iredmail運用メモ 2021/09/09版

2019/12/06版:新規作成
2021/09/09版:更新


2021/09/09版前書き

2019年7月ぐらいから postfix+dovecot+iredmail環境の運用を開始し、2年が経過しました。

追加1:salesforce.comからのメールに対するgreylist適用取りやめ

salesforce.comからのメールは「23sadf984tasd.49fv2fdsdf.k54hsd74.ap23.bnc.salesforce.com」というような差し出しアドレスで送信されており、このアドレスはユーザごとに違うらしいようで、自動処理がうまくできませんでした。

調べて見るとiredmailフォーラム「How do I whitelist this sender?」にて、「python2 greylisting_admin.py –disable –from @.salesforce.com を実行してgreylist対象外にしろ」という回答が・・・

[root@mailserver ~]# /opt/iredapd/tools/greylisting_admin.py --disable --from @.salesforce.com
* Disable greylisting: @.salesforce.com -> @.
[root@mailserver ~]#

これで、salesforce.comからのメールは全て届くようになりました。

追加2:特定IPアドレスから送信されるメールの取り扱い

ユーザが開設しているウェブにあるフォームから送られてくるメールの送信者設定がうまく調整できないらしく、不適切なもので送信されてくる。

仕方が無いので、そのウェブサーバのIPアドレスから送られてくるメールへのgreylist適用をやめた

[root@mailserver ~]# /opt/iredapd/tools/greylisting_admin.py --disable --from  1xx.2xxx.1xx.1xxx
* Disable greylisting: 1xx.2xxx.1xx.1xxx -> @.
[root@mailserver ~]#


2019/12/06版前書き

qmail+vpopmailの環境からpostfix+dovecot+iredmail環境にテスト移行してもうすぐ1年、本稼働させて5ヶ月経ちました。

いろいろ行った対処についてのまとめです。

その1: Windows Live Mail 2012ユーザがいる場合の問題

iredmailの標準設定ではWindows Live Mail 2012でのPOP3アクセスによるメール受信に失敗します。原因はWindows Live Mail 2012はSSL無し+メールパスワードを平文で送ってしまうが、iredmail側では平文拒否+SSLのみ受付、という設定であるため拒否されているためです。

また、メール送信時も、Windows Live Mail 2012がメールサーバに送るホスト名情報(HELOコマンド)がiredmailが期待する書式になっていないために拒否されます。

この2点を解消するためにdovecotの設定と、postfixの設定を変更する必要があります。詳細は下記を参照のこと。

詳細:[postfix/dovecotメールサーバでWindows Live Mail 2012がエラーになる]

その2: WebメールのRoundcubeをアップデートする場合の問題

iredmailではWebメールとしてRoundcubeSOGoを利用できます。

SOGoはRPM提供なのでアップデートは簡単ですが、Roundcubeはphpコマンドを利用してのアップデートとなっています。

しかし、iredmail標準設定ではセキュリティ強化のphp設定がされているため、Roundcubeのアップデートスクリプトが必要とするphpの機能が使用できない状態となっています。

phpの設定を変更せずにroundcubeのアップデートスクリプトを実行するには下記を参照してください。

詳細:[php.iniを変更せずにdisable_functionsの内容を無効化してroundcubeのアップグレードスクリプトを動作させる方法]

その3: 自サーバ以外で送信されたメールが受信拒否になる問題

iredmail標準設定では、iredmailサーバ以外から送信された自ドメインメールを受信拒否します。

これは、iredapdの機能で拒否しています。

iredapdの設定にSPFレコードに登録されているサーバからの送信であれば許可する、という設定があるのでそれを有効にして回避します。

詳細:[postfixを使用したiredmailで他サーバで送信された自ドメインメールが受信拒否される]

