6928990208 bytes (6.9 GB, 6.5 GiB) copied, 279.176 s, 24.8 MB/s
orangepi@orangepi5:~$

現状のパーテーションを確認

orangepi@orangepi5:~$ sudo fdisk -l /dev/nvme0n1
GPT PMBR size mismatch (13533183 != 1000215215) will be corrected by write.
The backup GPT table is not on the end of the device.
Disk /dev/nvme0n1: 476.94 GiB, 512110190592 bytes, 1000215216 sectors
Disk model: NXM-512
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disklabel type: gpt
Disk identifier: 53AE4D8D-573C-E044-AB71-027F31F37494

Device          Start      End  Sectors  Size Type
/dev/nvme0n1p1  61440   585727   524288  256M Linux extended boot
/dev/nvme0n1p2 585728 13533150 12947423  6.2G Linux filesystem
orangepi@orangepi5:~$

この段階では実際のSSD容量にあわせたパーテーション構成になっていないのでmismatchと表示されている。

この段階では、microSD起動を一度停止して、microSDを抜いてから再度電源を入れます

NVMe SSDから起動していることを確認します。

orangepi@orangepi5:~$ df -h
Filesystem      Size  Used Avail Use% Mounted on
tmpfs           769M  9.4M  760M   2% /run
/dev/nvme0n1p2  465G  4.6G  456G   1% /
tmpfs           3.8G     0  3.8G   0% /dev/shm
tmpfs           5.0M  4.0K  5.0M   1% /run/lock
tmpfs           3.8G   12K  3.8G   1% /tmp
/dev/nvme0n1p1  256M   95M  162M  37% /boot
/dev/zram1      188M  2.6M  171M   2% /var/log
tmpfs           769M   80K  769M   1% /run/user/1000
orangepi@orangepi5:~$

問題が起きてたパーテーション構成は起動時に自動修正されています。

orangepi@orangepi5:~$ sudo fdisk -l /dev/nvme0n1
Disk /dev/nvme0n1: 476.94 GiB, 512110190592 bytes, 1000215216 sectors
Disk model: NXM-512
Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes
Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
Disklabel type: gpt
Disk identifier: 53AE4D8D-573C-E044-AB71-027F31F37494

Device          Start       End   Sectors   Size Type
/dev/nvme0n1p1  61440    585727    524288   256M Linux extended boot
/dev/nvme0n1p2 585728 990183423 989597696 471.9G Linux filesystem
orangepi@orangepi5:~$

マニュアル記載にある「sudo fix_mmc_ssd.sh」はmicroSDも使う場合に実行するもので、NVMe SSDのみの場合は実行してみると以下のようなメッセージが出力されていました。

orangepi@orangepi5:~$ sudo fix_mmc_ssd.sh
ls: cannot access '/dev/mmcblk*': No such file or directory
Done
orangepi@orangepi5:~$

その上、NVMeから起動できなくなってしまうので必要無い限りはfix_mmc_ssd.shは実行しないように・・・

もしこの状態にしてしまった場合は、最初のNVMeへのインストール時に使ったmicroSDを入れるとシングルユーザモードで起動できます。

その状態で/etc/fstabにある/boot行を「/dev/nvme0n1p1 /boot vfat defaults 0 2」に書きかえて「mount -a」でマウント

その次に /boot/orangepiEnv.txt にあるroot=行を「rootdev=/dev/nvme0n1p2」に書き換えることで元の状態に戻ります。

あとは普通のUbuntu 22.04として利用できます。

ちょっと興味深かったのは、https://repo.huaweicloud.com/ からファイルを持ってくる初期設定になってるんだなぁ、というところ

カスタマイズ

「sudo orangepi-config」を実行すると設定ユーティリティが起動します。

まずは[System]から[Firmware]を選択してFirmwareアップデートを実行します。

再起動します。

この他、[Personal]にある[Timezone]など、いろいろ設定がありますので、必要に応じ変更します。

youtube(360p)再生中のCPU負荷

youtube(1080p)再生中のCPU負荷

Rockchip RK3588S搭載のOrange Pi 5が送料込み$84.2という格安価格でプレセール開始


2022/12/23追記

Orange Pi 5が届いたので「Linuxを動かす記事」「Androidを動かす記事」と「データディスクとしてM.2 SATA SSDを動かす記事(起動ディスクでは使えない)」を公開中です。


2022年7月に発表になったRockchip RK3588S搭載のOrange Pi 5が2022年12月1日から発売開始、ということで、プレセールが始まりました。

AliexressでRAM8GBモデルが送料込みで$84.2というなかなかに安い価格となっています。

他社動向を考えると安くても$120はするだろう、と思っていただけに、この価格は驚きの一言です。

さて、このOrange Pi 5、実は2022年7月の発表時点から構成に変化が出ています。

出典1:2022年7月15日付けのOrange Pi 5スペックページ
出典2:2022年11月11日付けのOrange Pi 5スペックページ

まずは表面の比較

7月版にあった「Wi-Fi 6 + Bluetooth」と「32GB EMMC Flash」が削除され、「16MB SPI Flash」と裏面に「M.2 NVMe 対応スロット」が追加されました。

