タッチパネル一体型業務向けPC MSI-R104I8BD1を入手したのでWindows/Ubuntu/ChromeOSで起動してみた


sueboさんがうっかり落札してしまった14台のタッチパネル一体型PCを2台譲ってもらった。

現状は全台はけた、ということですが、この機種およびマザーボードについてぐぐっても情報がほとんど出てこないので、ここにメモとして残しておきます。

目次
 スペックについて
 中をあける方法
 USBメモリからの起動について
 Windows 10の起動状況
 Ubuntu 20.04の起動状況
 ChromeOSの起動状況
 BIOSアップデートについて

スペックについて

マザーボードはMSI MS-98I8 で、この一体型PCは下記の様なスペックになっている。

Celeron N3160
DDR3x1 / Mini-PCIex1 / mSATAx1 / SATAx1 / DPx1 / HDMIx1 / GbEx2
10インチ SVGA(800×600)+タッチパネル
Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB ライセンスシール
メモリ/ディスクは搭載なしだが、CF/SATA変換ボードと2.5インチHDD接続用ケーブルが残存
電源は12V単一。一般的なコネクタではなく電線を直接入力するタイプ
ただ、マザーボード自体の仕様としては9V~36Vと書いてある

中をあける方法

抜けたりするのを防ぐため中のケーブルのコネクタ部分が固められています。

とりあえず中身を確認するためには、下記のような感じで開けてみてから、その次をどうしていくかを考えた方がいいと思います。

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このような感じであけるには以下の赤い丸印のネジを外します。

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中をあけたらメモリとディスクなどをいれて単体で動作できるようにしましょう。

USBメモリからの起動について

BIOSメニューからUSBメモリを選んでもなんか普通のマザーボードと同様にUSBメモリからの起動になりません。(後述のWindows, Ubuntu, ChromeOSで同じ)

起動順序を「UEFI: Built-IN EFI Shell」を一番最初にして起動します。

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EFI Shellが起動してくるので、何かキーを押してEFI Shellプロンプトで止めます。

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今回はUSBメモリが「fs1」で認識されていたので「fs1:」でドライブを移動したあと、

「efi\boot\bootx64.efi」を実行するとUSBメモリからの起動が開始されます。

下記の写真では「cd efi」「cd boot」でディレクトリ移動してから「bootx64.efi」を実行しています。

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なお、このEFI Shellはタブキー補完が効くのでefiを指定する際に「e」を入力したあとにタブキーを押すと「efi」と変換されます。

また、fs1:で移動した後にそこにどんなディレクトリ/ファイルがあるかを確認するには「ls」を実行することで確認出来ます。

なお、USBメモリに startup.nsh というファイルを置いて、「.\efi\boot\bootx64.efi」とかかいておけば自動起動されるんじゃないかなぁとは思います。

参考:拡張ファームウェアインターフェイス (EFI) インテル®の基本手順サーバーボード

Windows 10の起動状況

Windows 10 IOT ENT 2016 LTSBのプロダクトキーがついていますが、このプロダクトキーが通るのは、「Windows 10 IOT ENT 2016 LTSBメディア」か「Windows 10 ENT 2016 LTSB」だけのようです。「Windows 10 Enterpriseメディア」や「Windows 10 Enterprise 2019 LTSCメディア」では通りませんでした。

「Windows 10 IOT ENT 2016 LTSBメディア」を含めて2016年頃のWindows 10メディアだとデバイスが2個△マークとなりますが、タッチパネル/イーサネット含めて動作しています。

2017年以降のWindows 10 メディアを使ったり、Windows Updateを実行すると、全デバイスが正常に認識されますので、問題はありません。

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なお、Windows 10 IOT ENT 2016 LTSBのプロダクトキーを入力してライセンス認証を行った場合、「Windows 10 Enterprise 2016 LTSB」として認識されています。

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なお、Windows 10 Enterprise 2016 LTSBのライフサイクル ポリシーはメインストリームが2021/10/12、延長が2026/10/13となっています。