その4: Barracudacentralがメールを拒否しすぎる問題

本格運用しはじめてからログを確認してみると、BarracudacentralのSPAMデータベースを参照にしたメール受信拒否率がとても高いことが判明。

ちょっとでも疑われたら登録されているレベルのようなので誤爆率がかなり高い。特に中小企業からのメールと(ちゃんとした)メルマガ系での拒否率が高すぎた。

このため、うちのサイトの運用ではbarracudacentralの使用はやめて、spamhaus.orgのみの運用にしている。

[iRedMailの初期設定から変えたところ 2018/08/21版]

その5: mail.goo.ne.jpメールが拒否される問題

iredmailが用意している/etc/postfix/helo_access.pcreを見てみると、なんとmail.goo.ne.jpメールが明示的に拒否されていた。

いったい過去に何をやらかしたのか・・・と驚愕しつつも受信できるように設定変更している。

[iRedMailの初期設定から変えたところ 2018/08/21版]

その6: ホスト名にIPアドレスっぽい文字列が入っていると拒否される問題

SPAMを送信してくるIPアドレスについてホスト名を調べて見るとIPアドレスっぽいホスト名( network-192-168.0.100.ぷろばいだ.ne.jp )であることが多い。

このため、iredmail標準設定ではこういったホスト名からのメールは拒否しているが、拒否ログを確認してみると、Amazon AWSサービスを使っているところからのメールが結構そんな感じのホスト名で送られていて、拒否率も高かった。

このため、IPアドレスっぽいホスト名からのメールは拒否、という設定を外した。

[iRedMailの初期設定から変えたところ 2018/08/21版]

その7: メールがすぐに届かず30分程度遅延する問題

SPAMメールの送信システムは再送処理は行わず、送信できなかったらすぐに次を送るような実装になっていることが多い。

このため、iredmailでは1回目の送信処理では、今忙しいからあとでもう1回送って、と返して、15分後から受信するようになっている。

しかし、分かっているドメインからのメールだったらすぐに受信できるようにしたい、という場合はwhitelistdomainを設定することで、該当するドメインでDNSのSPFレコードに登録されているメールサーバからのメールであればすぐに受信する、という設定を行っている。

[iRedMailの初期設定から変えたところ 2018/08/21版]

その6: vpopmailからユーザパスワードを移行した場合の問題点

これは該当する人があまりいないと思いますが、vpopmailで使っていたパスワード文字列(MD5エンコード)をそのままiredmailに持ってくると、dovecotとpostfixでは使えます。

しかし、SOGoとiredmailの管理画面ではSHA256エンコードであると想定した処理となっているため使えず、ログインできません。

これはどうしようもないので、パスワードを再設定してください。

[ユーザバックエンドがSQLのiredmailのSOGoでユーザがログインできない]

PinePhone BraveHeart Limited Edition購入申し込み

Allwinner A64搭載のオープンハードウェア「PinePhone BraveHeart Limited Edition」の申し込みが始まったので手続きしてみた。

「BraveHeart Limited Edition」 とは「勇者の心」、意訳すると「人柱エディション」ですね。

どう人柱なのかというと、まず、発送時のハードウェアにはOSが入っていない。

先行してOS開発者向けにPinePhone Developer kitというのが2019年初頭から出回っていて、いろんなOSが開発中。

どんなOSがあるかと「Project Don’t be evil」のページを確認してみると・・・

OS名称ベース
Postmarket OSAlpine Linux
UBPortsUbuntu Touch
KDE Plasma MobileUbuntu Touch+Lineage OS/KDE
Sailfish OSMeeGo OSだけどAndroid寄りの商用
Maemo LesteMeeGo OS 
NixOSLinuxベースの関数型ディストリビューション
LunaOSpalmOSの末裔webOS
Nemo MobileSailfish OSの全てをOSS実装に?

