中華padのCPUスペック その2


micdigiのThe Tests Of Haipad M8という記事の中で、ベンチマーク結果がいくつか掲載されていた。

中華padでよく使われているCPUのnbench結果

CPU名称 CPUスペック メモリ 整数 浮動小数点
Vimicro(中星微) VC882 Cortex-A8 1GHz 2.889 4.038 0.759
AMLogic AML8726-M Cortex-A9 800MHz 2.255 3.006 0.916
SAMSUNG(三星) S5PC110 Cortex-A8 1GHz 2.947 4.017 0.771
Rockchip(瑞芯微電子) RK2918 Cortex-A8 800MHz 2.377 3.28 0.627
Rockchip(瑞芯微電子) RK2918 Cortex-A8 1GHz 2.599 3.591 0.636
Telechips TCC8803 Cortex-A8 1GHz 2.84 3.662 0.703

この調子で他のベンチマークソフトの結果も比較して欲しかったところですが、残念ながら、これ以降はHaipad M8(VC882搭載)とAinol NOVO 8(AML8726-M搭載)の比較結果のみでした。

とはいえ、VC882に搭載されているGPU Vivante GC400と、AML8726-MのGPU ARM Mali-400の比較は重要です。

項目 Hipad M8
VC882
NOVO 8
AML8726-M
GPU 開発元 Vivante ARM
型番 GC400(40nmモデル) Mali-400(1core)
トライアングル数 14M tri/s 25M tri/s
ピクセル数 280Mpix/s 250Mpix/s
Neocore フレームレート 13.6fps 25.1fps
NenaMark1 フレームレート 9.1fps 計測できず
NenaMark2 フレームレート 8.0fps 12.4fps
GLBenchmark 2.0 Egypt High 4.0fps 11.8fps
Egypt Standard 5.4fps 12.5fps
Pro High 12.1fps 22.9fps
Pro Standard 15.3fps 23.9fps(?)

ARM Mali-400のが性能が高いようですね。

ちなみに、VianteのGPUは、IngenicのJZ4770にも搭載されているとのことで、中華padでの採用例が増えてくるんでしょうね。

でも、JZ4770に搭載されるのは、何相当の機能なんだろうか?
Vivanteの製品ページにある内容と、JZ4770のデータシート(pdf)の記述を比較すると・・・

データシート上にあるGPUスペックに関する内容
・2D Graphic – Pixel rate up to 200M pix/s
・3D Graphic – Geometry rate up to 20M tri/s
・3D Graphic – Pixel rate up to 200M pix/s

これを満たせそうなものとなると、GC400かGC500、というあたりの模様。
そうなると、JZ4770での性能はあまり期待できなさげな感じです・・・

なお、その1は中華padでよく使われるCPUについてのメモです。

ronzi A3 と Cruz Tablet T301


いろいろ調べていくと、Cruz Tablet T301というのもMIPS Androidらしい。

Android 2.2へのアップデータが出ているのでダウンロードしてみる。

中身は・・・

# file *
META-INF:      directory
boot.img:      data
mbr-xboot.bin: data
system.img:    Linux rev 1.0 ext4 filesystem data (needs journal recovery) (extents)
userdata.img:  Linux rev 1.0 ext4 filesystem data (extents)
#

構造はかなり似ている。
system.imgとuserdata.imgの構造もほぼ同じ。
system.img内には「recovery.cpio.img」と「userdata.img」がある。

/system/build.prop の内容もほぼ同じ。

/system/lib ディレクトリの内容はいくらか違いがでているような感じですが、jz4760b_lib があったりと、MIPSでもJZ4760を搭載しているんだろうな、と思わせる部分があります。

そして、/system/app ディレクトリ内には、、まじめな感じのソフトウェアがいろいろ入ってます。

system.img 内の userdata.img は不要なのかと思ったのですが、Cruz Tablet T301でも同じつくりをしているってことは、必須なんですかねぇ・・・

