ESXi 6.7からvMAというVMware提供の仮想アプライアンスが使えなくなった。
LinuxベースなのだがvCenter/ESXiをCLIから操作するためのツールが導入済みなので、UPS連動シャットダウンする際によく使われていた。
ESXi6.7以降は動かなくなってしまったので、代替を探す必要がある。
(APC PowerChute Bussiness EditionはvMAのみ対応)
APC PowerChute Network Shutdown 5.0
2023年6月にPowerChute Network Shutdown 5.0が出ていた
「シュナイダーエレクトリック、電源管理ソフトウェアの最新版「PowerChute Network Shutdown v5.0」を発売」
上記リリース内の「これまでスクリプトによるコマンド設定が必要だったシャットダウンシーケンスを、画面上から簡単に制御できる機能を備えました」の意味は、ssh連動がWeb UIから設定できる、と読んだのだが、Install Guide/User Guide見てみたのだがssh周りは従来通りに見え、releasenoteを読むとvSANクラスタや、vSphere vCLS、VMware HA周りの処理が組み込まれた、という意味の模様
PowerChute Network Shutdown v5.0製品pdf資料
ライセンスとしては、「Windows &Linux用」「特定機種(UNIX/MacOS)用」「仮想化環境用」と「VxRail用」がある
v5.0としてのリリースノートやインストールガイド、ユーザガイドのpdfが製品リンクから直接はられておらず「PowerChuteシリーズ 各種マニュアル」からアクセスできるのだが、2023/11/24時点ではいくつかのファイルについては権限がないとして読むことが出来ない。
英語版ドキュメント
PowerChute Network Shutdown v5.0 – Release Notes
PowerChute Network Shutdown v5.0 – Installation Guide
PowerChute Network Shutdown v5.0 – Standard User Guide
PowerChute Network Shutdown v5.0 – VMware User Guide
PowerChute Network Shutdown v5.0 – Hyper-V and SCVMM User Guide
PowerChute Network Shutdown v5.0 – Nutanix User Guide
Webページとして公開されている手順など
PowerChute Network Shutdown v5.0 既知の問題 [最新バージョン]
PowerChute Network Shutdown v5.x 初期セットアップ手順 – シングル構成 Windows, Linux
PowerChute Network Shutdown v5.0 for Windows & Linux 対応OS表
PowerChute Network Shutdown v5.0.1 for Specialized OS 対応OS表
PowerChute Network Shutdown v5.0 for Virtualization 対応OS表
JavaはSolaris以外はAdoptOpenJDKを使用(SolarisはOracle純正ライセンスを別途調達とのこと)
PowerChute Network Shutdown v5.0ではNetwork Management Card 2(NMC2)のサポートが終了。またNMC3についてもfirmware v2.2.1.1以降がサポートとなる。
vCenterが存在しない単体ESXi環境で連動させるためにAPC純正仮想アプライアンスを展開した場合、vCenterがないと設定出来ない項目があるため、エラーとなる。その場合は「PowerChute Network Shutdown v4.4.3, v5.x スタンドアロンESXi ホストに仮想アプライアンスをデプロイした際にアクセスできない」の手順で設定する(この手順自体は、PCNS v4.3~v5.0共通)
APC電源管理ソフトウェア PowerChuteの選択方法
PowerChuteシリーズ 対応OS表
APC PowerChute Network Shutdown 4.5
2022年9月に「PowerChute Network Shutdown v4.5」が発売されたことが発表された。(当時のURL APC PowerChute Network Shutdown 4.5 for DELL VxRail )
海外では2022年7月ぐらいにはDELL VxRail向け PCNS v4.5としてOVAファイルとしてリリースされていました。それ以外の環境向けには引き続き PCNS v4.4が提供されています(対応表)。
v4.4はVxRail専用なのかと思っていたのですが、v5.0リリースの比較表にはv4.5も他で動くヤツがある的な記述に・・・
APC PowerChute Network Shutdown 4.4
2020年10月登場の新バージョン:シュナイダーエレクトリック、電源管理ソフトウェアの最新版「PowerChute Network Shutdown v4.4」を発売
「PowerChute Network Shutdown v4.4 ご紹介(最新版)」「PowerChute Network Shutdown v4.4 for Windows & Linux 対応OS表」「PowerChute Network Shutdown v4.4 for Virtualization 対応OS表」「PowerChute Network Shutdown v4.4 既知の問題」「PCNSユーザーズガイド」「PCNSの各種設定例」
「PowerChute Network Shutdown Operating System, Processor, JRE and Browser Compatibility Chart」
「PowerChute Network Shutdown ドキュメント」「PowerChuteシリーズ 各種マニュアル」
