Rstream A1は他のCommtiva z71類似機種と比べるとカメラとボタン周りがハードウェア的に異なっている、という問題がありました。
それに対して、前回「Rstream A1をCM7.1にしてカメラとか使う手法 2012/01/03版」で紹介したようにat_not_foundさんによりkernel 2.6.35.13をベースにカメラ等を使える手法が開発されました。
しかし、一部ボタンの動作が怪しいという点や、充電中や重たいアプリ/ゲームなどを使っているとタッチパネルが誤動作したりと、いくつか問題が発生していました。
このうち、「充電中や重たいアプリ/ゲームなどを使っているとタッチパネルが誤動作」というあたりは、他の類似機種でもkernel 2.6.35.13をベースにしている場合に発生しているようです。
その場合の解決方法としては、安定しているkernel 2.6.32.9に差し替えてくれ、というものが提示されていました。
(注:kernel 2.6.35.13で再起動などの不具合が頻発している、というわけではなく、kernel 2.6.32.9より不具合が発生しやすい、という感じです)
そのため、安定しているというkernel 2.6.32.9のカーネルソースを探していたわけですが、この度、CM7 EA作者のEdger86さんが、自身のCM7 EA kernelの2.6.32.9の公開に応じてくれました。
これにより、Rstream A1対応版の開発ができるようになりました。
at_not_foundさんにより、Rstream A1対応版のboot.imgファイルなどが作成されましたので、それを使用したアップデート手順を以下に案内します。
以下に手順をMUCHTEL A1純正Android 2.2.2にアップデートするところから手順を書いていきます。
すでにCyanogenMod7が適用されている場合は、手順8から行ってください。
手順1
とりあえず、MUCHTEL A1純正Android 2.2にあげる。
いまのところ、どんな状態になっても、電源を切って、「ボリュームUP」+「ボリュームDOWN」を押しながら電源を入れて入るFTMモードになり、その状態でMUCHTEL版SUT1.7.4を実行すれば、かならずAndroid 2.2.2になることは確認している。
詳しい手法はRstream A1にMUCHTEL A1純正 Android 2.2を書き込むを参照のこと。
手順2
上記のAndroid 2.2が起動している状態でCM7の.nb0形式のfirmwareを書き込む。
今回使ったのはBoston Maniaの[Rom 2.3.4] CyanogenMod 7 EA v1 (nb0) である。
([Rom 2.3.4] CyanogenMod 7 EA v3 (nb0) でも確認したが、電源オンロゴがBostonになる)
なお、書き込み後は、以下の状態となる。
CyanogenMod 7 EA v1の場合
モデル番号: Z71
Androidバージョン: 2.3.4
ベースバンドバージョン: MP1_850
カーネルバージョン: 2.6.32.9-SuperAosp root@CML#1
Modバージョン: CyanogenMod-7_EAv1
ビルド番号: GRJ22
ClockworkMod Recovery v2.5.1.3
電源投入直後のロゴが「Android」
CyanogenMod 7 EA v3の場合
モデル番号: Boston
Androidバージョン: 2.3.4
ベースバンドバージョン: MP1_850
カーネルバージョン: 2.6.32.9-SuperAosp root@CML#1
Modバージョン: CyanogenMod-7_EAv3
ビルド番号: GRJ22
ClockworkMod Recovery v4.0.0.5
電源投入直後のロゴが「Bonston」
また、どちらも「フロントパネルのボタン動作がいままでと違う割り当てになる」「カメラが動かない」という問題は発生する。
書き込みには、SUT 1.7.0をパソコンにインストールし、CM7の.nb0タイプのfirmwareを書き込む、という手法を使う。
標準のRecoveryにある「Download nb0 from sdcard」では、上記にあげたnb0ファイルは正当なものとして認識してくれなかった。
また、MUCHTEL版のSUT 1.7.4は、FTMモードで書き換えを行うが、SUT1.7.0では、Android OSが起動している状態でないと、ツールが認識してくれなかった。
このため、正常に起動しない状況に陥っている場合は、必ずMUCHTEL A1版に戻す必要がある。
手順3
