ARM系7大CPU徹底比較

NuFront関連の情報検索で見つけた「七款市售主流双核ARM处理器横评」という記事ですが、「ARM系7大CPU徹底比較」的な内容です。

登場するCPUは以下の7種類。

旧世代 ARMv7 Cortex-A8 DualコアCPU
・Qualcomm(高通) MSM8260

第1世代 ARMv7 Cortex-A9 DualコアCPU
・Ti/Texas Instruments(德州仪器) OMAP4430
・nVidia(英伟达) Tegra2

第2世代 ARMv7 Cortex-A9 DualコアCPU
・SAMSUMG(三星) Exynos4210
・NuFront(新岸线) NS115
・AMLogic(晶晨) AML8726-M
・Rockchip(瑞芯微) RK3066

以下、元記事丸ぱくりの内容です。

カタログスペック比較

項目 Qualcomm
MSM8260
Ti
OMAP 4430
nVidia
Tegra2
SAMSUNG
Exynos 4210
NuFront
NS115
AMLogic
AML8726-M
Rockchip
RK3066
CPU
タイプ Cortex-A8 Cortex-A9
CPUコア数 2
クロック 1.5GHz 1.0GHz 1.2GHz 1.4GHz 1.5GHz 1.2GHz 1.6GHz
1次キャッシュ 32KB×2 32KB×2 32KB×2 32KB×2 32KB×2 32KB×2 32KB×2
2次キャッシュ 1MB 1MB 1MB 1MB 512KB 512KB 512KB
製造プロセス 45nm 45nm 40nm 45nm 40nm 40nm 40nm
GPU
GPU Adreno 220 SGX 540 Geforce ULP Mali-400 MP Mali-400 MP Mali-400 MP Mali-400 MP
GPUコア数 1 1 1 4 2 2 4
GPUクロック 266MHz 300MHz 400MHz 266MHz 不明 400MHz 300MHz
その他機能
Adobe Flash 10.1 10.1 10.1 10.1 11.1 10.1 11.1
HDMI 1.3 1.4 1.3 1.3 1.4 1.3 1.4

AnTuTu ベンチマーク比較

AnTuTu Benchmark
CPU クロック メモリ CPU GPU データベースIO Total
整数 浮点 2D 3D
Qualcomm MSM8260 1.2GHz 1029 1681 700 262 1019 130 5063
Ti OMAP 4430 1.0GHz 710 1427 1097 248 1089 305 4876
nVidia Tegra2 1.0GHz 823 1432 1083 297 861 420 4916
SAMSUNG Exynos 4210 1.4GHz 1179 1833 1472 298 1235 345 6656
NuFront NS115 1.5GHz 1262 2118 1608 292 1030 400 7048
AMLogic AML8726-M 1.2GHz 969 1616 1248 246 977 415 5935
Rockchip RK3066 1.6GHz 1383 2227 1636 293 1204 525 7577


計算系ベンチマーク

CPU CF-Benchmark
v1.2
Linpack
v1.2.8
Overall Java Native Multi Single
Qualcomm MSM8260 4793 2251 8607 74.368 46.037
Ti OMAP 4430 5091 2633 8780 72.111 44.711
nVidia Tegra2 5122 2542 8992 56.316 30.113
SAMSUNG Exynos 4210 7035 3551 12261 80.165 51.749
NuFront NS115 7823 3612 14140 77.871 47.363
AMLogic AML8726-M 6588 3421 11921 73.221 46.272
Rockchip RK3066 7574 3430 13792 99.216 61.642


グラフィック系ベンチマーク

CPU Vellamo MobileWeb Benchmark
v1.0.6
Glbenchmark
v2.1.4
NenaMark2
v2.2
Egypt Pro
Qualcomm MSM8260 999 20 31 24.6
Ti OMAP 4430 986 26 45 24.7
nVidia Tegra2 990 25 42 20.7
SAMSUNG Exynos 4210 1203 47 65 42.7
NuFront NS115 1335 27 56 58.5
AMLogic AML8726-M 1121 23 51 50.6
Rockchip RK3066 1568 43 74 59.2