PCNS v4.4でもJavaを使うという点には変更はない(今回はOpenJRE 14.0.2)。OpenJREのアップデートツールも添付されているとのこと。
今回のトピックは、VMware vSAN、Nutanix AOS、Microsoft Azure Stack HCI、Cisco HyperFlex、HPE Simplivityの自動シャットダウンをPCNS管理インタフェース上から設定できるようになった、ということ。
また、sshでアクセスし連動シャットダウンを仕掛けることが可能になったため、NetApp ONTAP 9.xとの連動シャットダウンなどもサポートした、とのこと。
Windows版は日本語インタフェース用インストーラと英語インタフェース用インストーラが別になっているので注意
Schneider Electric (APC) PowerChute Network Shutdown
2022/03/31追記:この項目にあるv4.1~v4.3に関するリンクはAPCサイトの更新に伴い動かないリンクばかりになっている。
APC PowerChute Network Shutdownに関する情報は「PowerChute Network Shutdownプロダクトセンター | よくあるお問い合わせ」と「PowerChuteシリーズ 対応OS表」を起点に捜索する。
「PowerChute Network Shutdown v4.3 for Virtualization 対応OS表」はシャットダウン用仮想アプライアンスイメージが提供されているのでそれを使う。vSphere 7/ESXi 7.0サポートに関しても記載されている。
「PowerChute Network Shutdown v4.2 for Virtualization 対応OS表」はシャットダウン用仮想アプライアンスか、vMAにPowerShuteインストールか、を選択できる。
「PowerChute Network Shutdown v4.0以降のバージョンでVMware環境を保護する場合のPowerChuteインストール先について」
「PowerChute Network Shutdown v4.1 v4.2 電源障害時のシャットダウンプロセス(VMWare仮想環境) – 構成例1」
「PowerChute Network Shutdown v4.1 v4.2 電源障害時のシャットダウンプロセス(VMWare仮想環境) – 構成例2」
「PowerChute Network Shutdown v4.1 v4.2 電源障害時のシャットダウンプロセス(VMWare仮想環境) – 構成例3」
VMware HA利用時やvSAN利用時は、VMware側がユーザ操作なしに停止することを全く考慮していないため、ESXiサーバのみの環境ではうまくシャットダウンを行うことができない。
別に物理のWindowsサーバを用意し、そこからシャットダウン命令を送る必要がある。また、復電後の起動についてはもっと考えられていないため、その処理も自前でどうにかする必要がある。
「PowerChute Network Shutdown for Virtualization v4.x VMware HA環境でのサポート構成」(VMware HA環境では仮想マシン停止をサポートしていない)
「20180222_VxRailccトラブルシューティングセミナーvSAN環境におけるUPS構成とシャットダウンシュナイダー出口様」
富士通のWebにある「PowerChute Network Shutdown for Virtualization v4.3」(PDF版)でvSphere, Hyper-V, Nutanix AHV環境でどういう風に機器を配置すればいいのか分かりやすい絵付きで解説されている。
HPE Power Protector
HPEブランドで販売されているUPSは、HPE Power Protector(HPEPP)を使用してシャットダウンを行う。
ソフトのダウンロードはなかなか見つけにくい。以前は「HPE swdepot Power Protector UPS Management Software」だったが2020年10月ぐらいから死んでいる。2021年10月/2022年3月の段階ではドキュメント上で「Download updates from HPE Software Depot」というリンクがあるが、リンク先が動作していない。なんとかして後述の個別ダウンロードリンクを発見する必要がある。
ESXi 6.7以降の対応について「アドバイザリ: HPE Power Protector – VMware vSphere Management Assistantのサポートが終了したため、VMware ESXi 6.7 (またはそれ以降) を実行しているHPEサーバーでHPE Power Protectorが正しく機能しない」「Advisory: HPE Power Protector – HPE Power Protector Does Not Function Correctly On HPE Servers Running VMware ESXi 6.7 (Or Later) Due to The Discontinued Support For VMware vSphere Management Assistant」に記載している。
vMA使えないから、無料で使えるdebian使って仮想マシン作って、それにHPEPPを入れろ、ということになる。
2023/11/24時点2023/02/03時点での最新ドキュメントは「http://www.hpe.com/support/PowerProtector_Manuals」もしくは「HPE Power Protector User Guide」で英語は2021年2月版、日本語は2020年4月版のようだ。
2019/12/06リリース版のダウンロードリンク
HPE Power Protector Windows版 v2.02.087 (HPE Power Protector (HPEPP) Clientのインストール方法 (Windows))
HPE Power Protector Linux版 v2.02.087 (HP UPS – HP Power Protector (HPPP) Client のインストール方法 (Linux))