ちなみに、Cruz Tablet T301のbuild.prop はこんな感じです

# cat build.prop
# begin build properties
# autogenerated by buildinfo.sh
ro.build.id=FRG83
ro.build.display.id=T301-eng 2.2.1 FRG83 eng.szhao.20110513.013344
ro.build.version.incremental=eng.szhao.20110513.013344
ro.build.version.sdk=8
ro.build.version.codename=REL
ro.build.version.release=2.2.1
ro.build.date=Fri May 13 02:02:22 CST 2011
ro.build.date.utc=1305223342
ro.build.type=eng
ro.build.user=szhao
ro.build.host=szhao-desktop
ro.build.tags=test-keys
ro.product.model=T301
ro.product.brand=tablet_p2
ro.product.name=tablet_p2
ro.product.device=tablet_p2
ro.product.board=
ro.product.cpu.abi=mips
ro.product.manufacturer=ingenic
ro.product.locale.language=en
ro.product.locale.region=US
ro.wifi.channels=
ro.board.platform=
# ro.build.product is obsolete; use ro.product.device
ro.build.product=tablet_p2
# Do not try to parse ro.build.description or .fingerprint
ro.build.description=T301-eng 2.2.1 FRG83 eng.szhao.20110513.013344
ro.build.fingerprint=T301/tablet_p2/tablet_p2/:2.2.1/FRG83/eng.szhao.20110513.013344:eng/test-keys
# end build properties
#
# system.prop for tablet_p2
#

rild.libpath=/system/lib/libreference-ril.so
rild.libargs=-d /dev/ttyS2

#ro.sf.lcd_density=240

#
# ADDITIONAL_BUILD_PROPERTIES
#
ro.config.notification_sound=OnTheHunt.ogg
ro.config.alarm_alert=Alarm_Classic.ogg
media.stagefright.enable-player=true
media.stagefright.enable-meta=true
media.stagefright.enable-scan=true
media.stagefright.enable-http=true
ro.kernel.android.checkjni=0
ro.setupwizard.mode=OPTIONAL
dalvik.vm.dexopt-flags=m=y,v=n
net.bt.name=Android
dalvik.vm.stack-trace-file=/data/anr/traces.txt
dalvik.vm.heapsize=24m
#

MIPS系CPU JZ4770登場


JZ4760に関する資料が無いかftp.ingenic.cnを漁っていると「4770」なんてディレクトリが・・・

Jz4770なんて新しいものがでてたんだ、と、「Jz4770」について探してみると、「ミップス・テクノロジーズとIngenic Semiconductor社、新しい1GHz超低消費電力MIPS-Based™モバイルSoCにAndroid™ “Honeycomb” を搭載するために協力」なんてMIPS社の2011/05/31付けのプレスリリースを発見。

Jz4770に対してはHoneycomb(Android 3.0)が載ることになるらしい。

ただ、CPU 1GHz動作で、OpenGL ES対応の3D GPUと、1060p対応のVideoProcessingUnit(VPU)が載ってるものが、これから登場っていうのは、ちょっと出遅れなんじゃ?と思わなくもないですが・・・
GPUのスペックにも「Alpha-osd up to 800×480」とあるので高解像度向けではないようです(高速化とかの機能が働かないですが1920×1080までとりあえずは対応しているようです)


ちなみに・・・
メインCPU用 Xburst 1core
VPU用 Xburst 1core
GPU用 ベース不明 1core
という数え方も、可能といえば可能なので、「Xburst 3 core 1GHz」なんて表記には気をつけろw
(実際、JZ4770 Mobile Application Processor Data Sheetに「CPU core」「VPU core」「GPU core」なんて記載があります)

ronzi A3 firmware update guide


ronzi A3(溶智 A3) ,firmware (ROM) update guide.
(2013/01/15 fixed download link)

(0) you got firmware and util(include USBBootTool.exe for separated firmware)
(1) ronzi A3 is booting “USB boot mode”

Press Home button and Power on.
Then, ronzi A3 into USB boot mode.
Warning: In this time, ronzi A3 screen is black. no-display.