ROM Managerの動作要件を満たすため、ネットワークにつながる設定(ClockworkMod recoveryとかをダウンロードする)、と、Android Marketの設定(ROM Managerを最新版にして、CM7.1のzipファイルダウンロードを可能とするため)を行う。
後者のAndroid Marketの設定はCM7.1のzipファイルを別途ダウンロードしてくるのであれば、不要。
(2012/01/15の段階では、ここでAndroid Marketの設定を行ってしまうと、正常動作をしない、という事例が確認されています)
手順4
ROM Managerを起動する。
手順5
ROM Managerから、「ClockworkMod Recoveryを導入」を実行。
機種はCommtiva Z71を選択する。
手順6
「ROMをダウンロード」を選択し、
Freeのくくりにある「CyanogenMod」を選択し、「CyanogenMod 7.1.0」を選択して、ダウンロード。
「ROM Pre-Installation(ROMインストール前処理)」では「Wipe Dalvik Cache」のみ選択。
ダウンロードできない場合はCyanogenMod公式のz71用stableページから「update-cm-7.1.0-Z71-signed.zip」をダウンロードし、SDカード内に保存してください。
なお、CyanogenMod 7.1.0ではなく、CyanogenMod 7.1.0を元にさらにカスタマイズを施してある[Rom 2.3.7] CyanogenMod 7 EA v7.2 (zip) でも良い。(個人的にはこっちのカスタマイズ具合の方が好みですが、手順9以降のROM Manager操作が動作しません。その場合、手順Aを行ってください。)
こちらを行う場合はROM Managerで「SDカードからROMをインストール」を選択し、SDCARDにコピーした上記のzipファイルを指定する。
手順7
再起動し、Recoveryモードで自動実行される。
完了すると、再起動する。
起動が完了すると以下の表記でブートしているはず。
モデル番号: Z71
Androidバージョン: 2.3.7
ベースバンドバージョン: MP1_850
カーネルバージョン: 2.6.35.13-Cyanogenmod rmcc@glskard #1
Modバージョン: CyanogenMod-7.1.0-Z71
ビルド番号: GWK74
ClockworkMod Recovery v2.5.1.3
電源投入直後のロゴは、先ほどの状態がそのまま維持される。
CyanogenMod 7 EA v7.2の場合は以下となる。
モデル番号: Boston
Androidバージョン: 2.3.7
ベースバンドバージョン: MP1_850
カーネルバージョン: 2.6.32.9-EA edgar@ubuntu #37
Modバージョン: CM7.1_EAv7.2
ビルド番号: GWK74
ClockworkMod Recovery v4.0.0.8
「フロントパネルのボタン動作がいままでと違う割り当てになる」「カメラが動かない」という問題は直っていない状態。
手順8
CM7.1をMUCHTEL A1用に修正するファイルをSDカードにコピーする。
これに含まれる修正は以下です。
・MUCHTEL A1向け修正kernel
・MUCHTEL A1向け修正libcamera
・CM7 オリジナルのqwerty.klファイル
・日本語フォント(モトヤ)
修正ファイル:update.zip形式のkernel修正+カメラ修正+qwerty.klファイル+日本語フォントをダウンロードする。
修正ファイル(kernel 2.6.32.9タイプ): muchtela1-cm7-custom-afnf2.6.32.9-4.zip
修正ファイル(kernel 2.6.32.9タイプ): muchtela1-cm7-custom-afnf2.6.32.9-9.zip ← 推奨
修正ファイル(kernel 2.6.35.13タイプ):
・「Kernel_2.6.35.13-rstream.zip」 ← あまりお薦めしない。ちょっと不安定。テザリング主体の人向け。
修正ファイル(kernel 2.6.35.9タイプ)のファイル群。3ファイル必要
・「muchtela1-afnf2.6.32.9-15-libnetutils.zip」(/system/lib/libnetutils.soを置き換え)
・「muchtela1-afnf2.6.32.9-23-kernel.zip」(/system/lib/libcamera.soと/system/lib/liboemcamera.soを置き換え)
・「updatezip-afnf2.6.32.9-32_signed.zip」(kernelを置き換え)