2020/10/23リリース版のダウンロードリンク
HPE Power Protector – Windows版 v2.02.089
HPE Power Protector – Linux版 v2.02.089
2021/08/12リリース版のダウンロードリンク
HPE Power Protector – Windows版 v2.03.091
HPE Power Protector – Linux版 v2.03.091
2022/02/09リリース版のダウンロードリンク
HPE Power Protector – Windows版 v2.04.094
HPE Power Protector – Linux版 v2.04.094
2022/11/21リリース版のダウンロードリンク
HPE Power Protector – Windows版 v2.05.096
HPE Power Protector – Linux x86版 v2.05.096
HPE Power Protector – Linux x64版 v2.05.096
2023/09/20リリース版のダウンロードリンク
HPE Power Protector – Microsoft Windows v2.06.098
HPE Power Protector – Linux x64 v2.06.098
HPE Power Protector – Linux x86 v2.06.098
EATON Intelligent Power Protector (IPP)とIntelligent Power Manager(IPM)
日本代理店ダイトロンの製品ページ「Intellignent Power Protector」「Intelligent Power Manager(旧バージョン)」「Intelligent Power Manager 2」
メーカページ「Eaton Intelligent Power Manager」
2020年からIPMのライセンス体系が変更になり、また海外ではIPM2も登場した。IPM1とIPM2が互換性がなく、日本国内向けではIPM2は非サポートとなっているようだ(2023年時点ではサポートされた)。
連動シャットダウンについてはWindows仮想マシンにIPMを入れる方向性のようだ IPM2では仮想アプライアンスを使用して行う形となる。
IPM Optimize/(旧名)IPM Silver/ (旧名) IPM Goldを使うライセンスを買うとVMware HAとvSANを含んだシャットダウンにも対応。
VMware HAはWindows仮想マシンにIPMを入れることで対応可能。復電も対応→「シャットダウン for vCSA on vSphere HA by IPM 1.68」「自動起動 for vCSA on vSphere HA by IPM 1.68」
vSANはvSANを使っていないESXi上にvCSAとWindows仮想マシン+IPMを置くことで対応可能。復電も対応→「シャットダウン for VMware vSAN 6.6.1 by IPM 1.60」
2023/06/08追記:日本でも2023年月ごろから「Intelligent Power Manager 2」の取り扱いが開始されていた。IPM2ではvSphere仮想環境向けアプライアンスイメージファイルでの提供となっている。(Hyper-V,VirtualBox向けファイルもある)
IPM2を使った場合「【IPM2】IPM2 on VMwareのダウンロードから起動まで」「【IPM2】VMware HAのシャットダウン」「【IPM2】VMware HA+共有ストレージのシャットダウン」
その他、IPM2関連記事群
オムロン VirtuAttendant
無償のUPS管理ソフト「PowerAct Pro」はvMA利用のためESXi 6.5までになっている(PowerAct Pro Slave Agent VMware版 ダウンロード)
有償のUPS管理ソフト「VirtuAttendant」はESXi 7.0対応版が出ていて、手順説明はリンク先に掲載されている。なお、ライセンス料金は1つのvCenter Server環境につき192500円。
また「構成事例/設定ガイド」の「Nutanix / vSAN / 3Tier の構成事例〈ネットワークカード〉」にESXi6.7に対応したVSAN構成時の設定ガイド とvSphere+RAID構成時の設定ガイドが掲載されている。
2023/06/08追記
通常のサーバ向けはUPS管理マスタサーバにWebサーバを建てる「PowerAct Pro」と建てない「PowerAttendant Lite」とオープンソース版「Simple Shutdown Software(オープンソース版)」
仮想環境向けは、VirtuAttendant と UPS本体に追加するSNMP管理モジュールSC21 の2製品となっている。
その他参考資料
NEC編
「ESMPRO/AutomaticRunningController ダウンロードページ」にある「VMware ESXi 環境における電源管理ソフトウェアの導入」(第37版 2020/01/31)(第41 版 2021.11.30)にNECのESMPRO/AutomaticRunningControllerと連携させる場合の詳細解説が書かれている。
富士通編
PRIMERGY 技術情報の「仮想システムでのUPS利用ガイド」にて、PowerChute Network Shutdown Enterprise Editionを使用する場合の説明がある。
また、富士通サーバ ISV/IHV技術情報の「APC PowerChute Network Shutdown」と「APC PowerChute Network Shutdown(過去事例)」とにてAPC UPSを使って行われた各種検証内容に関するレポートが公開されている。
VMware編
VMwareのKnowledgeに「VMware ESXi ホストへの APC Powerchute Network Shutdown ソフトウェアのインストール (1007036)」というのが掲載されたが、2020年2月掲載なのにvMAを利用するバージョンでRelated ProductsもESXi 5.5.xが最新という古い記述になっている。