(2) Connect to MS-Windows and install “Ingenic USB Boot Device Driver”.

ronzi A3 is displayed “JZ4760 USB Boot deivice”

(3) Disconnect ronzi A3
Warning: Don’t connect ronzi A3, before Step6.

(4) execute USBbootTool

(5) Select the update files.

Red square: “打井…” meaning “Select file…”
Greed square: “清除” , this value is ignore.

(6) USBboot mode ronzi A3 conneted to MS-Windows ,
USBboot Tools will be update start.

(7) Automaticaly update

While update progress, Block the interface.

(8) waiting….

If un-blocked, then update finished

(9) Power on and booting new firmware.
It takes about 120sec.

ronzi A3 その4 firmwareアップデート


ronzi A3(溶叡 A3)はIngenic Semiconductor(北京君正集成電路有限公司)製のCPU JZ4760を使ってます。
アップデートの際は、そこのツールを使って行います。

手順は中国語pdfで送られてきたのですが、とりあえずフィーリングで読んでやってみたところ、うまくいったので、ご紹介

(0)firmwareを入手(注:ebayのsellerからもらったものをアップしました.2013/01/15にdropboxに再アップロード)
(1) ronzi A3をUSBブートモードで起動
(2) WindowsPCにつなげ、Ingenic USB Boot Device Driverをインストール
(3) とりあえず1回ronzi A3を取り外す
(4) USBbootToolを起動
(5) アップデートに必要なファイルを全て指定
(6) USBブートモードのronzi A3を接続
(7) 勝手にアップデートが開始される
(8) 終わるのを待つ
(9) 再起動かかったら、そこそこ時間がかかるので注意
(10) ronziのロゴの後、一回、黒画面になって10秒ぐらい経ってから、ANDROIDロゴが出てくる

注意点:USBbootTool.exeはUSBブートモードのデバイスがあると問答無用でアップデートを開始して中止できません。

さて、ここから詳細解説
(1) ronzi A3をUSBブートモードで起動

ホームボタンを押しながら電源ONするとUSBブートモードになります。
なお、USBブートモードに入っている場合、画面が何も映りません。

(2) WindowsPCにつなげ、Ingenic USB Boot Device Driverをインストール

こんな感じで「JZ4760 USB Boot Device」として認識されるので、A3 Driverディレクトリの中のドライバを適用してください。

(3) とりあえず1回ronzi A3を取り外す
ronziA3をつなげたままでは、この後のUSBbootToolがうまく使えません。
なので、USBbootTool側の準備が完了するまでつなげてはいけません。

(4) USBbootToolを起動

(5) アップデートに必要なファイルを全て指定

赤枠で囲んだ「打井…」というのが「ファイルを指定する」の意味です。
各ファイルに相当するものを指定しえください。
緑枠の「清除」の横の欄は、どうやらUSBbootToolを実行した回数を表すようです。実行するたびに数が増えていきますが、中国語の説明書によれば毎回「1」としろ、とか書いてあるようです。
全部を指定し終わったら、次に進みます

(6) USBブートモードのronzi A3を接続
USBブートモードになっているronzi A3をつなぎます。
Windows PCにつないで認識されると、USBbootToolは勝手に認識して、アップデートを開始します。

(7) 勝手にアップデートが開始される

アップデート中はファイルの選択などの部分がブロックされます。
また、下の進捗は1~とありますが、使われるのはver3.0.6時点では「1」だけのようです。

(8) 終わるのを待つ

こんな風に、ブロックが解除され、下の進捗欄に「ウノケヲ」と表示されたら完了です。

(9) 再起動かかったら、そこそこ時間がかかるので注意
(10) ronziのロゴの後、一回、黒画面になって10秒ぐらい経ってから、ANDROIDロゴが出てくる

1分ぐらい表示されるronziロゴ


10秒ぐらいしか表示されないAndroidロゴ

— 2011/07/06 追記 —
なお、6月中頃に公式の技術ページで「A3 升级工具及固件」という名前で、おそらくfirmwareの中身的には同等であろうものがアップロードされています。
しかし、ファイルの形式が全然違うので、詳しくはわかりません。