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Ubuntu 20.04の起動状況

普通にインストールすると、タッチパネル用のドライバが認識されているもののX-Window上でタッチパネル動作を認識できていません。

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この問題についてはxserver-xorg-input-evdevをインストールして、xserver-xorg-input-libinputを削除して対応できました。(xinput-calibratorはタッチパネルの位置調整用コマンドxinput_calibratorをインストールするために追加している)

$ sudo apt install xserver-xorg-input-evdev xinput-calibrator
$ sudo apt remove xserver-xorg-input-libinput

これを行った後、再起動するとタッチパネルが動作するようになっていると思います。

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Ubuntuのオンスクリーンキーボードは、「設定」の「アクセスビリティ」から設定できますが、最初のログイン画面では動いていないようです。

とりあえず、自動ログインさせてログイン画面をスキップする設定をGUIで行おうとしたところ画面が表示できていない・・・

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このため設定ファイル /etc/gdm3/custom.conf を直接編集し、下記の設定を行いました。

[daemon]
AutomaticLoginEnable=yes
AutomaticLogin =ユーザ名

ChromeOSの起動状況

純正ChromeOSのリカバリイメージを元に汎用ChromeOS起動ディスクを作成するbrunchを使ってUSBメモリを作成して起動したもの。

rammus用リカバリイメージを元に作成してあるUSBメモリがあったので起動してみたところ、標準状態でそのままタッチパネルもLineOUTからのオーディオ出力も普通に使える状態で起動してきました。

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ただ、Chrome OSは、800×600解像度で使うものではない感じですね・・・


BIOSアップデートについて

マザーボードの製品ページを開いて少しスクロールすると上側に「Download」リンクが現れ、そこにBIOSアップデートが提供されており、Version 170と書いてある。

ZIPファイルをダウンロードするとバージョンアップ履歴のテキストファイルがあり、Version 170とは、E98I8IMS V1.7ということのようだ

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届いたものを確認すると E98I8IMS V1.6となっているので、少し古いバージョンということになっている。

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BIOSアップデータはEFIで実行する形式なので、EFI Shellから実行する必要があります。

EFI ShellではFAT32領域しか見れず、NTFSやLinux ext4領域などは使えない、という制約があるので、FAT32でフォーマットしたUSBメモリにBIOSアップデート関連ファイルを展開して使用します。

USBメモリをさして、EFI Shellに入ってから下記のように入力してアップデートを実施します

Shell> fs1:
fs1:\> cd E98I8IMS170
fs1:\> EFUx64.EFI E98I8IMS.170
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アップデートが終わったら再起動します。

バージョンを確認するとV1.7に変わったことが確認できます。

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楽天モバイルの無料サポータープログラムをWindowsタブレットDELL Venue 10 Pro 5055で使って見た


楽天モバイルの無料サポータープログラムのSIMをmicroSIMスロットがついているDELL Venue 10 Pro 5055にさしてみた。

SIMをさしてみると「Rakuten」と認識はしているものの通信が出来る状態にならない。

自宅だとバンド3の入りが悪いので安定してバンド3で受信できる環境で試してみると、アンテナピクトが増減しているので受信できているものの通信はできない。

DELL Venue 10 Proで使用されている通信カードは Dell wireless 5810e で、現状のfirmwareは FIH7160_V1.2_WW_01.1528.31 だった。

新しいバージョンってあるのか?と探してみたところ「Dell Wireless 5810e LTE Mobile Broadband Driver」に「汎用ファームウェアv1616.01」という記載が・・・

そういえば、Windows10をインストールした際にWindows標準ドライバで認識したのでこれをインストールしてなかったな、ということでインストール。

インストール後に再起動し、初回ログインをすると、firmwareアップデートが実行されました。

その結果、firmwareは「FIH7160_V1.2_WW_01.1616.01」になり、アンテナ認識は「Rakuten(LTE)」表記に変化。

APN設定は、以下でOKでした。

APN名:rakuten.jp
ユーザ名/パスワード:空欄
サインイン情報:なし
IPの種類:既定

なお、動作状況からみると Dell wireless 5810e はバンド18には非対応である模様

FIH7160で検索すると「インテル® XMM™ 7160 スリムモデム」が出てくる。どうやらこれを利用しているようだが、対応バンドとしては「15-band LTE, 8-band HSPA, 4-band EDGE, MSC33」としか記載されていないので実際にどこで使えるのかが分からない。