Allwinner SoCなだけあってLinux kernelベースのものがずらりと並んでいます。

現状は基本的にUbuntuなどが稼働しているマシンにUSB接続してfirmwareを書き込むという感じになっている。

人柱エディションを卒業するまではこの初期導入の高さは抜けられないでしょう。

次に、メモリスペックが2GBというところが難点といえば難点ですが、そもそも↑であがっているOSが動くハードウェアでメモリ2GBって普通なので、まぁ・・・

PinePhoneの通信関連のスペックは下記の様になっている。

  • Worldwide, Global LTE bands
  • LTE-FDD: B1/ B2/ B3/ B4/ B5/ B7/ B8/ B12/ B13/ B18/ B19/ B20/ B25/ B26/ B28
  • LTE-TDD: B38/ B39/ B40/ B41
  • WCDMA: B1/ B2/ B4/ B5/ B6/ B8/ B19
  • GSM: 850/900/1800/1900MHz
  • WLAN: Wi-Fi 802.11 b/g/n, single-band, hotspot
  • Bluetooth: 4.0, A2DP
  • GPS: Yes, with A-GPS, GLONASS

使用されるモジュールは「Quectel Wireless EG25-G」で、メーカ製品ページには「JATE/TELEC」と技適などが取得されているような記述が・・・まぁ、アンテナ込みでの認証になるところチップのみ提供っぽいから無理なような気が・・・

ともかく到着が楽しみです

CentOS7でルータのログを受け取るrsyslog設定

ここ1ヶ月、長らく使っていたWiFiルータの一部プロセスが良く死んでいた。

具体的には固定IP割り当てしているやつらは問題ないのだが、DHCPによるIP割り当てがうまく行かず、またルーター管理画面にアクセスしようとしても途中で接続が切断される、という状態になっていた。

復帰方法は電源off/onしかないのだが、まぁ、最近のWiFiに対応するやつにするかと4千円程度のものに交換した。

ルータ交換後の様子を継続的に見るためにCentOS7サーバにログを飛ばしておくか、と設定してみた。

その1 firewallの穴開け

標準ではsyslogポート(514)は開いていないので、開ける。

まず、firewalldが持っている規定のサービス名を確認

[root@blog ~]# firewall-cmd --get-services
RH-Satellite-6 amanda-client amanda-k5-client amqp amqps apcupsd audit bacula bacula-client bgp bitcoin bitcoin-rpc bitcoin-testnet bitcoin-testnet-rpc ceph ceph-mon cfengine condor-collector ctdb dhcp dhcpv6 dhcpv6-client distcc dns docker-registry docker-swarm dropbox-lansync elasticsearch etcd-client etcd-server finger freeipa-ldap freeipa-ldaps freeipa-replication freeipa-trust ftp ganglia-client ganglia-master git gre high-availability http https imap imaps ipp ipp-client ipsec irc ircs iscsi-target isns jenkins kadmin kerberos kibana klogin kpasswd kprop kshell ldap ldaps libvirt libvirt-tls lightning-network llmnr managesieve matrix mdns minidlna mongodb mosh mountd mqtt mqtt-tls ms-wbt mssql munin-node murmur mysql nfs nfs3 nmea-0183 nrpe ntp nut openvpn ovirt-imageio ovirt-storageconsole ovirt-vmconsole plex pmcd pmproxy pmwebapi pmwebapis pop3 pop3s postgresql privoxy proxy-dhcp ptp pulseaudio puppetmaster quassel radius redis rpc-bind rsh rsyncd rtsp salt-master samba samba-client samba-dc sane sip sips slp smtp smtp-submission smtps snmp snmptrap spideroak-lansync squid ssh steam-streaming svdrp svn syncthing syncthing-gui synergy syslog syslog-tls telnet tftp tftp-client tinc tor-socks transmission-client upnp-client vdsm vnc-server wbem-http wbem-https wsman wsmans xdmcp xmpp-bosh xmpp-client xmpp-local xmpp-server zabbix-agent zabbix-server
[root@blog ~]#

