8コアMT6592を含めた最近のMediaTekチップについてのまとめ

8コアのMediaTekチップが出る、という話がニュースサイトで掲載されています。
ネタ元はMTK手机网の「真八核MT6592将至 或于今年11月份推出」です。

関連する話としては、5月にあった「MediaTekからもbig.LITTLEなCPU MT8315が2014年登場予定(2013/05/07)」という話でしょう。

また、今回のMT6592に関する記事内で出てくる写真で、ピン互換の話が書かれています。
これを「MediaTekの4コアCPU MT6589/MT6589M/MT6589TとMT6582(2013/05/10)」の記事と併せて考えると、MT6589とMT6588/MT6592にはピン互換がない、という話になります。

MT6582については、前回の記事で、周辺チップがいくらか盛り込まれている、という記載がありましたので、スマートフォン向けCortex-A7搭載関連のチップをまとめると、以下のようになるかと思います。

・MT6572 : 2コア
・MT6589M : 廉価版4コア
・MT6589 : 標準4コア
・MT6589T : 高速版4コア
・MT6582 : 周辺回路一体型4コア
・MT6582M : 周辺回路一体型廉価版4コア
・MT6588 : 周辺回路一体型高速版4コア
・MT6592 : 周辺回路一体型8コア(big.LITTLE?)
・名称不明: LTE対応モデル(MT6590という噂あり)

表にすると以下のような感じですかね。(MT6572は省きます)

MT6589M MT6589 MT6589-Turbo MT6582 MT6582M MT6588 MT6592
ピン互換性あり ピン互換性あり
プロセス 28nm
CPU 4xCortex-A7,1.2GHz
32KB/32KB L1, 1MB L2
4xCortex-A7,1.2GHz
32KB/32KB L1, 1MB L2
4xCortex-A7,1.5GHz
32KB/32KB L1, 1MB L2
4xCortex-A7,1.2GHz
32KB/32KB L1, 1MB L2
4xCortex-A7,1.2GHz
32KB/32KB L1, 1MB L2
4xCortex-A7,1.7GHz
32KB/32KB L1, 1MB L2
8コア,1.7~2.0GHz
?
メモリ LPDDR2 533MHz LPDDR2 533MHz LPDDR2 533MHz LPDDR2 533MHz
LPDDR3 533MHz
? ? ?
カメラ 8MP ISP 13MP ISP 13MP ISP 13MP ISP 8MP 13MP ?
ビデオ Decode
Encode
720p 30fps
720p 30fps MPEG4
1080p 30fps
1080p 30fps MPEG4
1080p 30fps
1080p 30fps MPEG4
1080p 30fps
1080p 30fps H.264
1080p 30fps
1080p 30fps H.264
HEVC/VP9 720p 30fps
1080p 30fps H.264
HEVC/VP9 720p 30fps
?
GPU IMG SGX544 156MHz IMG SGX544 286MHz IMG SGX544 357MHz MT6589Mより1.5倍以上高速 ? ?
ディスプレイ qHD 960×540 HD1080 1920×1080 HD1080 1920×1080 1280×720 qHD 960×540 HD1080 1920×1080 ?
モデム(無線) HSPA+&TD-SCDMA HSPA+&TD-SCDMA HSPA+&TD-SCDMA HSPA+&TD-SCDMA HSPA+&TD-SCDMA HSPA+&TD-SCDMA ?
周辺回路 外付け MT6620/MT6628 外付け MT6620/MT6628 外付け MT6620/MT6628 WiFi/BT/FM/GPUも内蔵 ? ?

関連する過去記事
MediaTekのLTE対応チップMT6290は2013年末から出荷予定?
MediaTekの4コアCPU MT6589/MT6589M/MT6589TとMT6582
MediaTekのTD-SCDMA/WCDMA向け新チップ MTK MT6572

Xperia C S39hは7月下旬より3万円ぐらいで販売開始か?

Sonyが中国で、MediaTek(MTK) MT6589搭載の廉価向けXperiaを発表したようです。

ただ、一昨日は、公式ページにXperia C製品ページがあったのに、今見ると無くなっているのが謎です。

現状見られる公式ドキュメントは以下の2つ。
Xperia C HSPA+ (C2305) white paper
Xperia C WCDMA (S39h) white paper

いまの時期からだから、MT6589T 1.5GHzでも載せてくるかなぁ、と期待していたのですが、残念ながら低クロック版の「MT6589 1.2GHz」であるようですね。
また、このモデルも、Dual SIMだけれども、3G(WCDMA)回線を2つ、という使い方はできないようです。

で・・・この機種、一体いくらぐらいで発売されるかという話を見かけなかったのですが、例のごとくにMTK手机网にて記事を発見。

支持Walkman醇音技术 索尼S39H发布
(「索尼」=「ソニー」)

