CommVaultにはフルバックアップと増分バックアップをバックアップサーバ上で論理合成して新しいフルバックアップにする、という合成バックアップ(Synthetic Full)という仕組みがある。
V11SP16より前までは増分バックアップを実行した後に続けて合成処理を行う、というスケジュールを作成することができたが、2021年の現在ではそのようなスケジュールを作成することはできず、増分とは別に合成バックアップ用のスケジュールを作成する必要がある。(参考)
問題となるのは増分バックアップの終了時間にあわせて合成バックアップを実行する、ということが難しい、ということ。
単純に増分を毎日0:00開始、合成フルバックアップを日曜12:00開始、とかに設定した場合、増分バックアップに12時間以上かかり、日曜12時もバックアップ中であった場合、同名のスケジュールが動作しているので合成処理がスキップされてしまうことになる。
ドキュメントをみると「自働」スケジュールを設定することを推奨されており、「週1回合成フルを実行する」としたい場合は「自働 7日」というスケジュールを実行することで、7日に1回実行されることになるようだ。
7日で検証すると時間がかかりすぎるので「自働 2日」を設定して検証してみた。
開始 | 終了 | ||
合成フル | 2021/3/24 18:52 | 2021/3/24 19:00 | 自働2日というスケジュールを18時半過ぎに設定 |
増分 | 2021/3/25 3:00 | 2021/3/25 3:01 | |
増分 | 2021/3/26 3:00 | 2021/3/26 3:01 | |
合成フル | 2021/3/26 19:17 | 2021/3/26 19:24 | 前回の実行終了から48時間+17分で実行された |
増分 | 2021/3/27 3:00 | 2021/3/27 3:02 | |
増分 | 2021/3/28 3:00 | 2021/3/28 3:01 | |
合成フル | 2021/3/28 19:43 | 2021/3/28 19:49 | 前回の実行終了から48時間+19分で実行された |
増分 | 2021/3/29 3:00 | 2021/3/29 3:02 | |
増分 | 2021/3/29 20:10 | 2021/3/29 20:11 | 開始時刻を20:10変更 |
合成フル | 2021/3/30 20:08 | 2021/3/30 20:14 | 前回の実行終了から48時間+19分で実行された |
増分 | 2021/3/30 20:13 | 2021/3/30 20:18 | 開始時刻を20:10したが、合成フルが動作していたので遅延? |
実行するたびに時間が後ろにずれていくのが気になる・・・
この17分~19分はどこから来ているのかな?とスケジュール設定画面を見直してみると、「ファイルまたはログのアクティビティ検出頻度 0時間15分」という変更ができない項目がある。
これは、15分間隔で自動バックアップを実行するべきか判断する、ということになるんだろうか?
だとすればこの動きも納得かな、と
2021/04/05追記
合成バックアップが実施される予定の時間帯にシステムが停止していた場合、どうなるかを確認したところ、システム起動後に合成バックアップが実行されました。