Echo show 5を買ったらAmazonの配送予定がダダ漏れになった


プライムセールでAmazon Echo show 5が安かったので買ってみた。

0時過ぎに発注したら11時過ぎに到着。

セットアップを開始してみてびっくり。

WiFiの設定してないのに接続してシステムアップデートの取得が始まった。

家にはEcho dotがあり、それ用の設定がAmazon側に保存されており、Echo show 5の出荷時にWiFi設定までが組み込まれていたようです。

びっくりです。

で・・・起動して、めんくらったのはこの表示

これ、Echo show 5の出荷についての通知なのですが、確認したけどその消し方が分からないという・・・

そして、そもそもこれが表示されてしまうと、Amazonで買ったことが筒抜けになってしまう・・・

設定を探したところ「 通知:スキルなどのAlexaサービスからのアラート 」をオフにすることでようやく消えました。

が・・・これをオフにしてしまうと、全てのスキルからのお知らせが表示されなくなるため、とても寂しい画面が・・・

これが延々と繰り返しになっています。

もうちょっとカスタマイズできるようにならないかなぁ・・・

……

AndroidのAlexaアプリの 「設定」-「通知」-「Amazonでお買い物」 で配送に関する通知をオフにすることができました。

DELL Venue 10 Pro 5055にUbuntu 17.10をインストールした



ワコムのAESペンを採用しているDELL Venue 10 Pro 5055にUbuntu 17.10をインストールしてみました。

1. 回転機能が働くので床に水平置きしてインストール実施
回転機能が働くものの向きが90度違うので、立てて置くとちゃんと使えません。
とりあえず、水平置きしておけば問題ないです。
インストール完了後は、GUI上にあるRotateアイコンをクリックして、回転禁止設定に変えましょう。

2. USB接続のNICを用意する
オンボードのWiFiは、そのままでは認識しないので、USB接続のNICを用意します。
USBキーボード/マウスをつなぎやすいようにUSBハブ付きのやつを買いました。

USB接続のWiFiは、失敗することが多いそうです。
実際、うちにある古いUSB WiFiを何種類か使ってみましたが、接続状況がいまいちで、インストール時には使えませんでした。

3. Ubuntu 17.10のデフォルトISOでは起動できない
DELL Venue 10 Pro 5055は、32bit UEFI採用のモデルなのですが、Ubuntu 17.10は、BIOSか64bit UEFIにのみ対応しています。
このため標準配布のISOイメージをやいたDVDでは起動できません。

ISOイメージをUSBメモリに書き込むツール(rufusとかLinuxLive USB Creator)を使って、USBメモリに書き込みます。
書き込み後、EFI/BOOTにbootia32.efiを配置します。
linux-asus-t100ta」にある「https://github.com/jfwells/linux-asus-t100ta/raw/master/boot/bootia32.efi」を使いました。

4. Ubuntu 17.10のインストールはLive モードで起動したあとの画面から行う
Ubuntu 17.10のデフォルトISOには、32bit UEFI採用モデルで起動する際に必要なパッケージ grub-efi-ia32が含まれていません。
このため、インストール中にネットワーク接続できる環境を用意する必要があります。

ネットワークがきちんと接続されていることを確認するために、Liveモードで起動します。
Firefoxが入っているので、起動してWebが開けるかを確認します。

5. インストール操作は普通に行う
インストール操作自体は普通のUbuntu 17.10インストールと同じです。
Windows10とのデュアルブートも可能でした。
エラーがでる場合は、おそらくネットワーク接続が不安定で、grub-efi-ia32パッケージがダウンロードできなかったことにより発生しています。

