「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2020/05/11版」にて内容を更新しました。
2015/11/18の情報を元に、新記事「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFSについて 2015/11/18版」を公開しています。
LTOテープ1本を持ち運びができるファイルシステムメディアとして使用できるようにするLTFSについて、最近の状況を調べ直した。
(過去の関連記事:「LTOテープをファイルシステムとして使うLTFS(2012/11/28)」「テープ装置メーカ純正のLTFS一覧(2013/12/20更新)」「IBM版LTFSをRHEL5で使ってみた(2013/05/20)」
LTO-5/LTO-6からは、メディアを2つの領域に分割して利用することが可能になった。
その機能を活かし、1本のテープメディアの中に、メディア内データの管理情報と、実データを分割して保存することを可能とした。
これにより、これまで実現出来なかった、1本のテープメディアだけで可搬性のあるファイルシステム構築、というものが可能となり、その実装として、LTFS(Linear Tape File System)というのがある。
使用用途としては、バックアップ用ではなく、長期保存のためのアーカイブ用や、大容量データの持ち運び用として使用されている。
LTFSを実現するためのソフトウェアについては、基本的には、IBMが大本のベースを作り、それを各LTOドライブメーカが、自社ドライブ向けにカスタマイズして提供しているような形となっている。
LTFSには、バージョンがいくつかあり、現状気にしなければならないのは、以下の4つ
・LTFS 1.0
・LTFS 2.0 : ファイルインデックス関連で機能をいろいろ追加
・LTFS 2.1 : 2012/05/18リリース。LTFS2.0+シンボリックリンク(現在draft版)
・LTFS 2.2 : 2013/12/21リリース。管理情報の改良
ファイルインデックスは、XMLで書かれているので、LTOテープからデータを直接読み込んで、自前でデコードしてみる、ということも可能ではある。
LTFS2.2の規格書はSNIAの「Linear Tape File System (LTFS)」にある。
その他、いろんな情報は、LTOの規格団体の「LTFS Overview」にある。
LTFSの公式認証を取得しているLTFSソフトウェアについては、「LTFS Compliance Verification」にて紹介されている。
2014/06/06時点では以下の6個が登録されている。
Company |
Product |
Version |
LTFS Version* |
LTO Generation |
Date tested |
Quantum |
Quantum Scalar LTFS Appliance |
2.0.2 |
2.0.1 |
LTO5 & 6 |
9/11/13 |
HP |
HP StoreOpen Standalone |
2.1.0 |
2.1.0 |
LTO5 & 6 |
9/11/13 |
IBM |
IBM Single Drive Version |
1.3.0 |
2.1.0 |
LTO5 & 6 |
9/11/13 |
IBM |
IBM LTFS Library Edition |
V1R3 |
2.1.0 |
LTO5 & 6 |
10/2/13 |
Quantum |
Quantum LTFS |
2.1.0 |
2.1.0 |
LTO5 & 6 |
11/29/13 |
HP |
HP StoreOpen Automation |
1.2.0 |
2.0.1 |
LTO5 & 6 |
11/29/13 |
ソフトウェアのバージョンと、対応しているLTFSフォーマットのバージョンに関連性は無いので注意が必要。
各ドライブメーカが出しているLTFSソフトウェアの情報について
まずは、上記のリストに載っているメーカのものから。
・IBM
公式: IBM Linear Tape File System
ソフトウェアの入手は、「Fix Central」にて「製品グループ:System Storage」-「Tape Systems」-「Tape drives and software」の下にある「LTFS Single Drive Edition (SDE)」や「LTFS Library Edition (LE)」を選択して行う。
なお、LEの方はアップデータのみの配布で、元になるソフトウェアについては、IBMから別途入手する必要がある。
基本的には、LTFS Single Drive Edition(SDE)が、他の全てのLTFSソフトウェアの原型になっているもの・・・という感じである。
2014/06/09時点での最新は、
LTFS Library Edition : ver2.1.2.2-4103(2013/12/06)
LTFS Single Drive Edition: ver2.2.0.0-4301(2014/05/09)
SDEの方はLTFS2.2をサポート。
LEの方はサポートしているのかどうかはっきりしなかった。
・HP
公式: HP StoreOpen
日本語情報: HP LTFS (Linear Tape File System)
ソフトウェアの入手は、単体ドライブ向けの「HP StoreOpen Standalone」も、チェンジャー向け「HP StoreOpen Automation」も、なぜか「HP StoreOpen Standaloneダウンロードページ」のリンクから可能。
2014/06/09時点での最新は、
HP StoreOpen Standalone : ver2.2.0(2014/04/29)
HP StoreOpen Automation : ver1.3.0(2014/02/03)
どちらのバージョンもLTFS 2.2.0をサポートするためにバージョンアップしている。
・Quantum
公式: Linear Tape File System
ソフトウェア入手は上記の公式ページの「Software」タブから行う。
ソースコードについては、LTFS Open Source Filesから。
2014/06/09時点での最新は、
qtmltfs : ver2.1.1(2014/02/25)
日付的にLTFS2.2もサポートなのかな?と思いきや、README内の変更履歴を見る限りでは、LTFS2.1までのサポート。
・Quantum Scalar LTFS Appliance
公式:Scalar LTFSアプライアンス
こいつだけ、他のとは違って、ハードウェアがセットになったアプライアンス。
これの下にFC経由などでテープチェンジャーを繋いで使うもの。
リストに載っていない、LTFS
・TANDBERG DATA
公式: LTFS for Big Data Storage
ソフトウェアの入手は「LTFS Documents and Downloadsから行う。
2014/06/09時点での最新は
バイナリ: ver2.1.0
ソースコード: ver1.2.0
ではあるものの、HP StoreOpen Standaloneそのままである模様。
・Oracle
公式: Oracle’s StorageTek Linear Tape File System, Open Edition
ソフトウェアの入手は「https://oss.oracle.com/projects/ltfs/files/」から行う。
2014/06/09時点での最新は
ltfs-1.2.6-20130711(2013/08/15)
IBM LTFS 1.2.5とHP LTFS 2.0.0を組み合わせ、Oracle/StorageTek用の設定を入れたもの。
LTFS2.0.0までのサポート
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