7月版では恐らくEIAJ#2(PSPと同じやつ)だと思われる電源だったものが、Type-Cコネクタに変更・・・これはいいような悪いような・・・


続いて裏面

7月版の方だと、「CODEC(ES8388)」と「RTC」が書かれてないけど、配置が同じなのでこれについては変更無し。

7月版との大きな変更点は「M.2 PCIe2.0 (Supports 2242 NVMe SSD」と、M.2スロットが追加されたということ。

これにより、microSDの壊れやすさを気にする必要がなくなる、というのは大きな利点と言えます。

M.2 スロット搭載を$100を下回る価格で投入してきたのは予想外でした。

とりあえず為替レートがいろいろ動いているなか、1ドル151円換算のPayPal決済で発注してみました。

発注後、メッセージが飛んできて、2022年12月1日発送予定になるので、それまでの間「Extend delivery」ボタンを押してキャンセルされないような日数を追加してくれ、とのことです。

つまり、11/11時点で標準では「11 days」、つまり11/22にキャンセル処理がされる、ということになるので「Extend delivery」押して「14」ぐらいを入力して、25daysと12/1を超えるような日数にする、ということです

私の場合、ここで指定する日数が新しい日数なのか追加する日数なのかがわからなかったので、とりあえず「30」と入力してみたところ「41days」になりました。

このExtend delivyer設定を忘れるとAliexpress側の自動処理によって発注がキャンセルされてしまうので注意してください。


2022/11/15追記

16GBモデルの販売がプレセール価格$105(送料$11.31)で開始されました。

たしかに公式製品ページに「4GB/8GB/16GB/32GB(LPDDR4/4x)」って書いてあったけど、ほんとに16GBモデルが出るとは・・・

32GBモデルはいくらになるのかな?


2022/11/17追記

Orange Pi 5が要求しているType-Cコネクタで5V4Aをどうするかなーと秋月電子に行ってみたところ「スイッチングACアダプター(USB ACアダプター) Type-Cオス 5.1V3.8A(M-16293)」が950円だったので買っておきました。まだこれがOrange Pi 5で不足無く使えるかどうかはまだわかりません。

ラズパイ4相当の性能が出るらしいRISC-VコアのSBC StarFive Vision Five 2のクラウドファンディングが進行中


2022/12/30追記: 届いたので記事追加中です。

StarFive Vision Five 2の2022年12月出荷分を使うには面倒くさい手順が必要


例のごとくにcnxsoftwareで「StarFive VisionFive 2 quad-core RISC-V SBC launched for $46 and up (Crowdfunding)」という記事が出ていて、RISC-Vコアのボードのクラファン案件を知る

RISC-Vコアを実装しているベンダの1つであるStarFive techが新しくRV64GCを4コアつんだSoC JH7110を開発し、それを積んだボード StarFive Vision Five 2のクラウドファンディングを開始した、というもの

現時点で公開されているスペックは下記

1Gb NICが2ポートあるというのは興味深い。

そして、M.2 M-Keyのストレージスロットがあるので、そこを使うとそこそこのストレージ性能は出せそうな雰囲気

電源供給はType-C PDとGPIO経由というのはラズパイ4と同等という感じ。

大きさはラズパイ4が85*56mmのところ、100*72mmと大きい

その他、ラズパイ4とスペック比較をすると、下記のようになっており、オレンジになってる部分はスペックが上ということになっている。

GPUがOpenGL ES3.2.OpenCL 1.2, Vulkan 1.2対応と額面スペックとしては上になっているが、はたして実装/実態はどうなっていることか?

そして、気になる新SoC JH7110の演算性能は下記のようにうたわれている。

そして、GPUベンチマークについては上だということになっている。

気になる価格は下記

ただ、今回のクラファンでは、4GBモデルは2022年11月出荷を目指すものの、それ以外の2GBモデルと8GBモデルについては2023年2月出荷予定、と遅れている点に注意が必要。

さしあたっては面白そうなので「VF2-4GB」のSuper Early Birdに1枠入れました。日本への送料込みで約8千円といったところです。

はたして、どのようになるか楽しみですね。

armbianの初期設定項目 2022/04/21版


さすがに2017年に作った「Armbianの初期設定項目」は現状にふさわしくないので改訂

(1) armbian OSの入手について

armbian公式からダウンロードするわけだが、”Armbian 22.02 Focal”とか”Armbian 22.02 Jammy XFCE” のどちらがubuntu/debianなのかわかりにくい。

Ubuntu 14.04 LTSTrusty TahrDebian 8ベース
Ubuntu 16.04 LTSXenial XerusDebian 9ベース
Ubuntu 18.04 LTSBionic BeaverDebian 10ベース
Ubuntu 20.04 LTSFocal FossaDebian 10ベース
Ubuntu 22.04 LTSJammy JellyfishDebian 11ベース?
Debian 8.0jessie
Debian 9.0stretch
Debian 10.0buster
Debian 11.0bullseye
Debian 12.0bookworm