「syslog」が使えそう。あと、今回は不要だけど「syslog-tls」も入れておくか、ということで以下を実行

[root@niselog ~]# firewall-cmd --list-all
public (active)
  target: default
  icmp-block-inversion: no
  interfaces: enp14s0
  sources:
  services: dhcpv6-client http https ssh
  ports: 
  protocols:
  masquerade: no
  forward-ports:
  source-ports:
  icmp-blocks:
  rich rules:

[root@niselog ~]# firewall-cmd --permanent --zone=public --add-service=syslog
success
[root@niselog ~]# firewall-cmd --permanent --zone=public --add-service=syslog-tls
success
[root@niselog ~]# firewall-cmd --reload
success
[root@niselog ~]# firewall-cmd --list-all
public (active)
  target: default
  icmp-block-inversion: no
  interfaces: enp14s0
  sources:
  services: dhcpv6-client http https ssh syslog syslog-tls
  ports: 
  protocols:
  masquerade: no
  forward-ports:
  source-ports:
  icmp-blocks:
  rich rules:

[root@niselog ~]#

また、「22.5. ロギングサーバーでの RSYSLOG の設定」によればSELinuxによりポート制限をしている事もあるので「semanage port -l」でsyslogに許可されているポートを確認しろ、とのこと。

[root@niselog ~]# semanage port -l | grep syslog
syslog_tls_port_t              tcp      6514, 10514
syslog_tls_port_t              udp      6514, 10514
syslogd_port_t                 tcp      601, 20514
syslogd_port_t                 udp      514, 601, 20514
[root@niselog ~]#

その2 rsyslogにポート514での受信許可

標準の/etc/rsyslog.conf ではポート514の使用について下記の様にコメントアウトされています。

# Provides UDP syslog reception
#$ModLoad imudp
#$UDPServerRun 514

# Provides TCP syslog reception
#$ModLoad imtcp
#$InputTCPServerRun 514

これのコメントを外します。

# Provides UDP syslog reception
$ModLoad imudp
$UDPServerRun 514

# Provides TCP syslog reception
$ModLoad imtcp
$InputTCPServerRun 514

設定後、rsyslogの再起動で/var/log/messagesにログがたまる。

[root@niselog rsyslog.d]# systemctl restart rsyslog
[root@niselog rsyslog.d]# systemctl status -l rsyslog
● rsyslog.service - System Logging Service
   Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/rsyslog.service; enabled; vendor preset: enabled)
   Active: active (running) since 金 2019-11-01 11:04:53 JST; 1s ago
     Docs: man:rsyslogd(8)
           http://www.rsyslog.com/doc/
 Main PID: 2872 (rsyslogd)
   CGroup: /system.slice/rsyslog.service
           mq2872 /usr/sbin/rsyslogd -n

11月 01 11:04:53 niselog systemd[1]: Starting System Logging Service...
11月 01 11:04:53 niselog rsyslogd[2872]:  [origin software="rsyslogd" swVersion="8.24.0-41.el7_7.2" x-pid="2872" x-info="http://www.rsyslog.com"] start
11月 01 11:04:53 niselog systemd[1]: Started System Logging Service.
[root@niselog rsyslog.d]#

その3 ログを分ける

標準だと/var/log/messagesにまとめられてしまうため、ログを分離する。

/etc/rsyslog.d/remote.conf というファイルを新規作成し、下記を書いた。(「gateway」はルータについているホスト名)

if $fromhost == 'gateway' then {
  -/var/log/remote/gateway.log
  stop
}

これを設定したあと、「systemctl restart rsyslog」で/var/log/remote/gateway.log にログが保存されるようになった。

なお、最初、上記の「-/var/log/remote/gateway.log」ところは「-/var/log/remote/%fromhost%.log」として%fromhost%がホスト名に置き換わることを期待したのですが、実際に作られたログファイル名は「 /var/log/remote/%fromhost%.log 」とそのままでした・・・

