+メッセージで使われるRCSと旧来のSMS/MMSの使い分け

NTTドコモ, au, ソフトバンクが共通で画像添付のメッセージをやりとりできるサービスを+メッセージとして開始する、というリリースが出た。

これは、GSMAという団体が定義しているRich Communication Services(RCS)という仕様に基づいたもので、すでにAndroidはGoogleが使えるソフト(メッセージ)を出しているし、iOSもiMessageが対応しているにもかかわらず、別のソフトで対応する方針らしい。

なんでだろう?と調べて見ると、日本ならではの事情らしきものが見えた。

まず、携帯電話同士のメッセージのやりとりには、短い文章のみを送れるSMSと、画像などを添付して送れるMMSの2種類がある。
これらはパケット課金ではなく、1通いくら、という形でやりとりされている。
日本では、SMSは3社とも対応しているが、MMSは一部しか対応していない。

RCSの仕様書を読んでいくと、おもしろいことが分かった。
それは、「メッセージの送信者と受信者の状況」と「オフライン受信の可否」と「ファイルを添付するか否か」によって、SMS,RCS,MMSを自動選択する、という仕組みがある、ということである。

joyn Crane Product Definition Document Version 3.0
(この記事は上記のRCS実装の1つであるjoynを元に書いていたが、その後、RCS Universal Profileに関するドキュメントも公開された→「RCS Universal Profile Service Definition Document Version 2.2」若干記述が変わっているところがあるものの概ね同じです)

なお、pdfは「RCS Documentation」にて[Specifications]→[Universal Profile Service]でダウンロードすることができます。

さて、仕様書からSMS,RCS,MMSの送受信の動作に関して表で説明されている箇所を抜き出して見ると・・・

その1:オフライン受信を許可しない設定時にメッセージのみを送る場合

その2:オフライン受信を許可する設定時にメッセージのみを送る場合

その3:オフライン受信を許可しない設定時にファイル添付でメッセージを送る場合

その4:オフライン受信を許可する設定時にファイル添付でメッセージを送る場合

ちょっとした条件の違いで何を使うかが変わっている。

これを日本でそのまま使ってしまうと、パケット課金のRCSで送ろうと思ったけど、実はSMSやMMSで送られちゃいました、ということが起こりえる。
そうすると1通当たりの課金になってしまうため、たくさんメッセージを送るとすごいことになってしまう。

こういった課金事故を減らすために必ずRCSでメッセージを送信するような仕組みにしたソフトを使わせようとしているのではないか?

という印象を受けた

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