6. インストール後、brcmfmac43241b4-sdio.txtを配置すると内蔵WiFiが使える
DELL Venue 10 Pro 5055の内蔵WiFiは、内部的にはSDIO接続であるようです。
先ほども使用した「linux-asus-t100ta」から「https://github.com/jfwells/linux-asus-t100ta/raw/master/nvram/lib/firmware/brcm/brcmfmac43241b4-sdio.txtをダウンロードして、/lib/firmware/brcm/brcmfmac43241b4-sdio.txtに配置します。
配置後、再起動すれば認識しています。


さて、ワコムのBamboo Inkを買っているので、ペンタブとしてどの程度動くのか確認

「設定」-「デバイス」-「ワコムタブレット」を開くと「スタイラスペンが見つかりません」という表示。
「設定を確認する」をクリックすると開く、ペンの動作確認をしてみると、ちゃんと筆圧動作はしていました。
しかし、ペンを動かすと追従がちょっとイマイチ・・・
丸く描いているのにカクカクで認識されてしまいます。
「xsetwacom –list」で認識されているワコムタブを確認してみたのですが、表示されません。
wacomドライバは読み込んでるようなんですけどね。

# xsetwacom --list
# lsmod|grep wa
wacom                 102400  0
hid                   118784  4 i2c_hid,hid_generic,usbhid,wacom
#

とりあえず下記を参考にしつつ調査中です
Linux Mint sarah (ubuntu16.04)ワコム ペンタブレット Intuos Draw 使ってみた&設定
Xsetwacomの解説
ArchLinux Wacomタブレット

DELL Venue 10 Pro 5055と5056でBamboo Inkを使ってみた


5千円で入手したDELL Venue 10 Pro 5055。 OS無し、付属品無しの、本体単体で届きました。

(2017/12/22 追加でDELL Venue 10 Pro 5056も買いました。両方ともタブレット周りの動作は一緒でした)

そんなわけで、ペンを使うには何かペンを買う必要があります。

ワコム アクティブ静電結合方式(AES)に対応したペンで入手しやすいものというと、ワコムの「Bamboo Smart for select tablets and 2-in-1 convertible devices CS320AK」と「Bamboo Ink CS321AK」があります。

Bamboo Inkの方が高いですが、N-Trig製タブレットでも使えるという利点もありますので、Bamboo Inkを買ってみました。

DELL Venue 10 Pro 5055のWindows10 32bit環境で試したところ、標準ドライバーの状態でも、Tablet APIを使用する範囲では筆圧動作を含めて正常に使用できました。

Tablet APIで試したものは以下のソフトです。

・SAI ver 2
・CLIP STUDIO
・8bitpaint

SAI ver 1については、標準ドライバー状態では筆圧を感知しませんでした。

また、マイクロソフトが出しているTablet APIのみでもWinTab APIを使える様にしてくれるソフトウェア(Surface Pro 3用ドライバ群の中にある
Wintab_x32_1.0.0.20.zip,Wintab_x64_1.0.0.20.zip)をインストールした場合でも、動作しませんでした。

ワコムUSで提供されている「Enhanced Tablet Driver version 7.3.4-47 for Tablets, Windows devices and Bamboo Ink.」(ISD_DualTouch_7.3.4-47.exe)をインストールすることで、SAI ver 1でも筆圧動作が正常に使用できました。
(Wintab_x32_1.0.0.20.zipをインストールする必要はありませんでした)

これまでいろいろタブレットで実験してみた結果、SAI ver 1が動けばWinTab APIで動くソフトも大丈夫だったので、特に大きな問題は出ないかと思います。

なお、DELL Venue 10 Pro 5056を買う時に、セットで DELL純正ペンであるデル製アクティブペン 750-AANM (Dell Active PenPN556W)も買ってみました。

ただ、このペン、単6(AAAAバッテリ)を1個だけはなく、入手至難なボタン電池(319型/SR527SW)を2個使う上に、バッテリーの持ち時間があまり良くないということが分かりました。

電池の交換費用を考えるとBamboo Inkを買った方が安くつきますね。

なお、DELL純正ペン 750-AANMの互換性リストには「Venue 10 Pro 5055」が掲載されていませんでしたが、問題なく使用できています。