Nufront NS115搭載のAndroidタブレット登場

1年ちょっと前に「NuSmart 2816」という記事で、NuFront(新岸线)社のARM Cortex-A9ベースでDual coreのNuSmart 2816について紹介をした。
その後、採用製品の話を聞くことはなく、会社も消えたのかなぁ、とか考えていました。

が・・・そんなNuFront社のCPUをつんだ新製品が登場。
Nufront NS115 solution based on A9 dual-core for 7-inch tablet PC

NuFront社の製品ページのURLは去年と同じですが、内容が更新されていました。

現在リリースしているチップは3種類
・NuSmart 2816
 ARM Cortex-A9 Dual-core(40nm)
 CPUクロックは1.6GHz~2.0GHz
 GPUは詳細不明
 SATA IIインタフェース入り
・NuSmart 2816M
 モバイル向けの省電力版
 ARM Cortex-A9 Dual-core(40nm)
 CPUクロックは1.2GHzまで
 GPUは詳細不明
・NS115
 NuSmartの略称なんだろうけど特に明記なし
 ARM Cortex-A9 Dual-core(40nm)
 CPUクロックは1.5GHzまで
 GPUは「Mali-400」とタブレット向けでは一般的なものに

で、改めて調べてみると、NuSmart2816Mチップ搭載のタブレットもちゃんとあることが判明。
NuFrontのページで、記事転載ですが、「双核1.5GHz中国芯 爱可C908平板评测」と紹介されていました。(元は双核1.5GHz中国芯 爱可C908平板评测)

また、「七款市售主流双核ARM处理器横评」という記事も紹介されていました。
「ARM系7大CPU徹底比較」的な記事ですね。

記事の詳細あたりは、次の記事で・・・

MTK MT6577搭載のAndroidスマートフォンがもうすぐ登場!

MTK MT6577搭載のAndroidスマートフォンがもうすぐ登場するようで、etotalk.comにて、3プロダクトのプレオーダーが開始されています。

HuaWei U8832D Shine Dual Sim 4.3″QHD 3G WCDMA Android CPU MT6577 Dual-core 1.0GHz
Lenovo A789 3G WCDMA Dual Sim Android V4.0 ICS CPU MT6577 Dual-Core 1.0GHz WVGA
Ulefone N9770 3G WCDMA Android4.0 CPU MT6577 Dual Core Dual Sim 5.0″

このうち、Huawei U8832Dについては、すでに「$299」との価格が出ており、1か月以内に発売される、とのコメントもついています。 2012/07/11追記「9月より前に発売」とコメントが後退していました。
Lenovo A789については、だいたい$300ぐらいで、7月か8月に発売予定、とのこと。

スペックを見ると、3機種とも液晶サイズが違い、ジャンルがかぶってない、というのは興味深い状態です。
5インチで大容量バッテリー搭載のUlefone N9770の解像度が高いとおもしろいんだけどなぁ、という感じですね。
iPhone 4Sもどき業界への導入は・・・まだしばらくかかるのかな・・・


メーカ 機種名 CPU OS RAM / ROM サイズ 重さ 液晶サイズ 解像度 カメラ 背面 / 全面 バッテリー
Huawei U8832D MT6577 1.0GHz Android 4.0 1GB / 4GB 不明 不明 4.3インチ QHD 540×960 5.0MP / 0.3MP 1930mAh
Lenovo A789 MT6577 1.0GHz Android 4.0 ?GB / 4GB 不明 不明 ?インチ WVGA 480×800 5.0MP / 0.3MP ?mAh
Ulefone N9770 MT6577 1.0GHz Android 4.0 1GB / 4GB 133 x 68.2 x 9.7 mm 123g 5.0インチ ? LG AH-IPS液晶? 5.0MP / 0.3MP 3200mAh

ちなみに、Huawei U8832Dは、4月に「2000mAhの電池を搭載したHUAWEI U8832Dを中国向けに投入へ」でMTK MT6575搭載、と紹介されたやつですが、おそらく実際には「MT6575T搭載」→改名→「MT6577搭載」という感じになったものではないかと想定しています。
7月に入ってからはWi-Fi認証も通過(「HUAWEI Shine U8832DがWi-Fi認証通過」)しているようですし、本当にもうすぐ発売されそうな感じですね。