EC-CUBE 4.0をSELinux有効状態のOracle Linux 7上に構築する手順(仮

EC-CUBE 4.0のテスト環境が必要になったので、Oracle Cloud上のOracle Linux 7インスタンスを立てて、その上に作成した。

が・・・公式ドキュメントはSELinux関連の設定とか触れてないし、かなり面倒だった。
厳密にやろうとするとかなりキツイので、SELinux有効の中でも簡単な対処としている。

環境初期準備

タイムゾーンを日本に設定

# timedatectl set-timezone Japan

fail2ban設定

sshアタックがあった場合にとっととIPバンするためにfail2banをインストール。
・・・いや、ターゲットにされるとホント、すごい勢いでsshアクセスの試行がありますよ。

# yum install -y fail2ban fail2ban-hostsdeny fail2ban-systemd
# systemctl enable fail2ban.service
# cat <<EOF > /etc/fail2ban/jail.local
[DEFAULT]
# 24時間以内に3回不審なアクセスがあったら24時間BAN
#bantime  = 86400
#findtime  = 86400
bantime  = 259200
findtime  = 259200
maxretry = 5

#CentOS7なのでsystemd
#backend = systemd # jail.d/00-systemd.conf で設定されてた

# 除外IP
ignoreip = 127.0.0.1 127.0.0.0/8 10.0.0.0/8 172.16.0.0/12 192.168.0.0/16 <除外したいIPを追加>
[sshd]
enabled = true
banaction = firewallcmd-ipset
EOF
# systemctl start fail2ban.service
#

webサーバとphp設定

phpはOracleが用意しているphp 7.2を使用するため、「oracle-php-release-el7」をインストール。現状の標準設定だとphp 7.2が標準選択されている。なお、php 7.1かphp 7.0を使うこともできるが、いまさら利点は無いので使用しない方がよい。

# yum install oracle-php-release-el7
# 

phpパッケージとhttpdをインストールして、firewall開け設定実施

# yum install -y httpd mod_ssl php php-json php-mbstring php-pdo php-xml php-zip php-mysqlnd php-intl 
# systemctl enable httpd
# systemctl start httpd
# firewall-cmd --permanent --zone=public --add-service=http
# firewall-cmd --permanent --zone=public --add-service=https
# firewall-cmd --reload

APCU(php-pecl-apcu)のインストールを推奨されたが、パッケージのコンフリクトが発生していたのでインストールしなかった。

SQLサーバ設定

今回はmariadbをSQLサーバとして使用した。

# yum install -y mariadb-server
# systemctl enable mariadb
# systemctl start mariadb
#

SQL起動後、ECCUBE用のデータベースを作成した。

# mysql -u root
Welcome to the MariaDB monitor.  Commands end with ; or \g.
Your MariaDB connection id is 2
Server version: 5.5.64-MariaDB MariaDB Server

Copyright (c) 2000, 2018, Oracle, MariaDB Corporation Ab and others.

Type 'help;' or '\h' for help. Type '\c' to clear the current input statement.

MariaDB [(none)]> create database eccube character set utf8;
Query OK, 1 row affected (0.00 sec)

MariaDB [(none)]> grant all on eccube.* to cubesql@localhost identified by 'dbsqlp@ss';
Query OK, 0 rows affected (0.08 sec)

MariaDB [(none)]> exit
Bye
#

ECCUBEファイル展開

/var/www/html/eccube にEC-CUBE 4.0.3を展開した。

展開した中に.htaccessファイルが含まれていますが、標準設定では読み込まないのでApacheに設定追加を行います。 (もっとセキュリティを強化してもいいとは思いますが、面倒だったので・・・)

# cat <<EOF> /etc/httpd/conf.d/eccube.conf
<Directory "/var/www/html/eccube">
    Options Indexes FollowSymLinks
    AllowOverride All
    Require all granted
</Directory>
EOF
# systemctl restart httpd
#