この記事では、「7月下旬ぐらいに1999元ぐらいで発売される見込み」としています。
まぁ、3万円ぐらい、という話ですね。

・・・いまのタイミングで、このスペックで、コレはかなり高めです。
メーカがちょっと怪しめなところからは、コレより安い値段で、フルHDでMT6589T 1.5GHz搭載のモデルが出ているというのが現状です。

ソニモバなので、端末自体のデキはいいんでしょうが、この価格差を覆すほどかというと、結構微妙でして・・・
悩みどころですね


2013/06/27追記

台湾のニュースサイト ePriceにて記事がありました
Sony Xperia C 現場速試:四核雙卡 五吋螢幕

CPUzのスクリーンショットが掲載されています。

Model: S39h(S39h_1275-3653)
Board: arima89_we_s_jb2
Firmware version: MOLY.WR8.W1248.MD.WG.MP.V9.F1,2013/06/14 14:38
内蔵/data領域: 1GB

というあたりが個人的には興味深いところです。

MediaTekのLTE対応チップMT6290は2013年末から出荷予定?

MediaTek(联发科)から出てくると言われているLTE対応チップですが、名前は「MT6290」となり、2013年末ぐらいから試験出荷が始まり、本格的な生産は2014年となる見込みのようです。

MediaTekは2010年7月にドコモからLTE対応の通信プラットフォームのライセンスを受けています。(「ドコモ、台湾MediaTekにLTEプラットフォームをライセンス提供」)

その成果がようやくでてくるような感じです。

今回の話のネタ元
・C114中国通信网/C114新聞「联发科换将:押宝4G,强调性价比」(2013/5/27)
・C114中国通信网/C114新聞「联发科中国新帅章维力:今年底推TD-LTE芯片 全面布局中低高端」(2013/5/28)
・MTK手机网「可支持5模10频 联发科TD-LTE芯片MT6290年底见」(2013/06/12)

5/24にあったMediaTekの会見で、今年は4G/LTEに力を入れていき、中国でTD-LTEのサービスを拡大していく。
端末側もMT6290という4G対応のものを出していく。

MT6290は28nmプロセスで製造され、5種類の形式と10個のバンドに対応(可支持5模10频)している。
なお、5種類とは以下のもの
・TD-LTE
・FDD-LTE
・TD-SCDMA
・WCDMA
・GSM/EDGE

という形で、話は出てきたのですが、まぁ・・・LTE対応チップの話は、2012年から出たり消えたりしてますから、果たしてどうなることやら・・・

MTK MT6589T搭載ZOPO ZP980+の2GB版が出荷開始?

fastcardtechにMTK MT6589TバージョンのZOPO ZP980が入荷した模様。

書かれている内容が本当だとすると、RAM 2GB版も入荷しているみたい。
(2013/06/16現在、1GB版$279.99, 2GB版$324.99)

ZOPO ZP980の初期版は、MT6589 1.2GHz搭載だったのが、ZP980+では高速版のMT6589T 1.5GHz搭載になっている、というのがスペックの違い、って感じでしょうか。
そして、なかなか出荷されてこなかった2GB版がMT6589Tと共にやってきた、という感じです。

CPU MTK MT6589T 1.5GHz
1GB版 RAM 1GB/ROM 16GB
2GB版 RAM 2GB/ROM 32GB(価格+$45)
5.0インチ 1920×1080、シャープ液晶採用/440PPI
カメラ 背面1300万画素/前面500万画素
バッテリー 2000mAh

ZOPOは、中華系の中でも、比較的改造firmwareが出回るメーカなので、いろいろ遊べるかとは思います。
このZOPO ZP980には、弟分としてZOPO C2という、AndroidではなくAlibabaがAndroid OSをベースに改造して作った阿里云OS2.0(Aliyun OS)を採用しているモデルがあったりします。
ハードウェア的には内蔵ストレージが4GBになっているというぐらいの違いです。

(2013/06/16現在、$245)

まぁ、現状の価格を考えると、ZOPO ZP980+の2GB版を買うことを推奨しますけどね。

FleaPhone用CWM Recoveryを修正

先日来から「FleaPhone CP-D02用のClockwork Mod RecoveryとGoogle Play」にて公開しているcwm-recovery-20130423.imgですが、プログラム内での機種設定に誤りがありました。
このため、FleaPhone CP-D02用に設定されているupdate.zipを適用しようとすると、該当機種ではない、として適用できませんでした。

このため、CWM Recoveryからであっても純正のupdate.zipがきちんと適用できるよう、機種設定を正しいものにしたものを作成しました。

cwm-recovery-20130527.zip

なお、このCWM Recoveryを使って、純正update.zipを適用することができますが、純正update.zip内には、標準recoveryに戻すプログラムが組み込まれていますので、注意してください。
再起動する前に、superuser.zipを適用しておけば、あとでも何とかなるとは思いますけど。