Media Tekスマートフォンとのつきあい方

台湾のMediaTek (MTK)(台湾表記:聯發科技/中国表記:联发科技)社製のチップセットを使用した低価格スマートフォンが中国圏を中心に増えています。
しかし、検索での来訪をみると、「MT6575」より「MT6573」の方が多かったりするので、スペックの違いがよく分かっていないのかな?と感じるところがあります。
そこで、MediaTekチップまわりのことを、ざらざらっと書いてみます。


MediaTekチップは、Huawei(華為技術)、Lenovo(联想集团)、Foxconn(富士康)といったあたりの低価格帯、特に、「Dual SIM」と呼ばれる携帯電話の契約を管理するSIMチップを同時に2枚使える機能を持つスマートフォンで使用されています。

また、山寨機と呼ばれる怪しげなメーカが製造しているスマートフォンや携帯電話は、大抵、このMTKチップを使用しています。
MediaTekはスマートフォンや携帯電話を少ない部品数で製造できるようにしている、というのに加えて、実際に動かすのに必要なソフトウェア/OSも併せて提供しているため、怪しげなメーカであっても比較的容易に製造できています。
(参考資料:中華Androidスマートフォンの組み立て風景)


Media Tekチップ搭載のスマートフォンとのつきあい方
製造側としてみると、いいところがあるMedia Tekチップですが、端末を使う側としては、いくつか問題があります。

・製造メーカをどれだけ信用するか?
 MediaTekはサポートしない、製造メーカでの対応となるが
 致命的な不具合がでたとしても、逃げるところもあるので注意

・OSのアップデートは期待できない
 基本的にOSのアップデートは期待しない方が良い。
 Lenovo/Huaweiは、そこそこ提供しているようですが、山寨機モノは特に・・・
 ある程度ユーザ数が多いモノは、どういう経路か分かりませんがアップデートがあることも
 
 
・いろんなメーカから同じモノが出る
 いろんなメーカから同じ外見でも違う名称のモノが出る
 山寨機モノは、どこがオリジナルでどこがぱくりなのかを突き止めるのが困難。
 製造を委託した工場が出荷チェックではねられたものを売る場合もあったりする。

・謳ってるスペックと実際が違う(CPU クロック編)
 CPUクロックが違うことが多い。
 中華系CPUクロック表記では良く、そのチップが内蔵しているGPUのクロック分を
 加算してCPUのクロックだと表記することがある。
 「CPU 1.0GHz+GPU 500MHz」→「CPU 1.5GHz」とか
 「CPU 800MHz coreが2つ」→「CPU 1.6GHz」とか
 これは、そういうものなので要注意。
 実機で測定してみる、とか、CPUメーカのスペックシートを確認する、とかして
 自衛する以外に防ぐ手立てがない。

・謳ってるスペックと実際が違う(中身違い編)
 外見は同じでも、なかで使用している基板が異なる、なんてことがある。
 見分ける方法は正直ない。
 iPhone 4Sもどきは特に油断ができない。

・SIM 2枚差しは日本国内では意味が無い
 スペックで「WCDMA/GSM dual SIM」とあるが、日本では意味が無い。
 「WCDMA 回線+GSM 回線」か「GSM 回線+GSM 回線」の組み合わせで使用できる。
 「WCDMA 回線+WCDMA 回線」という3Gの2回線同時待受ができる機種はMTKチップ系では2012/07現在存在しない。
 (なお、Qualcommチップでなら1例だけCoolpad W770がある。)

・ドコモMNVO系のうちデータ通信のみのSIMでは通信できない場合がほとんど
 MediaTekから提供されるAndroidが、SMS機能が有効になっているSIMでないと、3Gデータ通信が
 行えない、という仕様となっています。
 このため標準状態では、IIJmioなどのデータ通信のみのSIMでは3G通信が行えません。
 Androidのframework.jarを書き換えて誤認させる対策を行うことでなんとかなります。
 ブローヴちゃん「Android + b-mobile データ専用 SIM で電界強度を表示する」の対策のうち、MotorolaとXperiaの対策含めて実施するとなんとかなります。