で・・・SELinuxがらみがどうなるかですが、おもいっきり引っかかりまくりました。

とりあえず該当するコンテンツに対して「httpd_sys_rw_content_t」を割り当てることで対処しました。

最初は個別に対処していこうとしたのですが、インストールプロセスを進めていくと、/var/www/html/eccube全体に対して権限を要求されたため、最終的には下記となりました。

# chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube
#

とりあえず、これでEC-CUBE 4.0の初期セットアップ完了までできるようになりました。

なお、サイトによっては「getsebool -a|grep httpd_can_network_connect」で「httpd_can_network_connect」の値を確認し、offであればonに変更する、と記載されているものもありますが、必要ありませんでした。

エラーコレクション

SELinux設定をしていく中で出てきたエラー群です。

まず、 http://IPアドレス/eccube/ にアクセスすると以下が現れました。

(2/2) ContextErrorException
Warning: file_put_contents(/var/www/html/eccube/var/cache/install/EccubeInstallDebugProjectContainerDeprecations.log): failed to open stream: No such file or directory

(1/2) RuntimeException
Unable to create the cache directory (/var/www/html/eccube/var/cache/install)

このときに表示された /var/www/html/eccube/var に対して「chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube/var」を実行しました。

次にでたエラーは下記です。

Filesystem->copy('/var/www/html/eccube/html/template/default/assets/img/common/favicon.ico', '/var/www/html/eccube/html/user_data/assets/img/common/favicon.ico')

/var/www/html/eccube/html/user_data以下に書き込む権限がないというもの。
eccubeディレクトリ内を探すと他にも「user_data」というディレクトリがあったため、「chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube/html/user_data」と「chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube/app/template/user_data」を実行した。

最後に「権限チェック」で引っかかった。

以下のファイルまたはディレクトリに書き込み権限を付与してください。
>>☓:/var/www/html/eccube
>>☓:/var/www/html/eccube/app/Plugin
>>☓:/var/www/html/eccube/app/PluginData
>>☓:/var/www/html/eccube/app/proxy
>>☓:/var/www/html/eccube/app/template
>>☓:/var/www/html/eccube/html
>>☓:/var/www/html/eccube/vendor
<略>
>>☓:/var/www/html/eccube/vendor/ocramius/proxy-manager/README.md
>>☓:/var/www/html/eccube/vendor/ocramius/proxy-manager/composer.json
>>☓:/var/www/html/eccube/composer.json
>>☓:/var/www/html/eccube/composer.lock

ようはここまでで「httpd_sys_rw_content_t」を設定しなかった全ファイル。

「chcon -t httpd_sys_rw_content_t -R /var/www/html/eccube」を実行して再チェック・・・

>>○:アクセス権限は正常です

これでセットアップを進めることができました。

Oracle Cloudでは使用状況レポートを有効にしないとVM内にアクセスエラーログがたまりまくるので注意

東京リージョンでOracle Cloud Always Freeインスタンスを作れないので、US West(Phoenix)リージョンでアカウントを作り直してOracle Linux 7インスタンスを作ってみたところ /var/log/oracle-cloud-agent/agent.log にスクリプトの実行エラーが毎秒出ている。

作り直し前の方ではagent.logは正常なのに何故?と思ったら、Oracle Cloudコンソールの「アカウント管理」の「使用状況レポート」が未設定なためだった。

上記にある様に「アイデンティティ」の「ポリシー」にて「ポリシーの作成」をクリックし、上記ページに書かれている「ステートメント1」「ステートメント2」を下記画面の「ポリシーステートメント」に貼り付ければOK。(名前と説明は適当につける)

なお、ステートメント2にある「<group>」は「Administrators」に置き換える必要がある。(「アイデンティティ」の「グループ」に登録済みのグループ名に置き換える)

この設定を行ったあと、agent.logへエラーを吐き出していたインスタンス上で「 systemctrl restart oracle-cloud-agent.service 」を実行することでエラーは収まりました。

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