nestという空調管理システムというものがあるらしい。
iPadのデザイナーが関わっているらしくAppleでも取り扱いがあるそうな。
その第2世代の製品が登場とのリリースが出た。
「The next generation Nest thermostat.」
(「72」というのは華氏表示の温度で、日本で一般的な摂氏に変換すると「22度」となる)
ハードウェアは2世代目、ソフトウェアはバージョン3.0となるそうな。
で・・・気になる写真が・・・
取り付けのようすらしきこの写真。
壁からエアコンのコントロールを引き出しているような感じである。
そして、Y1, Y2, G, O/B, RC, W1, W2, AUX, C, * のコネクタに配線を行っている。
詳細を調べてみた・・・
まず、各配線の名称とその意味について解説されている「Thermostat signals and wiring」を見つつ、nest 導入ガイドを読んでみた。
結果、これは、時代遅れなアメリカならではのものだな!ということが分かった。
これが想定しているのは・・・
こういう回路図で構成されている、非常に単純な空調設備で、機能としては・・・
・「暖気/冷気/停止」の切り替えボタンがある
・換気扇の「on/off」の切り替えボタンがある
・設定温度になったら暖気/冷気が止まる
・設定温度の調整はダイアルでかりかりかりっと回して、その温度近辺になったら自動的にスイッチが切れる、程度
というシロモノで、暖気冷気の細かな強弱という概念は無く、常にフルパワーな仕組みです。
ものによってはHigh/Low程度の風の強弱切り替えはあるようですが、設定温度に合わせての強弱、というものではないようです。
そんな低機能な空調しかない世界に、きめ細やかな温度調整が可能だ!と参入しているわけなので、そりゃぁ、アメリカでは絶賛されるわな・・・
正味、nestは、日本で普通に売ってるエアコン以上の能力があるようには見受けられない。
ましてや、ダイキンのエアコンには、まだ劣ってる感。
nestが勝っているポイントは、日本では法的に不可能なスマフォ連携ぐらいか?
まぁ、既存空調を活かしたまま$224(2万円ちょい)の投資で、まともな空調が手に入る、というのは、あちらの世界にとっては革新的なんでしょうね。
というわけで・・・日本でコレを輸入してまで買おうとするやつは馬鹿。
そもそも輸入したところで、日本でコレが使えるような空調があるところなんて、ないですよね。
2014/08/13 おまけ
nest!を絶賛し、日本のエアコンをガラパゴスだ、とか批判してるアホがいて面白かった。
nest!が使えるタイプの空調設備の欠点をご存じないらしい。
・使ってる人がいなくても、中央のボイラーは常に稼働し続け、暖かい風を生産し続ける
つまり、その建物内に人が1人しかいなくても、100人いても、暖房を稼働させたければ、常に同じだけの燃料を使いボイラーを稼働させる必要があるのです。
そして、せっかく生産した熱は、配管を使ってボイラーから各部屋に温風として送られるのですが、当然、配管を通る間に冷えていくという仕組みです。(断熱材があるとはいえ、冷えていきます)
非常にエネルギー効率が悪いわけです。
それに対して、日本の個別エアコンは、使いたい箇所でだけ使え、そして配管は短くすむので無駄が少ない。
どちらかといえば、「日本がガラパゴス」というよりは、「アメリカが恐竜体質」というべきかと。
えぇ、巨体であるがために、環境に適合できず滅びていく、という意味でのね。