注1: kernel 2.6.35.9を使う人は、「muchtela1-afnf2.6.32.9-15-libnetutils.zip」→「muchtela1-afnf2.6.32.9-23-kernel.zip」→「updatezip-afnf2.6.32.9-32_signed.zip」の3ファイルをダウンロードし、この順序で、手順9~12(もしくは手順A)を実施してください。
注2: kernel 2.6.35.13を使う人は「muchtela1-afnf2.6.32.9-15-libnetutils.zip」→「muchtela1-afnf2.6.32.9-23-kernel.zip」→「Kernel_2.6.35.13-rstream.zip」の3ファイルをダウンロードし、手順9~12(もしくは手順A)を実施してください。
手順9
手順8でダウンロードしたzipファイルを、/sdcard/にコピーする。
手順10
ROM Managerを起動する。
なお、RecoveryのバージョンがClockworkMod Recovery 2.5.1.3以外である場合、この後の手順が正常動作しません。
手順5と同様に「ClockworkMod Recoveryを導入」から機種は「Commtiva Z71」を選択し、ClockworkMod Recoveryを2.5.1.3にしてから以下の手順を行ってください。
もしくは、手順10~12の代わりに手順Aを行ってください。
手順11
「SDカードからROMをインストール」を選択し、先ほどコピーしたzipファイルを指定する。
「ROM Pre-Installation(ROMインストール前処理)」では「Wipe Dalvik Cache」のみ選択。
手順12
再起動し、Recoveryモードで自動実行される。
完了すると、再起動する。
作業完了後は「カーネルバージョン: 2.6.32.9-EA-rstream-a1 afnf@ubuntu #4」もしくは「カーネルバージョン: 2.6.35.13-osakana osakanataro@blog #3」になる。
(それ以外の情報は、手順7終了時と同じとなる)
手順A
ClockworkMod Recoveryを直接操作して、アップデートzipを適用します。
1. 電源をオフします。
2. 「ボリュームUP」と「シャッターボタン」を押しながら電源を入れ、Recoveryモードに入ります。
3. 「ボリュームUP」をうまく押して「install zip from sdcard」に合わせます。(ボタンを1回押すと2つ進むが、押しっぱなしにすると1つしか進まない)
4. 「シャッターボタン」を押します
5. 「choose zip from sdcard」が選択されていることを確認し、「シャッターボタン」を押します
6. 「ボリュームUP」か「ボリュームDOWN」をうまく操作し、先ほど転送したzipファイルに合わせます。。(ボタンを1回押すと2つ進むが、押しっぱなしにすると1つしか進まない)
7. 「シャッターボタン」を押します
8. 適用が開始されるので、終わるのを待ちます。終わると、再度「choose zip from sdcard」のところになります。
9. 何回かボリュームUPを押していると「Back menu button enabled.」という表示が出ます。
10. でたら、何か当たりさわりがないところを選び「シャッターボタン」を押します。
11. そうすると、「+++++Go Back+++++」という項目が増えるので、そこにカーソルを合わせ、
最初のメインメニューに戻り、「reboot system now」を選びます
12. 終了
— 以下、資料用 —
【謎端末】Rstream A1【SIMフリー】の247より
247 ◆afnf4199GA sage 2012/01/09(月) 14:04:18.53 ID:+t990E+5
いろいろ進展があったので報告。
EAメンテナのedgar86さんに2.6.32.9-EAのソースを公開してもらったので、
RstreamA1のカメラ修正を適用してビルドした。
http://www.mediafire.com/?21fta5065gf1nja
インストール手順などはreadme.txt参照。
カメラ、wifiはOK。3G未テスト。試してないけど、OCも細かくできる模様。
また3ボタン向けの修正箇所が見つかったので、以前必要だった
qwerty.klの書き換えは必要なくなった。検索キーも正しく動作してる。
CM7.1 EAv7.2でしか動作確認してないけど、オリジナルのCM7.1でも動作すると思う。
何の保障もないが、転んでも泣かない人は試して欲しい。