MediaTekチップの種類
MediaTekは、いろいろなチップを作っています。
ここで紹介するのはCPU/GPUが一体型となっている携帯電話/スマートフォン向けに製造されているチップです。

MT6516
 ARM9 460MHz, GSM, Android 2.2
 2012年7月現在、これを積んで売ってるやつはほとんどないが、
 DVB-Tデコーダを積んでいるのでデジタル放送を受信できる携帯で見ることがある。
 GSMのみ対応のため日本国内では携帯電話としては使えない

・MT6513
 ARMv11 650MHz, GSM, Android 2.2/2.3
 MT6516より上位, これのWCDMA対応版が下のMT6573になる。
 2012年7月現在、これを積んで売ってるやつはほとんどない。
 GSMのみ対応のため日本国内では携帯電話としては使えない

MT6573
 ARM11 650MHz, WCDMA/GSM dual SIM, Android 2.2/2.3
 2012年7月現在、これを使ってる新製品が発売されているので注意が必要。
 また、Android 2.3までの対応、という話だったはずなんだけど、
 Android 4.0/ICSを搭載している、と称する製品が散見される。
 Qualcommチップの600MHzと比べると遅い、と言われる。
 日本語環境で使うには荷が若干重い。

MT6575
 ARM Coretex-A9 1GHz, WCDMA/GSM dual SIM, Android 2.3/4.0
 GPU PowerVR SGX Series 5
 2011年登場で、2012年7月現在の主力チップ。
 これを採用している機種はWVGA以上の画面を持つモノが多い。
 製品紹介→MTK MT6575チップのAndroid携帯のQHD / WVGA機種

MT6577
 ARM Coretex-A9 1GHz dual core, WCDMA/GSM dual SIM, Android 2.3/4.0
 GPU PowerVR SGX Series 5
 元々はMT6575Tという名称だったことから分かるように、基本的にはMT6575のデュアルコアモデル。
 QualcommのSnapdragon S4の廉価モデル S4 Play/MSM8225対抗チップ。
  MSM8225製品の例→Snapdragon S4/MSM8225搭載の中華スマートフォン Chili
 2012年Q3にMT6577チップ搭載の製品が出てくる予定。

ちなみに、MTKの旧来型携帯電話向けチップのMT6236は、GSM専用のみながら、SIM 4枚差し、なんて機能までサポートしていたりします。


この記事は以前作成した「MediaTek チップについてのメモ書き」の更新版みたいなものです。

Snapdragon S4/MSM8225搭載の中華スマートフォン Chili

Snapdragon S4ファミリーの廉価モデルMSM8225(CPU 1GHz dual+GPU Adreno203)搭載の中華スマートフォンなるものが登場するらしい。

MTK MT6575系の中華スマートフォンを販売しているetotalk.comで予約開始、7月中旬入荷予定とのこと。

etotalk.com:

Chili 3G WCDMA Android 4.0 ICS 4.0″IPS-LCD WVGA Qualcomm 8225 Dual Core 1.0G Hz
USD144.99
fastcardtech:

機種名: Chili
CPU: Qualcomm Snapdragan S4 MSM8225 Dual Core 1.0 GHz Cortex-A5
GPU: Adreno203
OS: Android 4.0
RAM: 512MB
ROM: 512MB(こっちは信憑性が微妙)
サイズ: 124.5 x 64 x 11mm
重さ: 136g
液晶: 4.0インチ WVGA 480×800
Dual SIM(3G 2枚はおそらく不可)
カメラ: 前面30万画素、背面500万画素
バッテリー: 1500mAh

ちなみに、QualcommのSnapdragonのページ(日本語版)を見ると、「S4 Play」の欄に「MSM8225」があるが、そのGPU欄には「Adreno 230 GPU」とある。
しかし、Snapdragon Detailed Specificationsの2ページ目に「Adreno 203」と明記されているので、どうやらWebの方の誤植っぽい。

Blog of Mobile!!~最新ケータイ情報~「Snapdragon S4 MSM8225搭載のHUAWEI U8825Dがベンチマークに登場」 で紹介されているHuawei U8825Dと中身は同じ品だったりして・・・