Allwinner H5搭載のOrange Pi PC2が$23.13で発売開始

2016/11/07追記

なんか有名どこでOrange Pi PC2がテキトーな解説付きで紹介されているので、警告文を追加しておきます。

Orange Pi PC2のOSは、ラズパイのものとは別です。ラズパイ用のものがそのまま使えるわけではありません。
「Raspberry Piのイメージが使用可能だ」とか書いてる記事ありますが、嘘が混じっています。
Raspberry Pi公式が出しているものを流用しつつKernelを含むドライバ周りを入れ替えたものを使っています。つまり、同じではありません。
ハードウェアを触らないソフトウェアならだいたい動きますが、GPIO接続で外部機器を動かすなんていうと、いろんな障害が出てきます。
まず、kernelが異なるので、バイナリ配布のドライバは使えません。
ソース配布のドライバをコンパイルすれば使える可能性がありますが、kernelのバージョンが異なることでうまく動かない可能性があります。
また、大抵そういうドライバは、ドキュメント類もラズパイ公式向けにカスタマイズされていて、それ以外の環境で使うための手順がわかりにくいような記述になっていることが多いです。
このため、初心者にはとても厳しいです。

Orange Pi PC2で使っているAllwinner H5は、元となるAllwinner A64としてはメインカーネルへの対応が始まったばかりです。
Allwinner H5に至っては、まだ対応も始まっていません。
Linux-sunxi.orgのAllwinner系SoCのメインラインカーネルへの対応状況表)
このため、Linux kernelにバグやセキュリティの問題が発覚した場合に、それがすぐに反映される体制になっていません。
インターネット上にそのまま置くには適しません。

Orange Pi PC2で使っているAllwinner H5は、Allwinner社のSoCで始めてMali-450MPを採用した機種です。元となるAllwinner A64ではMali-400MPを使っていたものがバージョンアップされており、性能面では上がっているはずなのですが、GPUドライバがこなれているかどうかが、現時点ではまったく不明です。性能が発揮されない可能性もあることを留意する必要があります。
(なお、1年ぐらい先行してAmlogic社のS805というSoCでMali-450MPは採用されていますので、ドライバが動かない、ということはないとは思います)

マインクラフトは動きません。
マインクラフト Pi EditionはBroadcomのGPU特化で作られているため、Mali-400機種では動作しません。
マインクラフト Java(Linux版とかいてあるやつ)は、ログインし、アップデートのダウンロードまでは成功しますが、その後のゲーム画面の起動プロセスでIntelアーキテクチャ用のバイナリを読み込み起動できません。(ライブラリのバイナリを差し替えて起動させるスクリプト例や、lwjglライブラリを差し替える例、がありますが、バイナリ差し替えは成功せず、また指定の場所にファイルを置いても自動ダウンロードのファイルを読み込むため起動に成功していません)

以上を考慮した上で、導入を検討してください。


Allwinner H2+搭載のOrange Pi Zeroが発売されたばかりですが、64bitのCortex-A53コアを使ったAllwinner H5を搭載したOrange Pi PC2が販売開始です。

New! Orange Pi PC2 H5 64bit Support the Lubuntu linux and android mini PC Beyond Raspberry Pi 2 Wholesale is available

orangepipc2-1
・Cortex-A53を4コア積んだ「Allwinner H5」を使用
  Pine64で使用しているAllwinner A64の類型
  Jide Remix miniで使っているAllwinner H64との関係性が不明。名称変更されただけ?
・GPUはA64のMali400MP2(2コア)から、Mali450(6コア)にアップグレード
  4K出力向けに強化
・RAM 1GB
・ストレージはmicroSD(オンボードで8MBのSPI Flashがあるが、8MB8Mbitなので・・・)
・1000Mb NIC搭載
・電源はいつものようにEIAJ#2コネクタ(PSPと同じ形状のもの)
・基板のコネクタ配置はOrange Pi PC / Orange Pi PC Plusとほぼ同じ

とりあえず、1個発注してみました。


2016/11/07追記

Orange Pi PC2の角度が異なる斜め配列のチップがあることについて話題のようです。

いろいろ考察してる人がいるようですが、実際のところは、旧機種であるOrange Pi PCと比較すれば一目瞭然。
基板サイズとコネクタ配置をそのままに、SoC変更と追加要素のSPI FlashとNIC PHYチップRTL8211Eを載せるために最小限の変更を行った結果、というやつですね。

Orange Pi PC Orange Pi PC2
Allwinner H3 (Cortex-A7*4コア) Allwinner H5 (Cortex-A53*4コア)

2016/11/14追記
届いたので記事を書きました→「Orange Pi PC2が届いたのでAndroidイメージで動かしてみた
現時点ではLinuxイメージはリリースされていません。


Allwinner H5搭載ボード系のリスト

(表へのリンク)

“Allwinner H5搭載のOrange Pi PC2が$23.13で発売開始” への8件の返信

  1. SPI Flash は、8Mb って書いてありますね。1MB のような。
     http://linux-sunxi.org/Bootable_SPI_flash
    ここ見ると U-Boot が入るようです。最小サイズは 1MB 。
    ブートプライオリティは、最低で SD boot (や eMMC boot)が失敗した後だそうです。

    1. なるほど。そういう感じになるんですね。
      SPI Flashも写真によっては2Mbとなってるものもあったりして謎な領域ではあったり・・・

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