「Armbian 22.02 Focal」はUbuntu 20.04LTSベースで、「Armbian 22.02 Jammy XFCE」はUbuntu 22.04LTSベースでX-WindowのXFCE環境付き、ということが分かる。

(2) SDカードへの書き込みについて

経験則的にAllwinner SoCのOrange Pi/Nano Piなどは、microSDカードの個体差?メーカ差?なのかよくわからない原因で起動しなかったり、よくデータが飛んだりします。

起動しない場合は何度かイメージを書き直してみるといけるようになったり、違うmicroSDにすると普通に起動してきたりします。

なお、私はWindows環境でのイメージ書き込みには「Rufus」を使用しています。

Ubuntuの場合は、ddコマンドで書き込みますが、「bmaptool」で書き込むこともあります。(apt install bmap-toolsでインストールできます)

$ sudo bmaptool copy --nobmap Armbian_22.02.1_Orangepione_focal_current_5.15.25_xfce_desktop.img /dev/sde
bmaptool: info: no bmap given, copy entire image to '/dev/sde'
bmaptool: info: 100% copied
bmaptool: info: synchronizing '/dev/sde'
bmaptool: info: copying time: 10m 35.9s, copying speed 7.6 MiB/sec
$

(3) 初回起動について

初回起動時にログインユーザやパスワードの設定をします。

また、microSDのサイズにあわせたパーテーションサイズ調整も実施されます。

(4) 初期設定

まず、LocaleやTimezoneに関する設定を確認

「timedatectl」と「localectl」、「echo $LANG」を実行します。

$ timedatectl
               Local time: 木 2022-04-21 20:11:30 JST
           Universal time: 木 2022-04-21 11:11:30 UTC
                 RTC time: 木 2022-04-21 11:11:06
                Time zone: Asia/Tokyo (JST, +0900)
System clock synchronized: yes
              NTP service: active
          RTC in local TZ: no
$ localectl
   System Locale: LANG=en_US.UTF-8
       VC Keymap: n/a
      X11 Layout: us
       X11 Model: pc105
$ echo $LANG
ja_JP.UTF-8
$

基本的には初回起動時にTimezone設定してるので、そこでそれなりの設定がされていると思います。

ユーザの言語は「ja_JP.UTF-8」、システムとしての言語は「en_US.UTF-8」というのがトラブルが起きにくいとは思っています。

変更する場合、言語設定
「sudo dpkg-reconfigure locales」
タイムゾーン設定
「sudo timedatectl set-timezone Japan」と実行するか、「sudo dpkg-reconfigure tzdata」
キーボードの言語設定(キー配列)
「sudo localectl set-x11-keymap jp」「sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration」

(5) OSアップデート

Armbian自体の更新+Ubuntu/Debianの更新を実施
「sudo apt update」「sudo apt upgrade」

なお、locales アップデートの際に発生する「Generating locales」のプロセスにだいぶ時間が掛かります。

また、アップデート中に下記のような質問があり回答を要求されて止まりますので注意してください。

ubuntu-advantage-tools (27.7~20.04.1) を設定しています ...

設定ファイル '/etc/logrotate.d/ubuntu-advantage-tools'
 ==> これはインストールしてから (あなたかスクリプトによって) 変更されています。
 ==> パッケージ配布元が更新版を提供しています。
   どうしますか? 以下の選択肢があります:
    Y か I  : パッケージメンテナのバージョンをインストールする
    N か O  : 現在インストールされている自分のバージョンを残す
      D     : 両バージョンの差異を表示する
      Z     : 状況を調査するためにシェルを開始する
 デフォルトでは現在使っている自分のバージョンを残します。
*** ubuntu-advantage-tools (Y/I/N/O/D/Z) [デフォルト=N] ? y
新バージョンの設定ファイル /etc/logrotate.d/ubuntu-advantage-tools をインストールしています ...

(6) SBC firmwareのアップデート

一部のSBCにはfirmware アップデートがarmbianレポジトリ経由で提供されているようです。

「sudo armbian-config」で起動して「System」を選択

「Firmware」を選択

「はい」を選択

アップデートが終わるのを待ちます

再起動を選んで再起動します。

(ただ、これ、アップデートなくても再起動要求してるような気がします・・・)

(7) X-Windowの日本語文字化け解消

「sudo apt install fonts-takao-gothic」で一部残る文字化けが消えると思います。

(8) X-Windowでの音声出力先変更

Orange Piの場合、本体上に3.5φステレオ端子が存在していると標準の音声出力先もそちらに設定されていることが多いです。

この場合は、X-Windowの右上に出ているスピーカーアイコンをクリックし、[Default Sink]にある2つの「Built-in Audio Stereo 100%」を他方に切り替えてみてください。

なお、3.5φステレオ端子がない場合は1つしか表示されていないと思います。

(9) GPIO コネクタにPWM付けるファンを使うための設定

ラズパイ用のやつの絵を流用しますが・・・(出典:スイッチサイエンスのRaspberry Pi 4 用ケースファン)

これで3本で繋いだ場合の話です。

armbian-configのHardwareでpwmを有効にする感じでいけるようです